地盤、杭

2011年12月13日

事例434『不同沈下の影響』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 今日、健康診断の精密検査で、CT(コンピュータ断層撮影)
 を撮りました。
 
 待合の壁に貼ってあるCT撮影の画像を見ると、
 鮮明に体の断面を画像化するようです。
 
 CTのような高性能機械がコンパクト化し、
 住宅現場で撮影可能になれば、
 欠陥の発覚が、何十倍も増えるでしょう。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「不同沈下の影響」
 _________________
 
 434

 

 ◆写真解説
 
 大きく不同沈下している家。
 最大沈下箇所から一番遠い玄関の柱が、
 沈下側へ引っ張られ、基礎から離れてしまった。
 
 
 ◆内容説明
 
 写真は、南西角へ向かって不同沈下している家の
 その対角、北東玄関部の柱。
 
 家の最大沈下は約10CM。
 基礎との接合部が、沈下による躯体本体の引っ張り力に
 負けてしまい、このようになった。
 
 
 現在、築後約10年が経過し、沈下の進行は止まっている様子。
 しかし、大地震や大雨などの影響による危険性がないわけではない。
 
 一日も早い、修理、補修が望まれる。
 
 
 ◆対策
 
 建築士の経験不足、又は注意義務が欠けるなど
 が原因で、不同沈下が起きている。
 
 依頼する建築士が信頼できるか
 見極める事が大切です。
 
 
=====================

■(2)編集後記

 先週相談を受け、現場を確認した例。
 
 「オール木製のバルコニーが、腐って危ない状態にある」
 
 築2年ほどで床の木が腐り、床が部分的に抜けた。
 その後、床の腐りは拡大し、柱にまで及んでいる。
 
 このバルコニーの床高は、地面から約3M。
 転落したら、確実に怪我をします。
 
 
 使われている木は、屋外使用に適さない水に弱い木。
 いくら防腐塗料を塗っても、長持ちはしない。
 
 
 施工業者が倒産しているため、
 住人のAさんは、実費で取り替え工事をしないといけない。
 
 
 危険性を無視し、売る時だけバレなければいい。
 利己的で、詐欺まがいのことをやっているから、
 仕事が減り、業者は倒産したのかも知れません。
 
 
 
 
 ブログの引越しをしました。
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2011年09月02日

事例405『擁壁ベースが薄い』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 台風が近づいています。
 
 昨日、今日行った現場は、
 台風対策に追われていました。
 
 
 明日の検査予定は全てキャンセル。
 
 何事も無く、過ぎてくれることを祈ります。
 
 
 
■(1)今回の事例________

  「擁壁ベースが薄い」
 ______________
 
 405

  
 
 ◆写真解説
 
 擁壁ベースが薄い。
 設計では350mm。実際は200mmしかない。
 耐力的に弱いことは確実である。

 
 ◆内容説明
 
 擁壁にいろいろ不備があり、きちんと施工できているか、
 調べれるものを徹底的に調べた。
 
 そうしたら、地中に埋まっている部分の
 ベースの厚さが薄かった。
 
 設計の35CMに対し15CMも薄い。
 明らかな手抜き工事です。
 
  
 やはり、見えなくなる箇所に
 手抜き工事が集中する。
 
 先週、ニュースになっていた
 大京の川崎市の欠陥マンションも
 見えない箇所の手抜きが、いろいろ発覚した。
 
 
 
 ◆対策
 
 擁壁のトラブルは、意外と多い。
 
 高さが高いほど、、
 第三者検査の必要性が増すと思います。
 
 
 
=================

■(2)編集後記


 今日、基礎の配筋検査へ行った現場、
 建物配置が10CM間違っていた。
 
 つい2ケ月前にも1件あった。
 
 
 役所の検査で、配置くらいはチェックします。
 完成してから気づいても、移動はほぼ不可能。
 
 
 コンクリートを打つ前であり、
 現場監督さんから、
 「この指摘は、ありがたい」と言われました。
 
 
 配筋検査で、配置をチェックしています。
 ただし、境界がわかりにくい現場は、
 きちんと確認できません。
 
 
 同時に検査に来た「某社、瑕疵保証検査員」は
 写真を3枚だけ撮って、検査完了。
 どうも、それは会社からの指示らしい。
 
 私らのような第三者検査会社が入る現場は
 全体の1%もないと思う。
 
 瑕疵保証検査のレベルが上がると
 基礎の欠陥は大幅に減ると思います。
 
 
 
