その他

2011年11月22日

事例428『玄関の気密』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今日、新築完成の検査に行った現場。
 
 外は足場を解体中。
 中は便器などを付けていました。
 
 こんな状態でも、明日施主検査。
 
 
 今月は、仕上げの工期に余裕がない現場が多いようです。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「玄関の気密」
 __________________
 
 428

 
 
 ◆写真解説
 
 玄関まわり、気密タイプの基礎パッキンに入れ替えている。
 
 図面で指示された場合は勿論、
 省エネルギー対策等級4仕様では、玄関の気密化が必要です。
 
 
 ◆内容説明
 
 今回の部分は、面積によっては断熱材を省略できますが
 気密まで省略していいとは、基準に記載されていません。
 
 
 21年の省エネ告示改正で、
 気密に関する細かな規定が削除されました。
 
 そのこともあり、最近省エネ住宅を設計、施工する業者は
 気密を意識しないことが多い。
 
 
 住宅金融支援機構によると、
 「告示の改正では、画一的な規制基準が基準の簡素化・合理化により
 なくなったと理解すべきで、竣工後の的確な省エネ性能の実現・
 内部結露の防止・計画換気の実現のためには、従来どおり気密性の
 確保のための的確かつ丁寧な施工を行うことが望まれる」とあります。
 
 
 断熱材をいくら良くしても
 気密が低ければ、省エネ性能は落ちる。
 
 目には見えないものだけに、工事中のチェックが重要です。
 
 
 
 ◆対策
 
 性能が高い省エネ住宅を目指す場合、
 気密試験を行うことをお薦めします。
 
 
 カタログに高気密住宅と表示しながら、
 実際は、そうでない現場があります。
 
 
==================

■(2)編集後記

 
 何度も記載してますが、「中間検査」が機能してない。
 
 以前は、確認申請の現場検査と言えば、
 「完成検査」しかなかった。
 
 その完成検査も、昔は受けない現場が多く、
 2棟申請で3棟建てるなど、違法建築を野放し状態。
 
 
 地域によって違いますが、工事中の中間検査制度が創設され、
 愛知県では何年か前から、山間部を除きほぼ100%実施されています。
 
 
 この検査の目的は、主に違法建築や欠陥住宅でないかを確認すること。
 
 しかし、民間に検査を開放してからは
 検査自体が、きちんと行われていないのが現状です。
 
 
 昨日も、現場で民間の検査員と一緒になった。
 
 
 検査と言っても、現場は眺める程度で終わり。あとは、
 
 「変更なない?」
 「書類と、写真をまだもらってない」
 
 と聞き、5分くらいで検査は完了。
 
 
 検査員は役人OBと思われる。
 
 書類だけ、きちんとしておいて、
 現場の細部は見ないことに、徹底している感じでした。
 
 
 
 今年も、40件ほどの完成済住宅の瑕疵検査をした。
 多くの欠陥を指摘し、この中のいくつかが、すでに裁判まで発展している。
 
 裁判したから救われる訳ではない。
 
 いつ壊れてもおかしくない家でありながら
 未だに判決が出ないため、我慢して住んでいる人も中にはいる。
 
 
 中間検査できちんと見てくれれば
 このような現場は、かなり減るでしょう。
 
 
 
 
 ブログの引越しをしました。
 本年度中に完全移転の予定です。
 ↓こちらで読者登録していただくと、更新をメールで知らせてくれます。
 
 http://ameblo.jp/kanomu-kensa
 
 
 
 住宅業界の内情を広く知っていただくため
 人気ブログランキングに参加しています。
 ↓ポチっと応援、お願いします!
 
