設備

2011年11月08日

事例424『配管スリーブの間隔が狭い』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 ここ1週間、現場の予定が過密でした。
 
 昨日は特に過密で、朝8時に北名古屋市。
 そのあと、10時に岐阜市。
 14時から三重県の裁判所。
 17時から春日井市。
 
 現在、机の周りには書類の山。
 
 夜間少しづつ、処理しています。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「配管スリーブの間隔が狭い」
 __________________
 
 424

 
 
 
 ◆写真解説
 
 基礎スリーブの間隔が狭い。
 
 耐力低下を防ぐため、直径の3倍、
 離なさければならない。是正中の写真。
 
 
 ◆内容説明
 
 建築工事共通仕様書などに、この基準は記載されていて、
 大手ハウスメーカーの施工マニュアルにも記載されています。
 
 職人さんは、配管のおさまりを優先するため、
 給湯器付近で、水、湯、排水、追い炊き配管、床暖配管などが
 集中し、スリーブが近接しやすい。
 
 基準を知っていて、設計の時から図面に位置を指定すると、
 このような事例は起きません。
 
 
 
 ◆対策
 
 設備職人任せにせずに、
 基礎伏図に配管貫通位置を明記させる。
 
 
 
=====================

■(2)編集後記

 
 先日、中古住宅購入前の検査に行きました。
 
 検査をしていくと、いろいろな瑕疵が出てきた。
 
 最終的には自己判断にお任せしますが、
 依頼者にリスクを説明し、買わない方がいいと
 助言しました。
 
 
 最近の中古物件。
 不動産業者が買取り、リフォームをして
 売主として、売るケースが多い。
 
 事故車をきれいにして売るようなもので、
 中身の瑕疵は、隠れたままにしておき、
 見た目だけ良くして、できるだけ高く売る。
 
 
 中古住宅を購入するときは、床下、屋根裏を、
 隅まできちんと見ることが大事です。
 
 
 売主が宅建業者でも、相手によっては、
 責任をあとで追求することは難しいです。
 
 
 
 
 
 ブログの引越しをしました。
 本年度中に完全移転の予定です。
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2011年10月07日

事例415『床下の水漏れ』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 私のスマートフォンは、ドコモのアンドロイド。
 
 2年経つので、そろそろ買い替え時期です。
 
 
 ドコモで買い換えるか、それともiPhone4Sで
 AUか、ソフトバンクかで迷います。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「床下の水漏れ」
 __________________
 
 415

 
 
 ◆写真解説
 
 床下浸水のあと(矢印部まで水が溜まった)。
 天災ではなく、水漏れによるもの。
 
 
 ◆内容説明
 
 今年の夏は、同事例での調査依頼が多かったです。
 水漏れ以外に、雨水侵入の事例もありました。
 
 最近の基礎は、基礎天端で換気を行う形式が主流のため
 換気孔がなく、発見が遅くなるケースが多い。
 
 
 床下の換気が良ければ、水が溜まっても
 木部への影響は少なく済みます。
 
 換気が悪く、木が水蒸気をたくさん吸ってしまうと
 カビが発生します。
 
 
 
 ◆対策
 
 完成時にきちんと水漏れチェックをしても
 後日、水漏れが起きることがあります。
 
 定期的に、床下点検口から床下を確認する。
 
 
======================

■(2)編集後記
 
 欧米で、若年失業者や格差の問題が顕著になっています。
 
 日本でも問題が深刻化していることを、実感しました。
 
 それは、この前、社員募集をしたところ、
 当社のような会社に、思ったより多くの応募がありました。
 
 数が多い理由のひとつに、
 応募者の1/4ほどは、派遣切りになった若い失業者でした。
 
 今回の募集で感じたことは、
 彼ら、彼女らは、仕事の内容を確認しないで、
 給料だけで判断し、応募する傾向があるようです。
 
 面接に来て、「何の会社ですか」と聞く人もいた。
 
 それでは、受かるはずがない。
 

 
 現在の政治や景気動向を見ていると
 雇用問題が、すぐに改善できるとは思えません。
 
 円高で企業が海外へ出ていけば
 状況はさらに悪化するでしょう。
 
 
 住宅業界も、少子高齢化の影響で今後も、仕事が減っていきます。
 そんな状況でも、新たにこの業界で働く人のために
 いい業界にしたいものです。
 
 
 
