躯体全般

2011年12月16日

事例435『鉄骨造床、溶接金網のジョイント』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 建築士定期講習受講のため、
 今日は、一日ビルに閉じこもります。
 
 設計事務所に所属する建築士だけ
 受講義務があるのは不公平だと思いながら
 
 これを受けないと、仕事できないので
 何とか日にちを空けました。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「鉄骨造床、溶接金網のジョイント」
 __________________
 
 435

 
 
 ◆写真解説
 
 鉄骨造の床、コンクリートを流す前の写真。
 
 溶接金網接合部の重ね不足。
 本例の基準は200mm必要。
 
 
 ◆内容説明
 
 床コンクリートの補強、又は、
 ひび割れ防止の役割をする部材。
 
 接合部は網目の150mm+50mm=200mm
 重ねる必要があるが、130mmしか重ねられていない。
 
 
 ◆対策
 
 継手の基準を、現場監督や、職人が知らないケースが多い。
 
 コンクリートを流し込む前に検査をする。
 
 
====================

■(2)編集後記


 今週もいくつか、欠陥住宅の指摘に対する反論が来た。
 
 相変わらず、基準法を知らないと思える
 デタラメな主張が多い。
 
 悪気はなかったと、言いたいのだろうが、
 プロである以上、知らなかったでは済まされない。
 
 
 また、未だに多い反論が
  ・確認申請が通っている。
  ・中間、完了検査に合格している。
 
 欠陥かもしれないが、確認申請や検査がOKなんだから
 いいだろうという、責任逃れな回答。
 
 確認申請を行なっている行政、民間の検査機関は
 「検査ではない。図面や監理がきちんとしている前提の上、
  確認をしているだけ」と表明している。
  
 姉歯マンション偽装事件でも
 行政への責任は、ほとんど問われていない。
 
 まして、2階建ての住宅で、構造は審査対象外なら
 責任がそこへ行くはずもない。
 
 
 近年では、長期優良住宅制度ができるなど
 住宅の基準も年々変化していく。
 
 建築の基準が新しくなっても、税制改正のように
 TVや新聞では取り上げてくれない。
 そのため、自ら勉強しない者の知識は、時代遅れになる。
 
 
 現場検査に行った際に、職人たちに基準の話をしているが
 「知らなかった」と言われることが多い。
 
 図面を書く建築士が無知でもダメですが、
 職人の無知も、間違った施工を招く原因になる。
 
 このあたりを変えていかないと
 欠陥住宅は減らないでしょう。
 
 
 
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2011年11月18日

事例427『梁貫通』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今日の1件目の現場。
 
 ・山を切り開いた新しい造成地で
  ナビが認識していない住所。
 
 ・周囲に目印がなく、道路も適当な手描きの地図。
 
 
 やはり、20分ほど現場を探した。
 
 
 現場にいた職人さんも、最初来たときは迷ったらしい。
 
 
 手描きの地図が、わかりすいこともあるけど、
 グーグルなどの地図のコピーを頂くのが、
 一番確実で、ありがたいです。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「梁貫通」
 __________________
 
 427

 
 
 ◆写真解説
 
 電気配線、2階の床梁を大きく欠損している。
 
 筋交いがある、大きな力がかかる箇所。
 梁を傷めてはいけない。
 
 
 ◆内容説明
 
 1,2階を連絡する配管。
 オレンジ色の3本の太い管は「LAN用」と思われる。
 
 この箇所は、10KN(約1t)の引き抜き金物が付くなど
 大きな力がかかる。
 
 
 壁内を通すと、どうしても梁が邪魔になる。
 集中して配管を通せば、大きな穴があくため
 耐力低下は確実。
 
 
 ◆対策
 
 設計段階で配管スペースをつくる。
 または、無線LANにすると、配管の貫通は減る。
 
 
===================

■(2)編集後記

 
 原発を検査する組織の独立性が話題になっています。
 
 専門知識を有する人しかできない仕事。
 製造メーカーや電力会社の社員、関係省庁の役人で
 大半を構成せざるを得ない。
 
 
 組織の利権が絡めば、隠蔽されてしまうものが
 必ず出てくる。
 
 これは、オリンパスの監査法人や、
 大企業の社外取締役も同じでしょう。
 
 
 また、ある住宅瑕疵保証検査会社は、
 真面目に検査すると指摘が出るから
 あえて、検査しない姿勢を貫いています。
 
 これは隠蔽以前の問題で、これがまかり通ること自体、おかしい。
 
 
 