 人気ブログランキングへ
 
 
 このブログは、まぐまぐのメルマガでも読めます。
 登録はこちらから
  http://archive.mag2.com/0000238034/index.html
 

iekensa at 20:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年11月04日

事例423『ホルムアルデヒド濃度』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今週は、かなり予定が埋まっています。
 
 事務所に帰ってからも、何時までにこれをやってなど
 時間に余裕がありません。
 
 そのため、電話やメールなどが、
 後回しになっています。

 
 
■(1)今回の事例___________

  「ホルムアルデヒド濃度」
 __________________

 423


 
 ◆写真解説
 
 ホルムアルデヒド濃度0.135ppm。
 日本の基準値0.08ppmを、大幅に超えている。
 
 ほとんどの現場は、0.02ppm以内です。
 
 
 ◆内容説明
 
 新築住宅の完成検査で、当社はホルムアルデヒドを測定します。
 
 最近は、建材や換気の規制があり、引越し前の状態で
 基準値を超えることは、まずありません。
 
 私の記憶では、過去7年間位で基準値を超えたのは、
 4,5件だと思います。
 
 
 今回、特に珍しい建材、接着剤は使ってなく
 発生源は不明です。
 
 ホルムアルデヒド濃度が高いと、
 私の場合は、頭が痛くなります。
 
 頭痛でも不快ですが、シックハウスを発症する可能性があり
 何らかの対策が必要になります。
 
 
 今回数字を下げるのに、有効だったのが、これです。
 http://www.ando-sangyo.co.jp/packen.html
 
 
 
 
 ◆対策
 
 頭痛や臭いなど、もしかしてと思ったら
 検査をしてみることが大事です。
 
 
 
===================

■(2)編集後記

 
 先日の欠陥検査時、鉄筋探査でベタ基礎スラブ全体の
 かぶり不足を発見。
 
 基礎下のコンクリート厚が不足している訳ですが
 基礎の下面を修理することは、簡単ではない。
 
 新築の配筋検査でも、かぶりは良く指摘する項目です。
 それだけ、施工上確保が難しいものです。
 
 
 今日検査に行った、一条工務店さん。
 
 ベタ基礎のスラブの鉄筋、
 下のかぶり厚が10CM確保されていました。
 
 基準法施行令では6CMあれば良い箇所、
 つまり4CMも、余分に設計し、施工されている。
 
 これだけ余裕を見れば、施工ミスなどがあっても
 基準値を下回ることがない。
 
 
 職人の仕事に目を光らせる以外に、
 仕様(設計)自体を、変えることも必要だと思います。
 
 
 
 
 ブログの引越しをしました。
 本年度中に完全移転の予定です。
 ↓こちらで読者登録していただくと、更新をメールで知らせてくれます。
 
 http://ameblo.jp/kanomu-kensa
 
 
 
 住宅業界の内情を広く知っていただくため
 人気ブログランキングに参加しています。
 ↓ポチっと応援、お願いします!
 
 人気ブログランキングへ
 
 
 このブログは、まぐまぐのメルマガでも読めます。
 登録はこちらから
  http://archive.mag2.com/0000238034/index.html
 
 

iekensa at 17:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年09月02日

事例405『擁壁ベースが薄い』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 台風が近づいています。
 
 昨日、今日行った現場は、
 台風対策に追われていました。
 
 
 明日の検査予定は全てキャンセル。
 
 何事も無く、過ぎてくれることを祈ります。
 
 
 
■(1)今回の事例________

  「擁壁ベースが薄い」
 ______________
 
 405

  
 
 ◆写真解説
 
 擁壁ベースが薄い。
 設計では350mm。実際は200mmしかない。
 耐力的に弱いことは確実である。

 
 ◆内容説明
 
 擁壁にいろいろ不備があり、きちんと施工できているか、
 調べれるものを徹底的に調べた。
 
 そうしたら、地中に埋まっている部分の
 ベースの厚さが薄かった。
 
 設計の35CMに対し15CMも薄い。
 明らかな手抜き工事です。
 
  
 やはり、見えなくなる箇所に
 手抜き工事が集中する。
 
 先週、ニュースになっていた
 大京の川崎市の欠陥マンションも
 見えない箇所の手抜きが、いろいろ発覚した。
 
 
 
 ◆対策
 
 擁壁のトラブルは、意外と多い。
 
 高さが高いほど、、
 第三者検査の必要性が増すと思います。
 
 
 
