木造構造金物

2011年12月06日

事例432『筋かい金物未固定』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 「建築業界は、こんなにいい加減だと思わなかった」
 
 最近聞いた、お客さん言葉が頭に残っています。
 
 
 建築士、施工業者・・・皆いい加減。
 
 確認検査機関、瑕疵保証検査会社、NPO○○の検査組織も
 全ていい加減。
 
 
 結局、職人の当たり外れが、品質を左右する。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「筋かい金物未固定」
 __________________
 
 432

 
 ◆写真解説
 
 筋かい金物のビス、施工忘れ。
 柱と筋かいが無固定状態。
 
 
 ◆内容説明
 
 この部分の施工の手順として
 1、柱と金物をビスで固定。
 2、筋交いを設置。
 3、筋交いと金物をビスで固定。
 
 つまり、3番目の作業が抜けています。
 
 早く施工するのも「技術」だと、
 大半の職人さんは思っています。
 
 早い=自分の儲けにつながる。業者、お客さんにとっても、良い。
 
 しかし、このような単純ミスが急ぐと起きやすい。
 
 
 ◆対策
 
 「のんびり作業する」
 
 職人の性格によっては無理な話。
 
 やはり全数検査しかありません。
 
 
====================

■(2)編集後記

 
 電話がかかってきて、「○○です」と言われても
 誰かわからないことが多い。
 
 過去のお客さんなのか、初めてかけてきた人なのか
 声だけでは判断できません。
 
 特に「鈴木です」、「佐藤です」とだけ言われると
 思い出すことも諦めます。
 
 
 年間、新規に150名ほどのお客さんを受け持ち、
 今までの累計は1400名を超えています。
 さらに、業者の担当者も入れると情報の数は膨大です。
 
 
 苗字だけですと、分かりにくいですが
 「△△市の○○です」と言われると、ほぼ分かります。
 
 さらに、「□□ハウスで◎年前に建築した、△△市の○○です」
 と言われると100%分かります。
 
 こちらから「どちら様ですか」と聞くのも、気まずいので
 上記のような電話のかけ方をしていただくと、大変ありがたく思います。
 
 
 
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2011年12月02日

事例431『金物の位置が違う』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今日は500KM以上、車で移動する予定です。
 
 雨降りですし、帰りが遅くなるといけないので
 出かける前に自宅で書いています。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「金物の位置が違う」
 __________________
 
 431

 

 ◆写真解説
 
 柱頭と梁が、離れないように固定する金物の
 位置が間違っている。梁同士を固定している。
 (矢印位置に付くのが正解)
 
 
 ◆内容説明
 
 柱をしっかり止めてないと、
 地震など大きな水平力が加わった場合、
 土台や梁から引き抜けてします。
 
 現場は一様でないため、
 流れ作業的に大工さんが付けてしまうと
 間違うこともあるでしょう。
 
 
 ◆対策
 
 やはり、全数検査するしかありません。
 
 
====================

■(2)編集後記


 造る家、99%が欠陥住宅の有名メーカーA社。
 それでも、
 ・自社の非は正直に認める。
 ・お客への対応はいい。
 ・欠陥の補修は、しっかりお金をかける。
 
 
 稀に欠陥住宅を建ててしまう地元工務店B社。
 ・非は絶対に認めない。
 ・すぐに裁判の話をちらつかせる。
 ・当社ような会社の介入を拒否する。
 
 どちらも、実際にある会社です。
 真の悪徳業者は、どちらでしょう。
 
 やはりB社でしょうか。
 
 
 B社のホームページには、社長の社会貢献の実績が多数掲載。
 
 弱者を助ける姿が、そこにはあるのに
 本業でトラブルになったお客に対し
 やっていることは、チンピラと変わらない。
 
 
 人間だから二面性もあるのは仕方がないが、
 社会貢献が、本業の営業のための手段になっている。
 
 
 最近は、共感を呼ぶ宣伝方法が多くなってきています。
 何を買うにしても、広告の嘘を見抜く力をつける必要がありそうです。
 
 
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2011年11月29日

事例430『梁の未固定』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今日の中古住宅検査。
 床下で蛇の抜け殻を発見。
 