 私が思う、第三者検査で重要なことは、
 
 高い専門知識があることはもちろん、
 疑わしいものを、全て公表できるか。
 
 
 法律や基準には、明快に線引きできないものが多い。
 検査員や組織が、勝手に甘い判断をし、
 問題にしないことが多いと思います。
 
 これを指摘したら、相手から反論があるから
 指摘から外そうではなく、
 
 とりあえず、全て指摘としてあげて、
 結果、最終OKでも、それについてオープンに協議することが大事です。
 
 
 しかし、組織の利権が大きほど、これは難しいこと。
 個々の内部告発という形でしか、無理かもしれません。
 
 
 
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2011年11月08日

事例424『配管スリーブの間隔が狭い』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 ここ1週間、現場の予定が過密でした。
 
 昨日は特に過密で、朝8時に北名古屋市。
 そのあと、10時に岐阜市。
 14時から三重県の裁判所。
 17時から春日井市。
 
 現在、机の周りには書類の山。
 
 夜間少しづつ、処理しています。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「配管スリーブの間隔が狭い」
 __________________
 
 424

 
 
 
 ◆写真解説
 
 基礎スリーブの間隔が狭い。
 
 耐力低下を防ぐため、直径の3倍、
 離なさければならない。是正中の写真。
 
 
 ◆内容説明
 
 建築工事共通仕様書などに、この基準は記載されていて、
 大手ハウスメーカーの施工マニュアルにも記載されています。
 
 職人さんは、配管のおさまりを優先するため、
 給湯器付近で、水、湯、排水、追い炊き配管、床暖配管などが
 集中し、スリーブが近接しやすい。
 
 基準を知っていて、設計の時から図面に位置を指定すると、
 このような事例は起きません。
 
 
 
 ◆対策
 
 設備職人任せにせずに、
 基礎伏図に配管貫通位置を明記させる。
 
 
 
=====================

■(2)編集後記

 
 先日、中古住宅購入前の検査に行きました。
 
 検査をしていくと、いろいろな瑕疵が出てきた。
 
 最終的には自己判断にお任せしますが、
 依頼者にリスクを説明し、買わない方がいいと
 助言しました。
 
 
 最近の中古物件。
 不動産業者が買取り、リフォームをして
 売主として、売るケースが多い。
 
 事故車をきれいにして売るようなもので、
 中身の瑕疵は、隠れたままにしておき、
 見た目だけ良くして、できるだけ高く売る。
 
 
 中古住宅を購入するときは、床下、屋根裏を、
 隅まできちんと見ることが大事です。
 
 
 売主が宅建業者でも、相手によっては、
 責任をあとで追求することは難しいです。
 
 
 
 
 
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2011年10月18日

事例418『屋根パネル未固定』


 こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 東名集中工事中のため、
 新幹線で浜松の現場へ行ってきました。
 
 ひかりに乗ると、名古屋から浜松間はたった30分。
 お金は余分にかかりますが、移動は楽ですね。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「屋根パネル未固定」
 __________________
 
 418


 
 