=================

■(2)編集後記


 今日、基礎の配筋検査へ行った現場、
 建物配置が10CM間違っていた。
 
 つい2ケ月前にも1件あった。
 
 
 役所の検査で、配置くらいはチェックします。
 完成してから気づいても、移動はほぼ不可能。
 
 
 コンクリートを打つ前であり、
 現場監督さんから、
 「この指摘は、ありがたい」と言われました。
 
 
 配筋検査で、配置をチェックしています。
 ただし、境界がわかりにくい現場は、
 きちんと確認できません。
 
 
 同時に検査に来た「某社、瑕疵保証検査員」は
 写真を3枚だけ撮って、検査完了。
 どうも、それは会社からの指示らしい。
 
 私らのような第三者検査会社が入る現場は
 全体の1%もないと思う。
 
 瑕疵保証検査のレベルが上がると
 基礎の欠陥は大幅に減ると思います。
 
 
 
 
 住宅業界の内情を広く知っていただくため
 人気ブログランキングに参加しています。
 ↓ポチっと応援、お願いします!
 
 人気ブログランキングへ
 
 
 
 このブログは、まぐまぐのメルマガでも読めます。
 登録はこちらから
  http://archive.mag2.com/0000238034/index.html
 
 
 長井のツイッター
       http://twitter.com/ryojinagai


iekensa at 16:24|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年05月06日

事例371『壁の隙間』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今朝、眼科へ行くため電車に乗りました。
 
 電車の中及び、駅はかなりの人。
 GW中ですが、今日は仕事の人が多いようです。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「壁の隙間」
 __________________
 
 371

 
 ◆写真解説
 
 パネル据付精度が悪く、
 ユニットバスの外壁に約7mmの隙間ができた。
 
 これでは、カタログで表示されている
 防火性能をクリアできない。

 
 ◆内容説明
 
 高耐火性能を売りにしている大手ハウスメーカーの
 ユニットバスの天井点検口をのぞいたら、
 壁に隙間が見えた。
 
 パネルの精度が悪く、空いてしまったと思われるが
 隙間を埋めるなどの処置もなく、放置した状況をみると、
 ここの品質管理は、いい加減だと思う。
 
 
 高耐火性能のメリットは、省令準耐火仕様など、
 耐火性能によって、火災保険の割引がある。
 
 標準仕様でない場合、
 追加費用を出して、耐火性能を上げる方もいます。
 
 
 
 ◆対策
 
 高耐火性能の施工、まずは基準を理解することが大事。
 
 大手ハウスメーカーでは施工マニュアルが存在するが、
 大工さんが十分理解していないケースもある。
 
 
 保険会社から「詐欺だ」と言われないように
 施工中のチェックが大事です。
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 自宅の斜め前で昨日、注文住宅の地鎮祭があった。
 
 私はそのとき留守だったため、
 業者が工事の挨拶にきて、置いていった紙を
 帰宅してから見た。
 
 それを見た感想は
 
 ・・「宣伝チラシか?」
 
 
 紙面の大半は、◆エ△ホームの性能について書かれている。
 
 チラシと勘違いして捨ててしまい、
 工事挨拶に来ないと思う人もいるでしょう。
 
 そこまでして、売り込みたいかと思う。
 
 
 売り込み文句で、目に付いたのは
 「コストパフォーマンスが高い
   (高性能だけど安い)」という文字。
   
   
 安くて、いい家は確かに存在する。
 私も何度か見ているし、メーカーも言える。
 
 しかし、大半は「安かろう=悪かろう」です。
 
 
 
 「原発は安全だ」と同じで
 「安くていい」、・・・言うだけは簡単。
 
 
 焼肉チェーンの集団食中毒事件。
 ニュースを見ると、この店舗は、
 価格の安さを売りにしていたようです。
 
 安くするために=手(手数)を抜く、管理を抜く、材料を落とす
 
 これらは普通のことでしょう。
 
 
 建築は壁の中など、あとから見えないところで、
 主に手を抜かれるので、誰も気づかない。
 
 工事中の検査を行う第三者検査も
 業者から注文を受ける立場であり、
 どこも施主が期待しているレベルではない。
 
 
 チラシを鵜呑みにせず
 自分なりによく考えてみることが大事です。

 
 
 住宅業界の内情を広く知っていただくため
 人気ブログランキングに参加しています。
 ↓ポチっと応援、お願いします!
 