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2011年08月23日

事例402『ユニットバスの支え』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 直木賞受賞作「下町ロケット」
 CMが流れるなど、かなり宣伝しています。
 
 少し前に購入したのですが
 400ページもあり、読むのを後回しにしてました。
 
 しかし、読み始めると、一気に読めます。
 
 フィクションですが、
 大手企業の体質については、かなり同感できます。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「ユニットバスの支え」
 __________________
 
 402

  
 
 ◆写真解説
 
 ユニットバスの脚の支えが、コンクリートブロック。
 
 高さ調整に安価な材料を調達。
 空洞部が多いため、当然弱く、破壊する恐れがある。

 
 ◆内容説明
 
 住宅メーカーは違いますが
 2日続けて、検査で発見。
 
 ユニットバスメーカーは同じ会社です。
 
 
 このコンクリートブロクを見て、思い出すのが
 「空手の試し割り」
 
 この面だから割れる訳で、
 コンクリートブロックは、本来
 一番弱いこの向きでは使いません。
 
 もちろん、ユニットバスなど重量物の支えには
 適しません。
 
 
 このメーカーのユニットバスは、
 今まであまり見たことがありませんでした。
 
 東北の大地震で、工場に被害がなく
 他メーカからの乗り換えで、需要が増えたようです。
 
 そのため、職人指導が徹底していないのか
 高さが合えば何でもいいと、
 安い材料で、仕上げてしまったと思う。
 
 
 本来は、束石など、コンクリートの塊を
 使わなければダメです。
 
 
 ◆対策
 
 製造メーカーの見解は、試験で安全を確かめた。

 衝撃に対して試験しているかは不明です。 
 
 
====================

■(2)編集後記

 
 このところ、多くの欠陥住宅を摘発しています。
 
 そのまま、裁判へ移行するような物件もいくつかあり
 忙しさが増しています。
 
 また、検査を厳しくやっていると、
 お客さんが、友達を紹介してくれたりするので
 新築の検査も忙しくなっています。
 
 
 業務が増えていくことに対応するため
 来月、社員募集をします。
 リクルート系の求人誌に載せる予定です。
 
 
 以前も書いた覚えがありますが、
 なかなか、仕事の内容や条件から、
 こちらが希望する人が申し込んで来ない。
 
 それでも今回は、条件の幅を広げ、応募者を増やし、
 その中から慎重に選ぶ予定です。
 
 
 
 
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2011年05月31日

事例378『車載禁止のます蓋』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 17年前くらいに、新築の独身寮に住んでいて、
 今日、その前を通ったら、解体工事をしていました。
 
 たった20年弱で解体。
 時代の流れで、必要のない建物になってしまった
 と思うと、もったいない気がします。
 
 
 
■(1)今回の事例__________

  「車載禁止のます蓋」
 ________________
 
 378

  
 ◆写真解説
 
 車載禁止のます蓋を、駐車場に使っている。
 車の重さによっては割れることがある。


 ◆内容説明
 
 写真は雨水のます蓋。
 
 乗用車くらいでは、割れることはありませんが、
 四駆など重量車が載ることも想定し、
 基本は、車が載る部分は、強度の強い蓋を使います。
 
 
 設計図書で指示しないことが多く、
 設備屋さんが判断して施工している場合が多い。
 
 
 ◆対策

 写真のように蓋には、はっきり「車載禁止」
 と表示があり区別は簡単。
 タイヤが載りそうな箇所は、チェックしましょう。
 
 
===================

■(2)編集後記
 
 
 先週、欠陥住宅被害者からメールが2通届いた。
 
 年に数回はあることですが、
 同じ日に、2通届いたのは初めてです。
 
 主な内容は
 
 「○○ホームに人生を狂わされた。何とか仕返しできないか」
 
 「裁判で、我が家の欠陥は、欠陥ではないと言われた」など
 
 
 悲痛な内容で、何とかしてあげたい気持ちはあります。
 しかし、裁判まで発展した状況では、難しいケースがほとんどです。
 
 また、マスコミに公表したいと言っても
 最近は裁判中の物件の取材は、まず受けてくれません。
 
 
 