 ◆写真解説
 
 屋根パネルを固定するビスが、完全に外れている。
 
 全く固定されずに、パネルが置かれている状態。
 
 
 ◆内容説明
 
 躯体を工場で造り、現場で組み立てる
 比較的有名なメーカーの現場。
 
 躯体の構造検査で発見。
 
 
 屋根の上側から、ビスを打っている。
 ビスが長いためか、職人は、途中から下地が
 外れたことに気がつかなかったのでしょう。
 
 
 社内検査で、気がつかなかった理由は、
 この部分が、躯体を組んだ時に隠蔽されていて
 狭い小屋裏へ入らないと確認できないからです。
 
 
 ◆対策
 
 細部までチェックする検査を行う。
 
 
==================

■(2)編集後記
 
 
 先日、知人の地主さんから電話があった。
 内容は、「土地を売ろうとしたら、買う側が
 希望額の2割以上安い金額を提示してきた」
 という話。
 
 この買う側とは、パワービルダーと言われる分譲業者。
 
 
 この地主さんは、売り急いでいないために
 断ったそうですが、
 広い宅地は、価格も高いので、買い手が限られる。
 
 なかなか売れないのも困るが、
 2割も安く売ってしまうと、何千万円損するようです。
 
 
 質もそこそこ良く、安い分譲住宅が量産されている。
 
 消費者、分譲業者、銀行にメリットがある半面、
 
 買い叩かれ、何千万円も土地を安く売る地主。
 単価を叩かれ、儲けが出ない業者、職人がいる。
 
 
 安売りによる不動産価格の下落。
 地主や、職人の収入減。
 
 先行きの暗い日本経済にとっては、いい事ではありません。
 
 今後どうなるかは予想できませんが、
 しばらくは、この状況が続くでしょう。
 
 
 
 
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2011年10月11日

事例416『木部のカビ』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 この3連休は、ほとんど書類作成に費やしました。
 瑕疵調査の書類作成が5件、たまっていたからです。
 
 この書類は1件あたり、作成に丸1日かかります。
 また、疑問等を調べるために、アマゾンで専門書を4冊購入。
 それを読むだけでも、結構時間を取られました。
 
 それでも、電話に出ないなど、集中して行なった結果。
 4件分、作成することができました。
 
 
 
■(1)今回の事例__________

  「木部のカビ」
 _________________
 
 416


 
 ◆写真解説
 
 床下浸水により、木部にカビが生えた。
 
 直接濡れなくても、条件によっては、
 このように、ひどくカビが生えることがある。

 
 ◆内容説明
 
 先回の続き、床下浸水の話題。
 
 床下に水が溜まると、通気が悪い部分は
 空気がこもり、木部にカビが生えたりする。
 
 写真は浸水し、わずか2週間くらいの状態。
 
 建物の中央部など、換気が悪い箇所ほど、ひどかった。
 
 
 一旦、木にカビが生えると、菌が死滅しても跡は残る。
 床下で普段目につく箇所ではないが、
 気になるものです。
 
 
 
 ◆対策
 
 床下浸水させないことが一番大事です。
 
 通気の関係もあるが、床下浸水しても、
 カビが全く出ていない家もある。
 
 因果関係を証明できたわけではないが、
 防腐剤が効いている木は、カビが生えにくい。
 
==================

■(2)編集後記
 
 
 はじめに記載したように、
 この連休は、書類作成に明け暮れました。
 たくさん指摘を書いて、改めて思うことは、
 
 
 多くの建物が、法律、基準どおりに造られていないし、
 多くの業者は、それらを知らないで造っている。
 
 また、建築士法や建設業法違反も多い。
 
 
 このような、いい加減な状態であることを、購入者は知らない。
 
 
 最近、多い指摘は
 ・防火違反
 ・長期優良住宅、フラット35仕様違反
 
 防火違反に関しては90%くらいが間違っている。
 現場検査で指摘する会社も、ないらしい。
 
 
 現在、欠陥検査で「鉄筋探査」と
 「赤外線サーモグラフィーカメラ撮影」を行う。
 
 鉄筋探査の結果、
 「かぶり」不足が発覚するケースが50%以上。
 
 
 ベタ基礎スラブ下の、かぶり不足が発覚すると
 基礎を壊す以外に補修方法はない。
 
 それでも、50%以上の現場は、かぶり不足のまま
 コンクリートが打たれている。
 
 
 
 
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2011年10月07日

事例415『床下の水漏れ』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 私のスマートフォンは、ドコモのアンドロイド。
 
 2年経つので、そろそろ買い替え時期です。
 
 
 ドコモで買い換えるか、それともiPhone4Sで
 AUか、ソフトバンクかで迷います。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「床下の水漏れ」
 __________________
 
 415

 
 