 
 人気ブログランキングへ
 
 
 このブログは、まぐまぐのメルマガでも読めます。
 登録はこちらから
 →http://archive.mag2.com/0000238034/index.html
 
 
 長井のツイッター
       http://twitter.com/ryojinagai

iekensa at 14:54|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年04月26日

事例368『基礎の通気ふさぎ』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今日午前中、コンクリート打設に立ち会いました。
 
 ここ最近、天気が不安定なので
 雨を心配しましたが、今現在も雨は降っていません。
 
 天気予報が、ころころ変わる時期は
 現場作業の判断が難しいですね。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「基礎の通気ふさぎ」
 __________________
 
 368
 
 
 ◆写真解説
 
 基礎の上の通気部。
 外側がビニールで塞がれている。
 
 これは躯体組み立て時の床養生で、
 剥がし忘れたようだ。
 
 基礎の通気ができなく、床下が湿気る。

 
 ◆内容説明
 
 屋根が出来るまでの間、1階床が濡れないように、
 また、基礎内へ雨が入らないように
 ビニールをしっかり貼った。
 
 工程が進み、フローリングの上だけは養生を剥がした。
 外部はそのままで完成してしまった。
 
 
 
 気がついたきっかけは、床下の漏水。
 
 床下調査依頼があり、床下に入ると、
 何か空気が湿気ていると感じがし、
 通気が塞がれていることを発見した。
 
 
 外装職人は、見ているはずですが
 それが問題であることに気づかない。
 
 
 ◆対策
 
 養生をしっかりやることは自体、悪くない。
 
 完成時など床下を検査すれば、これは発見できる。
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 3月決算が終わり、
 5月は法人税と消費税の納付があります。
 
 税金のことを考えていたら、
 復興のための増税案のニュースに目が留まりました。
 
  「3年限定で3%消費税を上げる」
 
 
 これは住宅のような金額が大きいものは、
 影響をかなり受ける。
 
 実施前に、住宅の受注が集中するでしょう。
 
 仮設住宅の建設が、一段落したあとだと思いますが、
 駆け込み受注が増え、資材不足が再度起きる。
 
 また、住宅着工数減の影響で、
 腕が悪く、淘汰された職人、業者が
 需要増で復活し、今の基準を知らないままに
 施工することで、欠陥住宅が増えるでしょう。
 
 
 増税は、復興の詳細を決めて、無駄遣いや、
 取りっぱぐれを、無くしてからにして欲しいです。
 
 
 消費税が3%上がって逆に儲かる人が、世の中にはいる。
 
 それは課税売上げが1000万円以下の事業者。
 
  消費税を納めなくていいからです。
 
 
 個人事業者の建築士にも対象者は多い。
 中には売上げを、過少申告している例もあるようです。
 
 課税限度を下げたり、個人事業者にも法人と同じレベルで
 税務調査が入れば、税収は増えるはずです。
 
 ただし、現実は、税務署がそこまで手が回らないために
 現行の制度は変わらないでしょう。
 
 不公平感は何にでもありますね。
 
 
 
 
 住宅業界の内情を広く知っていただくため
 人気ブログランキングに参加しています。
 ↓ポチっと応援、お願いします!
 
 
 人気ブログランキングへ
 
 
 このブログは、まぐまぐのメルマガでも読めます。
 登録はこちらから
 →http://archive.mag2.com/0000238034/index.html
 
 
 長井のツイッター
       http://twitter.com/ryojinagai

iekensa at 17:27|PermalinkComments(2)TrackBack(0)

2011年03月25日

事例359(床下に大量のゴミ)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 昨日、静岡県の東京電力管轄地域へ
 検査に行ってきました。
 
 計画停電以外の時間帯でも、
 昼間、トンネル内は真っ暗。
 夜は、店の看板が消えている。
 
 慣れないと、暗さにかなり戸惑います。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「床下に大量のゴミ」
 __________________
 
 359

 
 