 工事開始から、当社に検査を依頼してくるお客さんは
 有名メーカーで建てる人が多いです。
 
 理由を分析してみると、
 
 有名メーカーに依頼して、安心を買い。さらに、
 有名メーカーの家でも、所詮は職人が現場で造るので、
 念のために、自分側の第三者に検査を依頼して
 欠陥を防ぐという慎重な考えを持っています。
 
 このような方の場合、ほぼ100%、
 紛争にまで発展することはありません。
 
 
 やはり、事前の自己防衛が大事です。
 
 
 予算的に有名メーカーに頼めなくても、
 契約書類や図面を、自分側の専門家にチェックさせるなど、
 契約前から慎重にすすめることで、紛争の予防になります。
 
 お金をあまりかけなくても、必要最低限のことはすべきです。
 
 何かあっても、消費者は保護されているから
 大丈夫だろうという考えは、大変危険です。
 
 
 
 
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2011年05月24日

事例376『配管の逆勾配』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今週は、書類の締め切りに追われています。
 
 作成に時間がかかる紛争関係の依頼が
 集中しているため、時間配分に苦労しています。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「配管の逆勾配」
 __________________
 
 376

  
 
 ◆写真解説
 
 床下で見つけた、目視でもわかる排水菅の逆勾配。
 低い箇所で排水が溜まる。

 
 ◆内容説明
 
 床下など、普段目に付かない箇所は
 手抜きの宝庫。
 
 この写真とは関係がありませんが、
 最近は、コストダウンから、できるだけ配管を
 ひとまとめにして少なくする傾向にあります。
 
 そうなると、配管経路に制約が出て、
 本来、1/100の勾配を取る必要があるところ、
 間取りによっては、勾配ゼロという現場もよく見ます。
 
 
 戸建て住宅は、配管のメンテナンスをほとんど行いません。
 きちんと勾配を取っておくことは大切です。
 
 
 ◆対策

 基礎完成検査のとき
 床下の配管工事が済んでいるケースが多い。
 
 このタイミングで水平器でチェックをする。
 
 
===================

■(2)編集後記
 
 
 「誰も教えてくれない 家づくりを成功させるリアル交渉術」
 岩山健一さん著  亜紀書房
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4750511072/ie-kensa-22/ref=nosim
 
 を先週末に読みました。
 
 
 まず、大手ハウスメーカーが実名で登場するのにはビックリ。
 
 書いた岩山さんもすごいけど、
 出した出版社の亜紀書房も勇気があります。
 
 ただし、実名では書けなかった、
 もっとひどい事例があると思います。
 
 それでも今回、一部でも書けたことは素晴らしいと思います。
 
 
 あと、巻末袋とじ。
 有名ハウスメーカー20社建築検査時、マル秘評定書。
 
 これの評価については、異議ありません。
 評価の差は、全くの同意見です。
 
 
 あと、検査会社は、実名が伏せてありますが
 イニシャルなどで、私はどこのことか、すぐにわかりました。
 
 
 
 この本を読んでいろいろ実践されたら、
 ほとんどの業者は嫌がるでしょう。
 
 家は何度も建てるものではなく、
 消費者が未熟だから、騙しやすい
 
 それができなくなると、都合が悪いからです。
 
 
 
 家をこれから買う方は是非、
 読んでいただきたいと思います。
 
 
 私も、名古屋中心に業者ネタを相当数持っています。
 これらを、対面でしか公表できないのが本当に残念です。
   
 
 
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2011年02月18日

事例349(エアコン排水、基礎内に垂れ流し)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 普段、戸建て住宅の欠陥検査は
 2名で伺って約3〜4時間で終わります。
 