 ◆写真解説
 
 床下浸水のあと(矢印部まで水が溜まった)。
 天災ではなく、水漏れによるもの。
 
 
 ◆内容説明
 
 今年の夏は、同事例での調査依頼が多かったです。
 水漏れ以外に、雨水侵入の事例もありました。
 
 最近の基礎は、基礎天端で換気を行う形式が主流のため
 換気孔がなく、発見が遅くなるケースが多い。
 
 
 床下の換気が良ければ、水が溜まっても
 木部への影響は少なく済みます。
 
 換気が悪く、木が水蒸気をたくさん吸ってしまうと
 カビが発生します。
 
 
 
 ◆対策
 
 完成時にきちんと水漏れチェックをしても
 後日、水漏れが起きることがあります。
 
 定期的に、床下点検口から床下を確認する。
 
 
======================

■(2)編集後記
 
 欧米で、若年失業者や格差の問題が顕著になっています。
 
 日本でも問題が深刻化していることを、実感しました。
 
 それは、この前、社員募集をしたところ、
 当社のような会社に、思ったより多くの応募がありました。
 
 数が多い理由のひとつに、
 応募者の1/4ほどは、派遣切りになった若い失業者でした。
 
 今回の募集で感じたことは、
 彼ら、彼女らは、仕事の内容を確認しないで、
 給料だけで判断し、応募する傾向があるようです。
 
 面接に来て、「何の会社ですか」と聞く人もいた。
 
 それでは、受かるはずがない。
 

 
 現在の政治や景気動向を見ていると
 雇用問題が、すぐに改善できるとは思えません。
 
 円高で企業が海外へ出ていけば
 状況はさらに悪化するでしょう。
 
 
 住宅業界も、少子高齢化の影響で今後も、仕事が減っていきます。
 そんな状況でも、新たにこの業界で働く人のために
 いい業界にしたいものです。
 
 
 
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2011年08月19日

事例401『木材含水率が高い』

 こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 現在、2台のノートパソコンを使って
 仕事しています。
 
 1台は、現場や出張に持って行けるモバイル。
 
 
 このところ2台とも、調子が悪い。
 調べると3、4年使っていました。
 
 パソコンの性能は3年前に比べると
 飛躍的にUPしているし、
 スマートフォンもあるので
 
 1台にまとめようと思っています。
 
 購入はネットで簡単に買えますが、
 ソフトなどの入替えが、面倒ですね。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「木材含水率が高い」
 _________________
 
 401

  
 
 ◆写真解説
 
 柱の含水率25.5%。
 
 20%を超えると、カビ、腐朽菌の発生や
 耐力低下につながる。

 
 ◆内容説明
 
 測定している箇所は柱。
 
 すでにカビが生え、
 見たこともない小さな虫が集っていた。
 
 
 今回の原因は、工事中の雨と、短工期と、壁の気密化。
 
 工事中、木部が雨に濡れ
 乾かす間もなく、気密や仕上げ工事をした。
 
 壁の内外部、どちらへも通気がなく
 完全に壁内は密閉状態。
 水分の蒸発が阻害されている。
 
 
 含水率20%以上の影響は大きく
 
  ・カビによる健康被害。
  ・腐朽菌による木の腐り。
  ・構造耐力的に弱くなる。などがある。

  
 特に、長期間作用する荷重に対する変形量は
 乾燥材の倍である。
 
 
 
 ◆対策
 
 2ケ月で完成する家がある。
 
 そんな家は、
 雨が振っても、お構いなし。
 その後の乾燥も気にしない。
 
 昔の家なら、放っておいても自然に乾燥しました。
 
 
 今は、省エネを意識し、高気密、高断熱化。
 仕様によっては、壁などが密閉される。
 
 
 工事中に、乾燥を十分確認することが大事です。
 
 
====================

■(2)編集後記


 住宅検査で、私が師と仰ぐ人たちの
 交渉に立ち会う機会があった。
 
 
 相手は、大手企業。
 
 普通、対応はマニュアルに沿っていて、自社の
 都合の良い方へ、持っていくようになっている。
 
 
 最初は威圧的だった、メーカーの担当者たち、
 完全なミスを証拠として出したら
 態度が急変、丁重になった。
 
 来週以降、数件の交渉が控えています。
 大変参考になりました。
 
 
 