 
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2011年04月22日

事例367 『止まらない水の侵入』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 最近時々、事務所の水まわりが臭い。
 下水臭ですが、どこから出ているかわからない。
 
 建物調査は専門ですが、
 臭い、音の発生源の特定は専門外。
 
 それでも、どこからか特定しないと
 管理会社も動きにくいようで
 
 一度調べてみようと思います。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「止まらない水の侵入」
 __________________
 
 367

  
 
 ◆写真解説
 
 地下水が基礎内へ湧き出て、
 何度か止水工事を行っても改善しない。
 
 当初は抵抗したが、話し合いで建替えが決定。
 
 業者の英断に施主さんも納得。

 
 ◆内容説明
 
 傾斜地にある土地で、地面から浅いところに、
 地下水が通っていた。
 
 大雨のあとや、梅雨時、水位が上がると
 この地下水が基礎内へ進入してくる。
 
 
 対処として、外周部を防水したが、止まらない。
 
 注入などによる止水工事も検討したが、
 再発の保証ができないことを専門業者から告げられた。
 
 施主さんはそれでは納得がいかず
 基礎を造り直しを求めた。
 
 
 話し合いが決裂した場合、裁判も考えたが、
 業者の社長の英断で、建替えが決定。
 
 工事は現在完了し、
 水の進入は完全に無くなった。
 
 
 ◆対策
 
 一度失敗しないと
 このような地下水の予見は難しい。
 
 
 傾斜地に建築するときは
 コンクリート打ち継ぎ部や配管貫通部など
 水が入りやすい箇所は、あらかじめ防水措置の計画をする。
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 強い余震で、周りの家は何ともないのに
 自宅だけ、壁にヒビが入ったなどの相談が増えています。
 
 大手ハウスメーカーは、点検をしているようですが
 
 ・10年保証が切れた。
 ・10年保証内でも、地震だから免責です。
  
  
 などで取り合ってもらいない人が多いようです。
 
 震度5強や6弱で壁に大きな亀裂が入るのは
 構造に瑕疵(欠陥)がある可能性が高い。
 
 これらの件で、相談先を探している方は
 下記で無料相談を受け付けています。
 
 
 ※業者に責任を問える築20年以内の方が対象です。
 
 
 ■住宅検査 東北
 
 0178‐76‐1478(青森)
 022‐393‐7083(仙台)
 
 共に9時から17時まで
 
 ■住宅検査 セイソク
 
 045−567−2866(横浜)
 
 10時から22時まで 
 
 ■住宅検査 関西
 
  072−810−8881(大阪)
  
 8時から18時まで
  
 ■当社
 
 052−739−5471(名古屋)
 
 9時から18時30分まで
 
 
 
 
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2011年02月11日

事例347(家を持ち上げる)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 このところ、車で2,3時間ほどかかる
 地域の検査が増えています。
 
 遠方からでも呼んでいただける。
 
  非常にうれしいです。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「家を持ち上げる」
 __________________
 347
 
347-2




















↑床下で注入している写真。

 
 ◆写真解説
 
 特殊発砲ウレタン樹脂で、
 傾いた家を2日半で持ち上げた。
 
 
 ◆内容説明
 
 擁壁を造り、宅地造成した土地。
 
 盛り土した部分を
 「地盤改良」したにもかかわらず家が沈下。
 
 地盤補強方法の選定ミスが沈下の原因。
 
 
 幸い、瑕疵保証に加入していたため
 家を持ち上げる費用は、保険でまかなった。
 
 
 保険会社が選択した工法は
 特殊ウレタン樹脂を注入する工法。
 
 この施工ができるのは、全国に2社しかないらしく
 今回はアップコン(株)さんが施工した。
 http://www.upcon.co.jp/
 
 
 工事費が安い、近隣へ迷惑をかけない、
 工期が短いなどが利点です。
 
 
 ◆対策
 
 不同沈下の大半は、
 傾斜地を造成した土地で起きる。
 
 
 今回、保険を使えたが、
 全ての沈下に使えるわけではない。
 
 きちんとした地盤調査と
 調査結果の解析が重要です。

 
====================

■(2)編集後記
 
 
 今回の例に、なぜ私がかかわったのか?
 