 ここ最近、伺った2件の家、
 調査にかかった時間は6時間と7時間。
 
  普段の2倍です。
 
 1人で行った訳ではありません。
 問題が多いと、やはり時間がかかります。
 
 
 
■(1)今回の事例____________

  「エアコン排水、基礎内に垂れ流し」
 ___________________
 349

 
  
 
 ◆写真解説
 
 エアコンの排水、床下に垂れ流し。
 これでは床下が湿気て、
 木構造部材に影響が出る。

 
 ◆内容説明
 
 室内の真ん中に、エアコンを設置。
 
 ドレン排水を、壁内を通し直下の基礎内へ
 排出する配管工事をおこなった。
 
 
 エアコン職人は、
 これでいいと、思っていたかもしれません。
 
 基礎コンクリートが濡れるだけなら
 問題ありませんが、
 床下が湿気ると、木がカビたり、
 腐朽の原因になります。
 
 
 ◆対策
 
 今回の事例は、床下を検査して発見。
 
 設備職人への指示も重要ですが
 床下の点検はもっと重要です。
 

 
====================

■(2)編集後記
 
 
 冒頭にも書きましたが、
 欠陥住宅の調査が、このところ続いています。
 
 その中で、呆れた事がありました。
 それは、材料をケチる行為。
 
 
 室内の仕上げ塗り壁。
 製造メーカーは2mmの厚さを想定しているのに
 現場は測ると0.2mmの厚さしかない。
 あまりにも薄いため、下地が透けている状態。
 
 故意なのかはわかりませんが、
 材料は10分の1で済んでいる。
 
 
 その他、施主の了解なく勝手に、
 基準法ぎりぎりまで、筋交いを7本も減らされている。
 
 24H換気扇、図面から3つも減らされていて、
 換気量不足になっている。
 
 外部で厚さ12mmの材料を施工するところ
 6mmの材料が張ってある。
 
 120mm角の柱を図面でうたいながら
 105mm角の柱を使っている。
 
 
 
  「売り文句と実際が違う」
 
 これは、「グルーポン 残飯おせち事件」みたいですね。
 
 (↓この事件を知らない人は、下記のブログがわかりやすい)
 http://ameblo.jp/ex-ma11091520sukotto/entry-10756568063.html
 
 
 
 不安を煽るわけではありませんが、
 家を買う、建てるときは、
 業者を疑ってかかるくらいの方がちょうどいいです。
 
 また、不況の影響からか、
 建築士による詐欺行為も最近増えています。
 
 
 どこかの国じゃあるまいし、人を信用できない。
 
 こんな悲しいことはありませんが、
 自分が被害者になりたくなければ、
 きちんと情報収集、予防策をはりましょう。
 
 
 
 
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2011年01月25日

事例342(梁の切り欠き)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 昨年の冬までは、新築完成現場を
 靴下で歩いても、足は冷たくならなかった。
 
 しかし、今年は足の冷えに耐えきれず
 先週、室内履きを購入。
 
 急に、血行が悪くなったのでしょうか。
 
 
 
■(1)今回の事例_________________

  「梁の切り欠き」
 ________________________
 
 342

  
 








 ◆写真解説
 
 梁の真上に配管を立ち上げる必要があるため、
 梁を欠いた。
 
 設計時の配慮不足。
 構造的に弱くなることは確実。
 
 
 ◆内容説明
 
 この配管は2階トイレの手洗いの給水と排水。
 
 設計時に、梁の向きなどを確認していないために
 このような結果となった。
 
 
 事前に、細部の取り合いなど考えず
 行き当たりばったりの施工が、住宅では一般的。
 
 基礎でも簡単に、あとから穴を開ける場合も多い。
 
 
 