 
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2011年08月09日

事例398『石膏ボード 雑な穴あけ』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 先日の日曜日、渋滞を考慮し、
 バイクで現場へ行った。
 
 片道約150KMの90%が、高速道路でしたが
 風を受けて走っていても、熱中症になりそうなくらい暑い。
 
 普段なら、いっきに走れる距離ですが
 途中、2回づつ休憩を取りました。
 
 
 名古屋の夏は暑い。
 
 職人さんよりはマシですが
 検査をしていても、この暑さはこたえます。
 
 (当社の夏期休暇8/12〜16です)
 
 
■(1)今回の事例___________

  「石膏ボード 雑な穴あけ」
 __________________
 
 398

  
 
 ◆写真解説
 
 外壁防火構造部のユニットバス室内側の石膏ボード。
 道具を使わずに穴を開けたため、
 大きく雑な穴になっている。
 
 隙間が大きいと、防火上不利になる。

 
 ◆内容説明
 
 普段、見えない箇所での、いい加減な施工例。
 
 防火被覆箇所でなくても
 このような施工は誰が見ても、丁寧とは言えない。
 
 
 道具が手元になく、
 ボードを手でちぎったのでしょう。
 
 
 ◆対策
 
 今回の箇所は、
 ユニットバスの天井点検口を開けると見える。
 
 隠れてしまう箇所は、要チェックです。
 
 
 
===================

■(2)編集後記
 
 
 大手企業ほど「コンプライアンス」=法令遵守
 と言いながら、実は守れていないことが多い。
 
 法律条文は、いつも思うのですが、難解です。
 また、基準もいろんな解釈ができる。
 
 だから、大手企業は、法の解釈で、何とでも取れるものは
 自社判断または、自らが出資している民間検査機関に
 都合が良い方へ判断させている。
 
 
 チンピラのような業者なら、とっくに嫌がらせが入るくらい
 このところ、数社の大手企業にツッコミを入れました。
 
 瑕疵の論争になったとき、
 大手企業に技術資料の提示を求める。
 
 先日見たものは、私が持っている法の解説書と、
 意味合いが違う部分が、何箇所かあった。
 
 つまり、独自に解釈している。
 
 
 社会が混乱するといけないので
 具体的な話は、現時点で公表できませんが、
 
 タマホームや一建設など、大手の半分以下の値段で
 家を建てている会社でも、安全上施工していることがやれてない。
 
 値段が高いのだから、それくらいは施工しろと言いたい。
 

 大手が好き放題できる理由の一つに、
 確認申請や認定業務を、民間が行っていることがある。
 

 大手ハウスメーカーは、役所へ確認申請を出さないし、
 中間検査もない家がほとんど。
 
 認定制度も、国の抜き打ち検査で、
 サッシの防火偽装が出るなど信頼がおけない。

 現状、指摘されなければ「よい」という状態。
 

 
 大手企業相手は、私だけでは手におえません。
 社団法人AJIAの方で、処理していくつもりです。
 
 

 
 
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2011年08月02日

事例396『基礎のズレ』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 分譲住宅の現場は、自分勝手な印象がある。
 特に大手ほど、お客の都合を考えない。
 
 また、悪徳業者も多い。
 
 
 今日検査完了した、ここは違った。
 大府市の東洋地所(株)。
 
 真面目な会社でした。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「基礎のズレ」
 __________________
 
 396

  
 ◆写真解説
 
 基礎の位置がズレていて、土台がのらない。
 
 基礎図面と、木躯体図面の不整合が原因。

 
 ◆内容説明
 
 一定の間隔でない、寸法の部分で
 間違いは起きやすい。
 
 図面が間違っている以外に、
 基礎屋さんが間違うこともある。
 
 
 このような場合でも、
 すべて基礎を壊して、やり替えることは難しい。
 
 通常の是正方法としては、
 この部分だけ、基礎を増し打ちします。
 
 工事の祭、適当に施工されないように
 注意が必要です。
 
 
 