 
 それは最初、話がすんなり、いかなかったからです。
 
 適当な調査をして、保険対象外との判断したり、
 保険会社は、できるだけ保険を使わないように
 仕向けてきます。
 
 そこで私が入り、相手が逃げないように、
 瑕疵であることを立証する必要がありました。
 
 
 
 現在は、強制加入の瑕疵保険。(供託制度でもよい)
 この当時は、瑕疵保証への加入は任意でした。
 
 現在でも、瑕疵の立証ができないと
 保険をおろすことが難しい場合があります。
 

 
 
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2008年07月29日

欠陥住宅事例99(杭の空洞)

 こんにちは住宅検査カノムの長井です。


 土、日と東京に居ました。
 1件知人が購入したいという
 中古住宅を見たのですが、土地の値段に
 びっくりしました。
 世田谷区で坪200万円!!
 名古屋では考えられないです。
 
 
■ 今回の事例__________________
 
 ・「柱状改良(杭)の内部空洞」
  _______________________
 99



 
 



 写真解説:柱状改良(杭)の攪拌不足による内部空洞。
       本来は全て詰まっているものであり、
       強度低下する。
 
 
 杭工事の一種で柱状改良工事
 (ソイルセメントコラム工法)で起きた不備。
 
 この工法は現場で杭本体を作ります。
 
 規定の長さ(支持層)まで約600mmの径で穴を掘り
 そこに特殊セメント(土:1立米あたり300KG)と
 水を混ぜて杭を作ります。
 
 
 言葉ではわかりにくいので
 解説のあるサイトを見つけました↓
 http://www.s-thing.co.jp/service/cyujyo.php 
 
 
 今回の問題は、「空洞」ができてしまったこと
 
 
 なぜ空洞ができたのか?
  ・
  ・
  ・
 
 これは現場の土が粘土のために大きな塊が
 攪拌でうまく混ざらずに内部に空洞を
 作ってしまったためです。
 
 あとで沈下して上部が窪んでしまった。
 
 
 この状況では、攪拌不足による
 セメントの混ざり不足と空洞による
 
  「強度低下!」の懸念が出てきます。
 
 
 ただ、この柱状改良工事の杭強度は
 設計強度より10倍以上余裕が通常出ます。
 少々のミスでは設計強度を下回る事がないです。
 
 
 写真のような状況で検査の結果
 通常の4割強度低下があっても
 
 「設計強度を6倍上回っているので問題ない、
 何が悪いと言われてしまいました。」
 
 
 
 ◆対策
 
 杭は地中の工事であり、
 地表に出る頭の部分も土に埋もれていたり、
 基礎工事が始まると見えなくなります。
 
 
 工事中、業者任せにしない事です。
 
 
 
========================
■(2)編集後記 (普段はメルマガのみに記載)

 
 
 今朝、受けた相談ですが
 
 「不動産の売買等で騙された・・非常に悪質な行為」
 
 担当者はなぜ違法行為を平気でするのでしょうか?
 違法行為をしなくても契約はできたのに
 
 
 それは金銭欲があるからですね。
 
 
 会社ではなく自分個人の利益(裏金による)のために
 お客さんを騙して、違法行為に走ります。
 
 公務員はこういう問題がニュースになりますが
 数の多い、民間企業はあまり騒がれません。
 
 
 賄賂や裏金
 一生懸命貯めた頭金や
 これから何十年と返していくローンを考えると
 
 許せない行為ですね。
 
 
 違法行為を行政処分してもらえるように
 早速動きましたがどうなるでしょうか・・

iekensa at 08:09|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2008年06月10日

欠陥住宅事例89(土の沈下)

 こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
  基礎下の空洞
 
  〜土が流れた!
 
 
■今回の事例___________________
 
 ・「基礎下、土の沈下」
  _______________________
 89







 写真解説:基礎下の土が下がった。
      杭があるため建物は沈下してない
  
 写真は一部分のためわかりにくいですが
 建っているのは造成地です。
 
 今回の原因は
 埋め戻しが十分でなく土が下がり、
 外側は雨で土が流れてしまった。
 
 目視で見えるため
 これを見たら、施主でなくても驚くでしょう。
 
 
 杭がなければ家の沈下は間違いなし。
 
 木造住宅の杭は基礎と緊結されてないですし
 空洞が大きくなると大地震時などに
 揺れの増幅など悪影響が出るでしょう。
 
 
 ◆対策
 
 基本的に土だけの盛り土は十分締まりません。
 
 
 建物が載る部分は地盤改良などで
 土を強制的に固めることが必要である。
 
 
 
=============================
■(2)編集後記
 
 
 検査をしていてよく
 業者から反論される事は
 
 「法律や基準」にないもの
 
 〜いわゆる「見た目」などの事。
 
 
 最近の例ですが
 
 完成時、内部のドアを閉めた時
 前後にガタガタと動く事を指摘しました。
 (あそびが大きい)
 
 風や振動でガタつかないための指摘で
 ほとんどの家はきちんと出来ています。
 
 ただ、ここの担当者は
 
 「当社はこれでも合格です」と言いました。
 
 
 調整が面倒なのか
 簡単にこの一言で片付ける・・・
 
 
 施主を言いくるめて
 事を簡単に早く処理したいという考えでしょう。
 
 家は長く使うものこんな態度では
 あとあとの対応もいいわけありません。
 
 
 品質判断基準はやはり
 消費者側が最終するものでは?
 