 ◆写真解説
 
 住宅の床下に空き缶、コンビニ弁当のゴミが多数。
 
 土も整地が全くされていない。

 
 ◆内容説明
 
 トラブルにつながる事例なので紹介します。
 
 築十数年の住宅の床下に入ってびっくり。
 資材、空き缶、弁当のゴミが一杯散乱していた。
 
 ゴミが床下に捨てられていて
 誰もいい気持ちはしません。
 
 
 この家を建てのは、有名な大手メーカー。
 十数年前のことは言え、かなり「ずさん」
 
 
 現場が無管理状態で、
 下請け、職人任せだったのでしょう。
 
 
 
 ◆対策
 
 ここまでの例は極端ですが、
 見えない箇所でのゴミなどの散乱は、
 今でも珍しくありません。
 
 工事中にチェックすることが大切です。
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 最近、家庭教師を派遣する会社とのトラブル事例が
 新聞に掲載されていました。
 
 具体的な内容は、
  高額な教材を買わされた上に、
  担当した家庭教師の質の悪さ。
 
 
 一見、CMや広告ではいいイメージ。
 申し込みの説明に来る人は優秀。
 
  しかし、実際は・・・・。
 
 
 私も昨年初めて、
 家庭教師派遣会社の面談を子供と受けました。
 話を聞いて、いろいろ質問をした結果、
 からくりを見抜き、その場で断った経験があります。
 
 
 同じようなことが、住宅検査でもおきています。
 検査会社を組織名などで判断し依頼、
 検査に来た建築士が、設計事務所だけでは食えず、
 片手間、つまりアルバイトで検査をやっている人だった
 ということは、よくあることで、珍しくありません。

 専業と副業。
 どちらが真剣に取り組んでくれるか
 100%でないにしろ、判断できると思います。

 
 また、最近はNPOの検査組織が目に付きます。
 
 全ての組織がそうではないと思いますが、
 
 非営利性という好感の得やすさで依頼すると、
 NPOという看板は隠れ蓑で、事実上営利目的であったり
 それに付随している企業や個人の建築士の
 広報宣伝活動のためだったりします。
 
 
 誰に検査してもらうかで選ばないと
 失敗の確率は高いでしょう。
 
 特に新築、中古の完成済みの住宅検査。
 検査員が誰かによって、結果は変わることがあります。
 
 
 
 例として、私が最近行った中古住宅の検査の話しをします。
 検査した家は大手ハウスメーカーの家。
 
 依頼者は、その家の詳細な断熱性能を、
 一番知りたがっていた。
 
 
 建築士と言えども、一番よくわからないのが
 「軽量鉄骨のプレハブ住宅」だと思う。
 
 それは、一部のメーカーでしか造られていないからです。
 
 住んだ経験がない限り、断熱性能などは、
 よくわからないと思う。
 

 検査した物件は、当時坪100万円を超える、
 かなりの高額な商品。
 
 価格やメーカーブランドから判断してしまうと
 間違った情報を伝えてしまい、
 依頼者の購入判断を誤らせる可能性がある。
 
 
 私はこの物件においては、
 正確な情報を伝えられたと思います。
 また、依頼者にとって、私が担当でよかったと思います。
 
 
 理由として、今まで1300棟以上の検査経験から、
 住宅に関する豊富なデータの蓄積がありますし
 
 この物件が建てられた頃、私はこのメーカーの社員として
 年間100棟弱の現場を、現場監督として受け持っていました。
 
 当然ながら、当時のこのメーカーのことや
 軽量鉄骨造については、よく知っています。
 
 
 
 
 
 住宅業界の内情を広く知っていただくため
 人気ブログランキングに参加しています。
 ↓ポチっと応援、お願いします!
 