 新しいものではなかったため
 すでに蛇は、床下にはいないようでした。
 
 ゴキブリや巨大な蜘蛛はよく見るため
 何とも思いませんが、大きな蛇は嫌ですね。
 もし、床下で蛇に遭遇しても、
 狭いので身動きが思うように取れません。
 
 今後も遭遇しないことを願います。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「梁の未固定」
 __________________
 
 430

 
 ◆写真解説
 
 通し柱に接合する梁、
 固定ボルトのナット締め付け忘れ。
 
 誰かが気づかないと、固定されないまま完成し、
 大地震時にこの部分が抜ける恐れがある。
 
 
 ◆内容説明
 
 原因は、付け+締め忘れ。
 
 役所や保険の検査では、ボルト類まで細かくは見ない。
 そのため、ナットが無くても、緩んでいても
 そのまま完成することが大半です。
 
 また、現場を眺めているだけでは、
 気がつかないものです。

 
 ◆対策
 
 梁など構造部の緊結は、非常に重要。
 
 全数検査が必要です。
 
 
 
====================

■(2)編集後記

 
 先日見た「積水ハウスの現場」。
 
 トラック1台の荷卸のために
 交通整理員が来ていた。
 
 幹線道路でもなく、駐禁でない道路ですが、
 一時的でも路上駐車の迷惑を考え、
 交通整理をさせているそうです。
 
 また、職人用に駐車場も、数多く借りていました。
 
 
 もちろんこれは、家の値段が高く、
 経費を多く使えるメーカーだからできることです。
 
 もしかしたら、「さすがは積水ハウスだ」と思わせる、
 近隣への宣伝効果も狙っているかもしれません。
 
 細部にまで気を使えるということは
 良いことだと思います。
 
 
 フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアの活発化により
 住宅メーカーも今後、いろいろな人へ気を配るようになるのでしょう。
 
 
 ただしこの現場、日曜日に工事して
 騒音で近隣に迷惑をかけたそうです。
 
 末端の職人には、会社の思いが伝わってないようですね。
 
 
 
 
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2011年09月06日

事例406『軒先金物 釘打ちなし』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 台風で現場に出なかった、先週土曜日。
 1日がかりでパソコンの中身を入れ替えた。
 
 新しい方は、Windows7の64btのためか、
 いくつかソフトの設定が変わってしまい
 動作に苦労をしています。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「軒先金物 釘打ちなし」
 __________________
 
 406

  
 
 ◆写真解説
 
 軒先金物、釘が一本も打たれていない。
 あとから施工するつもりで、忘れたようです。

 
 ◆内容説明
 
 原因は施工忘れ。
 
 躯体組立時は、10名弱の大工さんが
 集まり、作業をする。
 
 工場生産のように、役割分担が細かく決まってないので
 このような忘れがおきやすい。
 
 構造金物は、置いてあるだけでは全くの無意味。
 正規の釘を打って、はじめて機能を果たす。
 
 
 ◆対策
 
 確認申請の中間検査や、甘い瑕疵保証検査では
 まず、このような箇所は見ない。
 
 このような第三者検査に頼らないことが大事です。

 
 
====================

■(2)編集後記


 今回の台風により、雨漏りした家が相当あるようです。
 
 今日も1件、調査に行き、原因を1時間弱で特定。
 また、今日だけで4件ほどの、
 雨漏り調査の問い合わせがありました。
 
 
 最近、雨漏り以外に紛争物件の調査も多く
 多忙な毎日を送っています。
 
 
 今週、求人募集をしている最中で
 電話の状況などから、15名以上の申し込みがあると予想しています。
 
 
 選ぶポイントですが、
 「逃げない人」が第一。
 
 業者の顔色を伺う検査会社でないため、
 争いを避けることはできません。
 
 また、紛争処理案件も多く、
 依頼者自身が精神的に滅入っているため、
 とばっちりを受けることだってあります。
 
 
 来週以降、選考が楽しみです。
 
 