 
 ルイヴィトン
 シャネル
 メルセデス
 ロレックス・・・
 
 
 ブランドは消費者の支持が
 ブランドに押し上げるように
 業者が勝手に造るものではありません。
 
 
 こんなサイトもあったりして
 現在の社会は
 いい加減なことはできません。
  ↓
 http://www.nandemo-best10.com/

iekensa at 09:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2008年04月16日

欠陥住宅事例78

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 壁に亀裂が出てきた・・原因は「手抜き」
 
 〜壁の沈下
 
 
■今回の事例__________________
 
 ・「地盤が沈下し、壁が傾いた」
  ______________________
 
 78

 




 
 
 写真解説:鉄骨造の1階部分コンクリート床の
       上に建てた壁が床の沈下が原因
       で沈下、亀裂が入った。
 
 
 なぜ沈下したのか?
 
 盛り土した場合、機械でいくら固めても
 土が下がるケースは良くあります。
 
 今回、土の沈下もわずかですがありました。
 
 ただ、一番の原因は
 
  「コンクリートの厚さ不足」と
 
  「鉄筋が入っていない」事でした。
 
 無筋の薄いコンクリート(厚さ7〜8CM)では
 壁を支えるには無理があります。
 
 
 材料を故意に抜いた結果でしょうか?
 
 
 
 ◆対策
 
 建築の工事は材料もほとんどが業者持ちです。
 
 材料高騰、人件費抑制のしわ寄せで
 業者が利益を出すには
 
 時間の節約(短時間で仕事を終わらす)、
 材料の節約しかありません。
 
 
 今週も断熱材が図面の半分の厚さしか
 ない現場もあり、どこでも起きる可能性がある
 話です。
 
 
 自分で現場を見に行けるなら
 チェックシートでも作って、材料の検査をすれば
 良いですが、不可能な場合は監理を重視しましょう。
 

iekensa at 08:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2008年04月08日

欠陥住宅事例76

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 誰でも驚き不安になります。
 
 〜地盤の沈下
 
 
■今回の事例___________________
 
 ・「造成地の沈下」
  _______________________
 
 76


 




 
 写真解説:造成した地盤が下がり土が陥没した。

 造成地で盛土の上に建てられた住宅
 
 埋立ての際、締固め不良のためか
 地盤が下がってしまった。
 
 
 建てる際に地盤調査をして
 杭は打ってあったので、
 
 建物自体の沈下は免れているが、
 擁壁際などは写真のように大きな
 空洞になっている。
 
 
 現状は土は下がり杭だけで建っているようなもので
 地震が来れば杭を横で支えるものはなく
 揺れは大きくなるでしょう。
 
 また、地中に埋まっている配管にも
 勾配が変わるなどの支障が出てくるでしょう。
 
 
 地盤沈下の問題はいろいろな所で
 起きています。
 
 
 起き易いのは
 やはり、土を埋めたところです。
 
 
 
 ◆対策
 
 造成地を購入する時は慎重になりましょう。
 
 今回の例でも
 家自体が傾いていないので
 
 「地盤保証」は掛けてあるのにおりてきません。
 
 
 「保険」があるから大丈夫などという
 言葉には乗らず。
 
 造成工事の経緯、許可、検査類を詳しく
 調べるか、専門家に調べてもらいましょう。
 

iekensa at 21:43|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年10月20日

欠陥住宅事例37

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
   『建物の傾き』を紹介します。
 
 
■今回の事例_________________
 
 ・建物が傾いた場合、どこまでが許容範囲?
  
  _____________________
 
 37







 
 最近、地盤に関する相談が多くありどうしても書きたくなり
 溜まっている事例の順番を押しのけました。
 
 
 写真の家は傾きが最大13/1000とひどく、サッシが締まらない、
 壁に亀裂が入るなどの症状が出ているのもかかわらず
 
 業者は「裁判やるならやれ」と言った感じです。
 
 現状補修費用は細かくは見積もってないですが予想で1.000万円
 はかかるでしょう。
 
 
 
 ところで皆さんは家が傾けば裁判で勝てると思いますか?
 