 
 
 人気ブログランキングへ
 
 このブログは、まぐまぐのメルマガでも読めます。
 登録はこちらから
 →http://archive.mag2.com/0000238034/index.html
 
 
 長井のツイッター
       http://twitter.com/ryojinagai

iekensa at 22:37|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2011年02月15日

事例348(ブロック塀の基礎がない)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 名古屋は、屋根に雪止め金物を付ける家は少ないです。
 
 今年のように、雪がよく降ると、
 道路際など、配置状況に応じて付ける家が増えそうです。
 
 
 
■(1)今回の事例_____________

  「ブロック塀の基礎がない」
 ___________________
 
 
 348
 

 
 ◆写真解説
 
 5段積みの新設ブロック塀。
 
 欠陥の疑いから壊してみると、
 基礎が既設ブロックだった。
 
 これでは基礎がないのと同じで、
 重機で力をかけると、簡単に倒れた。

 
 ◆内容説明
 
 全体にいい加減な施工をされて、業者と紛争に発展。
 ブロックが倒れる前に壊した。
 
 
 壊して地中を見ると、ブロックの基礎はなく、
 既設のブロックが2段埋まっていた。
 つまり、ブロックの自重だけで塀が建っている状態。
 
 5段積みは高さ1Mになる。
 基礎がなければ、地震などで倒壊することは確実。
 
 
 これは無知でやったと言うよりは、明らかな「手抜き」です。
 
 この工事は、何十年前ではなく、昨年おこなわれた。
 
 未だにこんな業者がいることに驚くが、
 珍しいことではない。
 
 
 
 ◆対策
 
 家は何度も建てるものではなく、
 業者の見極めが難しい。
 
 悪徳業者のカモにならないように気をつけたい。
 
 
 業者と利害関係のない専門家に
 相談しながら、話をすすめることをお薦めします。
 

 
======================

■(2)編集後記
 
 
 ネットの「掲示板」に書き込ている内容の
 信憑性について、よく質問を受ける。
 
 書き込みどおりの内容のものあれば
 情報が古い場合がある。
 
 
 例えば、現在は株式を公開し、対応も良い有名メーカーでも
 会社の規模が拡大する過程でいろいろ無茶をし、
 たくさんの犠牲者を出しているケースがある。
 
 昔、被害を受けた人たちの悪い内容の書き込み、
 最近、購入し満足している人たちの良い書き込みの
 両方があると、何が何だか、わからなくなると思う。
 
 
 判断に迷うときは私に、ご相談ください。
 
 あなたが選んだ業者について、
 「全てダメ」とか「対応が悪い」など
 具体的に細かな内容を教えます。
 
 
 ※検査申し込み者以外は「有料対応」です。
 有益な情報であるためご理解ください。
 
 ※当社は業者斡旋業務は行っていません。
 どこかの検査会社、検査団体のように、
 あなたが選んだ業者を全て否定し、
 特定の業者や設計事務所を勧めたりしません。

 
 
 住宅業界の内情を広く知っていただくため
 人気ブログランキングに参加しています。
 ↓ポチっと応援、お願いします!
 
 人気ブログランキングへ
 
 
 
 このブログは、まぐまぐのメルマガでも読めます。
 登録はこちらから
 →http://archive.mag2.com/0000238034/index.html
 
 
 長井のツイッター
       http://twitter.com/ryojinagai


iekensa at 10:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2010年12月28日

事例334(小屋裏換気なし)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今日、新聞記者から取材を受けました。
 
 実名を出して、いろんな実話を紹介。
 
 
 消費者を裏切っている業者へ忠告します。
 
 同じこと繰り返していると、実名で報道されますよ。
 
 
 
■(1)今回の事例_________________

  「小屋裏換気なし」
 ________________________
 
 334

 







 
 
 ◆写真解説
 
 小屋裏換気のための換気口が塞がれている。
 
 小屋裏換気は長期優良住宅、フラット35の仕様で
 換気量が決められている。

 
 ◆内容説明
 
 小屋裏は夏場、温度が高くなる。
 また、室内の湿気も集まりやすく、木部の腐朽や
 結露の可能性があることから、換気が必要です。
 
 
 しかし、フラット35や長期優良住宅を選択しない限り
 義務はなく、施工をしないケースも多い。
 
 
 家の耐久性に関係する重要なもの
 確実に施工したいものです。
 
 (※屋根断熱の場合、小屋裏換気は不要です)
 