 ◆対策
 
 設備で構造材を痛めないように
 工事前に図面上でのチェックをする。
 
 このように痛めてしまった場合は、補強する。
 
 
==========================

■(2)編集後記
 
 
 住宅の検査(ホームインスペクション)を扱う団体が
 今後増えそうです。
 
 役所や保証など、国の制度の検査は不十分であり
 これとは別に、検査を入れる必要性が広がることはよい事です。
 
 
 ただ懸念は、施工業者なども、検査団体を作ろうとしていること。
 
 現在、確認申請や性能評価などを行う民間の検査機関で
 ハウスメーカーが出資し、OBなどが社員の会社もある。
 それを、第三者機関と言うのは違和感がある。
 
 
 検査(インスペクション)において、
 検査の品質以上に難しいのが倫理。
 
 
 ドラッガーがプロの倫理としてこう言っている。
 
  「知りながら害をなすな」
 
 
 10年検査してきた私が、はっきり言えることは、
 
 検査員の自立性、私的利害の排除がないと、これを守れない。
 
 
 施工者の社員が検査員の場合、圧力に反発するには、
 会社を辞める覚悟がなければ無理でしょう。
 
 
  
 顧客アピール、その後の受注のために発足するなら
 それは自らの利益だけのためである。

 業務内容や範囲を明快にすべきです。
 
 
 依頼する側もよく見極めないと、無駄金を払うことになる。
 
 

 
 
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2011年01月05日

事例336(換気扇ダクトの穴)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 明けましておめでとうございます。
 
 今日から仕事始め。
 神社へ参拝へいくつもりでしたが
 午前中、検査が入り取りやめ。
 
 昨年は結局、行く機会を逃したため
 今年は、早めに行こうと思います。
 
 
■(1)今回の事例_________________

  「換気扇ダクトの穴」
 ________________________
 
 336

  








 ◆写真解説
 
 ユニットバス換気扇ダクト。
 新品とは思えない材料が使われ、穴も開いている。
 
 ここから空気が漏れて、天井裏に湿気が溜まる。

 
 ◆内容説明
 
 へこんでいるダクトが使われていて、
 テープの止め方も雑。
 
 天井裏の見えない部分だからでしょうか、
 適当に施工されてしまったケースです。
 
 
 これでは、浴室の湿気が天井裏にこもり、
 カビ発生などの原因にもなる。
 
 
 
 ◆対策
 
 今回の例は、ユニットバスの天井点検口から
 簡単に確認できます。
 
 
 
==========================

■(2)編集後記
 
 
 このお正月、気になったニュース。
 
 「アーバンエステート元会長らを詐欺で逮捕」
  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110104-00000565-san-soci
  
 「グルーポン 残飯おせち事件」
 

 騙す方が悪いに決まっていますが、
 
 騙されないように気をつけないと、
 また新たな詐欺に引っかかる。
 
 しかし、事前に注意することは難しいようです。
 
 
 アーバンエステートの破綻は2009年3月。
 似たような事例で、富士ハウスが2009年1月末に破綻し、
 あれだけニュースで報道されたのにも関わらず
 直後にこれだけの被害者が出た。
 
 振り込め詐欺同様、
 他人の被害は、自分への教訓にならないようです。
 
 
 
 グルーポンは、その仕組みや裏事情を知っていれば、
 きっと類似の例には騙されなくなる。
 
 参考になるブログはこちら↓
 http://ameblo.jp/ex-ma11091520sukotto/entry-10756568063.html
 
 
 
 おせちの方は、料金の1万円は返還されるようであるが、
 アーバンエステートの方は、返金は難しいでしょう。
 
 
 高い買い物ほど、気をつけないとダメです。
 
 
 だから、高額な家を買う時は、
 安易に業者を決めてはいけません。
 
 
 
    
 
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2010年10月15日

事例313(鉄筋コンクリート造 梁の穴)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 まだ半袖で現場に出ています。
 
 夜になると、やっぱり少し寒いですね、
 窓を半分閉めて、仕事しています。
 
 
 
■(1)今回の事例_________________

  「鉄筋コンクリート造 梁の穴」
 ________________________
 
 313

 







 
 
 ◆写真解説
 
 鉄筋コンクリートの梁。
 梁端部や下端付近の穴を開けてはいけない
 箇所に穴あけがされている。
 
 設計上よりも弱くなる。
 
 
 ◆内容説明
 
 建物は、設備の配管を構造部分に
 通さないといけない場合があり、
 配管が通る穴を開けていい場所が
 決められています。
 
 これは鉄筋コンクリートだけでなく
 木造も同様です。
 

 穴をあけられる箇所は、当然
 構造的に影響がない箇所が指定されます。
 
 反対に言うと、指定された場所以外は
 構造的に弱くなるのでNGです。
 
 
 設備屋さんに構造を理解させることは困難、
 故意ではなく、無知で施工してしまい
 監理者も見てないか、気づかなかったのでしょう。
 
 
 