 ◆対策
 
 すべてが自動で連動する図面ソフトなら、
 このようなミスは起きない。
 
 そうでない場合は、アンカーボルトなど含め、
 基礎図全体の整合を、確認しましょう。
 
 
===================

■(2)編集後記
 
 
 新築住宅工事中の検査を、依頼してきたAさんが
 業者から言われた内容。
 
 「カノム」だけはダメ。
 「うちと提携している第三者検査会社を紹介する」
 
 
 こんなこと言われると、
 余計に当社に頼みたくなるそうです。
 
 
 何度か、やり取りしてわかったことは、
 
  業者の知人の会社の完成済現場に、
  私が検査に入り、いろいろ瑕疵を出した。
  
  その後、紛争へ発展。私が出す書類に
  いろいろ苦しめられた話を聞いたようです。
  
  
 最終的には、Aさんが押しきり、これから検査に入ります。
 
 
 同様の事例は、今年に入り、確か3件目。
 
 業者に、厳しいことで警戒されることは、
 第三者検査の会社としては光栄です。
 

 
 
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2011年07月08日

事例389『モイス 釘打ち忘れ』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今日の検査は、躯体の構造検査3件。
 
 
 他の予定もあれこれ、あったため
 いつもは2名行うところ、1人で検査に行き、
 暑い中、現場に居る時間が長かったです。
 
 
■(1)今回の事例_______

  「モイス 釘打ち忘れ」
 ______________
 
 389

 
 
 ◆写真解説
 
 耐力面材モイス、釘の打ち忘れ。
 基準どうり釘打ちしないと、所定の耐力が出ない。
 
 (編集後記にメーカー名を表示します)
 
 
 ◆内容説明
 
 木造住宅で、耐力的に強くする理由から
 筋交いの代わりに
 面材を使う会社が増えています。
 
 イメージとしては2×4。
 
 
 筋交いの固定は、両端部を金物で留めつける。
 使うビスの数としては30本くらい。
 
 面材は外周部、中間を釘で固定。
 1枚当たり約100本の釘を使う。
 
 
 筋交いに比べ、使う枚数も多く
 釘の打ち忘れが起きやすい。
 
 
 ◆対策
 
 釘の数が多いため、一部分だけしか
 見ない社内、保険の検査が多いようです。
 
 全数見るのは、思ったより大変ではない。
 全数検査しましょう。
 
 
==================

■(2)編集後記
 
 
 先週末、タマホームの新聞チラシの
 この部分に目が留まった。
 
  「住宅販売価格表示」
  
 
 多くのローコストメーカーは、坪25万とかいう表示です。
 
 しかし、実際に坪25万円では、家は建たない。
 
 
 坪数と言っても、バルコニーなどの面積まで含んだ
 「施工面積」を掛ける。
 さらに、坪単価に含まれていない工事等を足すと
 最終的に価格は、坪40万円を超える事が多い。
 
 
 タマホームは、今まで別途見積もりだった
 地盤調査、工事監理、設計料、産廃処理費、
 屋外給排水工事などを価格表示に含めた。
 
 
 基本プランがあるからできることですが、
 タマホームが実際の価格を表示すると、
 困る会社も出るでしょう。
 
 
  売り建て業者はタマホームより坪10万円以上高い。
  
  大手メーカーは倍の値段。
  
 このように比較対象になるからです。
 
 
 家の仕様を比べたら、タマホームは良い方です。
 
 標準で「長期優良住宅」に対応している。
 そうなると、構造躯体の劣化対策、耐震性、
 維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、
 省エネルギー性などの性能がある。
 
 
 比較対象として、これからは注目を受けやすいでしょう。
 
 
 今回は、タマホームの宣伝をした感じになりましたが、
 購入を勧めているわけではありません。
 
 
 今日、検査に行ったタマホームの現場、
 
 構造金物の付け忘れ
 ボルトの締め忘れ
 ビス抜け、釘打ち忘れが、いくつかありました。
 
 今日の事例に出した「モイス」も、
 タマホームの現場の指摘。
 
 
 仕様が良くて、価格が安いということは
 利益とともに、施工などの管理経費も抑えている。
 
 図面、基準どうり、確実に施工できれば
 お得な買い物だと思う。
 
 
 
 
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iekensa at 20:06|PermalinkComments(0)TrackBack(0)