 
 ◆対策
 
 これら耐久性に関する基準は、
 フラット35の仕様書に詳しく書かれている。
 
 フラット35を利用しなくても
 この仕様書に沿った施工を、契約前に約束する。
 
 
==========================

■(2)編集後記
 
 
 欠陥住宅を建てた業者がよく言う、言い訳。
 
 「役所の検査は、合格している」
 
 
 
 姉歯マンション事件の裁判で、
 ほとんどの行政と民間検査機関が責任を逃れている。
 
 比較的厳しく検査されている
 マンションやビルでこうだから、
 
 審査が甘く、特例で構造審査がない
 2階建ての住宅などは、もっと責任がないでしょう。
 
 
 役所の検査に立ち会えば、
 素人でも、その簡単さに驚きます。
 
 前にも紹介しましたが、
 当社の女性スタッフに話しかけ、
 現場内を確認せずに帰った検査員もいる。
 
 
 この現状を踏まえると
 役所の検査が合格しているからと言って、
 安心はできない。
 
 
 だから、「役所の検査があるから大丈夫だ」と言う
 業者は無知か、悪徳業者だと思った方がいいですね。
 
 
 
    
 
 住宅業界の内情を広く知っていただくため
 人気ブログランキングに参加しています。
 ↓ポチっと応援、お願いします!

 人気ブログランキングへ
 
 
 このブログは、まぐまぐのメルマガでも読めます。
 登録はこちらから
 →http://archive.mag2.com/0000238034/index.html
 
 
 長井のツイッター
       http://twitter.com/ryojinagai

iekensa at 05:34|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2010年09月28日

事例308(床下、雨水侵入)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 昨日、予定が5件。
 その処理に時間がかかり、まだ仕事中。
 
 明日も余裕がないため、今日は深夜の発送です。
 
 
■(1)今回の事例_________________

  「床下、雨水侵入」
 ________________________
 
 308

 








 
 ◆写真解説
 
 基礎の打ち継ぎ部から床下に雨水が浸入。
 
 基礎内に通気はあるが
 湿気がたまり、木が湿気る。
 
 
 ◆内容説明
 
 今年に入り、本例の相談を5件は受けた。
 
  よくある事例です。
 
 
 床下に水が溜まる例として、
 ・給排水菅からの漏れ
 ・雨水、地下水の浸入  がある。
 
 気になるのはやはり、躯体への影響。
 
 早期に気づいて対応すれば良いが、
 木材が吸って、木がカビる、釘などが錆びる
 
 などの症状が出ることがある。
 
 
 時々、結露だから仕方がないと逃げる業者がいるが
 通常、結露では写真ほどの水は溜まらないし、
 夏場で基礎表面が床下の気温より冷たくならないと
 結露は起きない。
 
 氷を入れたコップを見れば
 結露の原理がわかります。
 
 
 ◆対策
 
 定期的な点検が有効です。
 
 地下水の浸入は
 水位が高くなる夏場だけ、水が入ることがある。
 また、水漏れはいつおきるかわからない。
 年2回くらい床下点検口をあけることをお薦めします。
 
 
===========================

■(2)編集後記
 
 
 「手抜き!骨抜き!5割抜き!!」
 
 岩山健一さんのブログの言葉に共感。
 http://ameblo.jp/jikenbo100/entry-10658621147.html

 
 特に、5割抜き・・・粗利率5割は
 現場でいくつか感じていましたし、
 私は大手ハウスメーカーに居たので
 このことは当然知っていました。
 
 また、検査業務を始めて、いろいろな現場を見るようになり
 さらに深く知ることができています。
 
 
 一概に比較はできませんが
 ある大手ハウスメーカーと
 安さで有名なタマホームを比べてみると
 
 
 基礎はタマホームの方が鉄筋量が多い。
 
 躯体、設備、サッシ、内部ドア、仕上げ材で差はない。
 
 職人単価だって大差ないはず。

 
 
 家を買う人が、高くても大手メーカーへ依頼する理由は
 大手の安心、ブランドを買っていると思う。
 
 現場管理の人件費などがタマホームよりかかることを
 納得していると思うが、
 
  そこも本当にいい加減な会社がある。
  
 そうなると、5割抜きが納得できなくなる。
 
 
 住宅メーカーのブランドは
 企業側がつくり、信じ込ませている部分がある。
 
 消費者が抱く「大手ハウスメーカー」のイメージは
 いい会社、良くない会社が一緒になってしまっている。
 
 
 一生に一度の買い物だけに、はずれをつかまないよう
 きちんと見極める事が大事です。
 
 
 
 
 このブログはまぐまぐのメルマガでも読めます。
 登録はこちらから
 →http://archive.mag2.com/0000238034/index.html
 
 
 住宅業界の内情を広く知っていただくため
 人気ブログランキングに参加しています。
 ポチっと応援、お願いします!