 ◆対策
 
 これらの判断は素人では難しいので
 きちんとプロが現場を検査することが大事。
 
 
 
==========================

■(2)編集後記
 
 
 「長期優良住宅」
 ・・参考 http://www.sumai-info.jp/chouki/index.html
 
 「フラット35S」
 ・・参考 http://www.flat35.com/loan/flat35s/tech.html
 
 
 この制度ができて、
 今年は大手ハウスメーカーだけでなく
 ローコストメーカーまでもこれらを標準仕様とした。
 
 それによって、住宅の性能が全体に上がったと感じる。
 
 特に、省エネルギー性に対する性能で
 断熱性能がアップしたことは大きいと思う。
 
 
 私が注目していることは、
 
 今、売れているローコスト系の分譲住宅でも
 これらの仕様が標準化されていること。
 
 分譲住宅と言えば
  「安かろう悪かろう」というイメージであったが
 それがこの制度の標準仕様化によって
 払拭される可能性がある。
 
 安くていい、となれば売れるのは当たり前で、
 住宅不況の現在、これらの分譲住宅は
 人気があり、すぐに売れている。
 
 当社でも、完成した分譲住宅より、
 これから着工する分譲住宅の検査依頼が増えている。
 
 これは早期に売れている証拠である。
 
  
 そうなると、価格が高い大手ハウスメーカー離れが
 進むことになるだろう。
 
 
 ただ、注意点はある。
 施工が間違っていては「欠陥住宅」になる。
 基準どうり施工することが条件です。
 
 
 この制度、できてからあまり時間が
 経過していないため
 検査でおかしな施工をたくさん見かけます。
 
 確実に施工させることが
 この制度を完璧にするポイントでしょう。
 
 
 
 
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2010年01月08日

事例232(浴室換気扇ダクト)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 年明け早々で
 今週まで「検査は少ないだろう」という予想に反して
 
 今日は3件、現場に行ってきました。
 
 
 
■(1)今回の事例_________________

  「浴室換気扇ダクト」
 ________________________
 
 232 




 
 ◆写真解説  ↑クリックすると拡大します
 
 浴室の換気扇。
 結露水逆流防止の注意書き
 (必ず守っていただきたいこと)
 と反対の勾配でダクトの施工がされている。
 
 
 ◆内容説明
 
 製造メーカーの「指示」を無視した施工。
 
 大きく注意書きがしてあるのに
 電気屋さんが守らなかった。
 
 
 浴室換気扇の接続は工事の後半。
 
 先に外壁の高い位置へ穴を開けてしまったため
 このようになってしまったのでしょう。
 
 
 製造メーカーは結露が原因で
 故障したとき責任がこないように
 このような表示をしています。
 
 もしこれが原因で故障すれば
 電気屋さんの責任になってしまいますね。
 
 
 
 ◆対策
 
 メーカーの施工マニュアル
 意外と職人さんは読んでいません。
 
 過剰なことが書いてあるかもしれませんが
 施工費用を払っている建築主にとっては
 マニュアルどうり施工してもらって当然です。
 
 一度、確認することをお薦めします。
 
 
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■(2)編集後記

 
 年末年始に何冊か読んだ本に書いてあったことで
 共通していたこと。
 
 ニュアンスは微妙に違いますが・・
 
 
 「短絡的な金儲け目的で
   商売している会社は長続きしない」
   
 
 これは、住宅を売ったり、造っている会社は
 結構わかりやすいと思います。
 
 明らかに「そうだ」という会社は結構あります。
 
 
 今後何かで会社を選ぶときの判断基準として
 考えてみてもいいですね。
 

iekensa at 19:45|PermalinkComments(0)TrackBack(0)