 
 
 
 実は難しいんです。
 
 
 事例はかなりあり
 傾斜の最大値5/1000、不同沈下によると思われる現象
 (配管のずれによる漏水、パネルの転落等)が多発しても
 非を認めずに裁判になるハウスメーカーがあるくらいです。
 
 
 5/1000と言っても10mの長さの家でしたら5CMの傾きです
 ビー玉は当然転がります。
 昔より基礎の剛性が上がり亀裂は起きにくいですが
 住んでいて平行感覚がおかしくなるでしょう。
 
 
 
 日本建築学会の「小規模建築物基礎設計の手引き」では
 傾斜が3/1000を超えれば不同沈下により建物本体に影響がでる
 と記載があります
 
 しかし、
 現状の地盤保証会社などは6/1000を超えないと保証が下りません
 
 よほどのことがない限り6/1000を超える事はありません
 事実、5/1000で裁判になるくらいですから保証の限度を下げる
 べきです。
 
 この前見た保証会社の書類ですが
 地盤調査した会社が軟弱地盤を指摘し杭が必要という考察なのに
 保証会社は杭は必要なしと書いてありました。
 良く基準がわかりません。
 
 
 現状は何のための保険だと言いたくなります。
 消費者は地盤保証で安心したらダメです。


 今後、法改正で瑕疵保証制度も義務付けされますが
 基準が低い、不利な約款条件では意味がないです。
 
 
 
 ◆対策
 
 地盤については造成地は注意が必要です
 特に傾斜地で擁壁を組んだ土地は良く地盤を検討しましょう。
 沈下する家のほとんどは傾斜地の造成地に建つ家です。
 
 
 住宅の地盤補強はいろいろあります
 納得いくまで業者の話を聞き、疑問があれば他の専門家の意見を
 聞くのも良いでしょう。
  

iekensa at 15:46|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年09月08日

欠陥住宅事例28

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今回は『基礎下の地固め不足』を紹介します。
 
 
■今回の事例______________________
 
 ・基礎下の地盤が緩い
  人が踏んだだけで『砕石』が下がる⇒かぶりも不足
  
  __________________________
 
 28



 
 


 今回の現場は『柱状改良』という『杭』のようなものが
 施工済みで、杭で基礎を支えているという考えからか
 基礎下の地盤がきちんと固められていません。
 
 そのため、人の重さで鉄筋と地面の間隔を取っている
 「かいもの」(業界ではサイコロと言います)
 が地盤にめり込んでいる状況です。
 
 この状況も好ましくないですが
 鉄筋が下がることにより鉄筋と地面の間隔、
 いわゆるコンクリートのかぶりも規定の6cm
 取れていません。
 
 
 たくさんの現場を見てますが
 杭の配置は設計者によっていろいろです。
 
 1階の壁がある場所(基礎の立ち上がりがある)だけに
 施工してある場合と
 全体に均等に打っている場合があります。
 
 前者の場合は「ベタ基礎」というよりは
 「布基礎・・逆T字型」的な考えでしょう。
 
 
 杭を打つ場合でも基礎直下の地盤を締め固める事は
 常識です。
 
 ちなみに
 
 公庫仕様書を引用しますと
 「・・(前略)・・砕石地業の場合はソイルコンパクター
 2回締め以上又は振動ローラー締めとし、凹凸部は、
 目つぶし砂利で上ならしする」
 
 機械の名称がピンとこないと思いますが
 きっちり締め固めるという意味です。
 
 平成12年に住宅にも地盤調査が義務付けられてから
 基礎の下に『表層改良』、『柱状改良』などの基礎補強
 が増えました、一部の基礎屋さんが地固めしなくてもいい
 という考えを持っているかも知れません。
 
 
 
 
 ◆対策
 
 基礎の図面又はかなばかり図には基礎下に敷く
 「砕石」の厚さの記載があります。
 だいたいは10CMが多いです。
 
 まず、この厚さを守らせる事。
 
 あとは砕石を敷く前の元の地盤がぬかるんだ状況の場合は
 乾かすか、改良材などで固めてから作業させる事です。
 
 
 
=============================
■(2)編集後記

 
 ネット系の知っている会社からこんなサイト紹介してもらいました
 
 畳業界の裏話
 
 http://www.kyoto-tatami.com/secret/index.htm 
 
 ご参考に読んでみてください。


■この編集後記はこのブログ(バックナンバー)では省略する事が多いです
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