 人気ブログランキング
 
 長井のツイッター
       http://twitter.com/ryojinagai
 

iekensa at 00:47|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2010年09月03日

事例301(外壁防火違反)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 9月になっても猛暑が続きます。
 
 今日3件、現場行ってきましたが
 どの現場も暑かったです。
 
 
 
■(1)今回の事例_________________

  「外壁防火違反」
 ________________________
 
 301

  









 
 ◆写真解説
 
 ユニットバスまわりの外壁。
 室内側に防火被覆のために必要な石膏ボードの施工がなく、
 断熱材が露出している。
 
 
 ◆内容説明
 
 平成12年の告示で改正された防火の事項。
 
 木造建築物等の外壁で延焼の恐れのある部分は
 室内側に9.5mm以上の石膏ボード又は
 グラスウールなどの断熱材を充填した上に
 4mm以上の合板の施工が必要。
 (ダイライトなどの施工があれば省略できるケースあり)
 
 ユニットバスの外壁部以外に
 屋根裏、1階の天井裏の外壁部も同様です。
 
 
 三井ホーム、一条工務店、住友林業、ミサワホーム
 センチュリーホーム、ウッドフレンズ、タマホーム
 サンヨーハウジング名古屋など
 
 大手のメーカーではほとんど守られているが、
 未だに守られていない業者が多い。
 
 これは法改正を知らない建築士が多いのと
 一部の建築主事がこの防火被覆を
 要らないと言っているからです。
 (法律文だけ読むと天井裏などはグレーゾーンで
 どちらとも取れるからです。)

 コンプライアンスが重視される現代
 甘いほうへ解釈することはどうかと思います。
 
 
 ある有名メーカーの一部の支店で
 これが守られていなかった。
 
 昨年、建築ジャーナリストに指摘を受け、
 週刊誌に記事を書かれたことをきっかけに
 今では標準施工になっています。
 
 
 
 
 ◆対策
 
 瑕疵検査などでこの指摘を受ける建物が
 今後増えると思う。
 
 今は「グレーゾーン」でも
 実際に火災の被害などが出て
 これが完全に「クロ」となる可能性がある。
 
 
 補修が大変な部分だけに
 今、施工しておくことが大事だと思います。
 
 
 
==========================

■(2)編集後記
 
 
 9月1日、防災の日に
 洪水のニュースを耳にした。
 
 やはり今後、集中豪雨が増えるらしい。
 
 しかし、都市部でその対策が遅れているようです。
 
 
 床上浸水の恐れのある地域に
 これから家を建てる人は
 1階床の高さに気をつけるべきです。
 
 
 実際には、建築基準法で高さに対する制限があり
 無理な場合がある。
 
 東京の3階建て住宅では最高高さを抑えるため
 1階が半地下になっている家が多く
 集中豪雨で下水があふれたりすれば
 すぐに水につかるでしょう。
 
 
 建築基準法がこのままだと
 3階を建てられなく人が増えるかもしれません。
 
 法改正の議論になりますが
 周辺に影響がなければ
 高さ制限の緩和が必要だと思います。
 
 
 
 
 このブログはまぐまぐのメルマガでも読めます。
 登録はこちらから
 →http://archive.mag2.com/0000238034/index.html
 
 
 住宅業界の内情を広く知っていただくため
 人気ブログランキングに参加しています。
 ポチっと応援、お願いします!

 人気ブログランキング
 
 長井のツイッター
       http://twitter.com/ryojinagai
 

iekensa at 18:37|PermalinkComments(1)TrackBack(0)