 

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2011年08月11日

事例399『屋根たるき 相互の接合金物付け忘れ』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 明日から夏期休暇のため、
 今回は木曜日発行です。
 
 
 休み明けすぐ、
 大工さん相手にセミナーをします。
 
 過去、たくさんセミナーをしましたが、
 職人さん相手は、初めてです。
 
 私が、大工さんに伝えられることは何か
 休み中に、話をまとめたいと思います。
 
 
 (当社の夏期休暇8/12〜16です)
 
 
■(1)今回の事例___________

  「屋根たるき 相互の接合金物付け忘れ」
 __________________
 
 399

  
 
 ◆写真解説
 
 ツーバイフォー、屋根梁方式の小屋組。
 
 頂部のたるき相互の接合金物が施工されていなく、
 緊結状態が十分でない。
 
 
 ◆内容説明
 
 今回の例は、一部分だけの施工忘れ。
 
 ツーバイフォーは、金物や釘を多く使うため、
 このような忘れが生じやすい。
 
 
 構造的に重要な部分だけに
 忘れがあってはいけない。
 
 
 
 ◆対策
 
 完成済の検査で発見。
 きっと社内検査などが、ザルなんでしょう。
 
 対策はやはり、全数検査をきちんと行う。
 
 
 
===================

■(2)編集後記
 
 
 このところの検査で、
 大修理・補修が必要な家が、多く出ている。
 
 
 施工に原因があるので、
 業者が直すのが、当たり前なんですが、
 
 完成済の家の場合、注意したい事があります。
 
 
 それは、修理、補修費が高額になると
 業者が逃げる確率が高くなる。
 
 
 特に、弁護士が代理人として出てくると
 
  ・時効です。
  ・瑕疵はない。
  
  となど主張し、責任回避します。
 
 
 
 いつも依頼者に言われることは、
 「買う前に、当社を知っていればよかった」
 
 
   宣伝不足を痛感しています。
 
 
 
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2011年07月15日

事例391『接合ピン抜け』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 暑い日が続きます。
 
 事務所は意外と風が通るし、
 奥行き1.5Mくらいのバルコニーのおかげで
 日差しが中まで入らない。
 
 湿度が高い日以外は、エアコンなしでも
 扇風機だけで、なんとか過ごせます。
 
 
■(1)今回の事例______

  「接合ピン抜け」
 ____________
 
 391

  
 
 ◆写真解説
 
 屋根を構成する母屋の端部の接合ピン抜け。
 
 上の赤丸は社内検査時の印、
 下は見落とした?

 
 ◆内容説明
 
 木造住宅の金物接合部のピン抜け。
 

 金物の説明はウィキペディアに詳しく書いてあります。
 ↓
 http://ja.wikipedia.org/wiki/ドリフトピン工法
 
 
 せっかくいい金物をつけても
 このピンが抜けていたら意味が無い。
 
 
 検査する立場からすると、
 このピンが見にくい。
 
 色をつけるなど、目立つようにすれば
 施工忘れは、激減すると思う。
 
 
 
 ◆対策
 
 全数検査したつもりでも、
 今回のような見落としもある。
 
 何重かで検査するとよい。
 
 
==============

■(2)編集後記
 
 500年住宅 という本を読みました。
 
 NPO法人 緑と水の協会編   成山堂書店
 http://www.amazon.co.jp/dp/4425982215
 
 
 本の内容を短く言うと
  高耐久・エコ・コンクリート住宅。
 
 コンクリート住宅を検討中の方は
 参考になることが書いてあります。
 
 
 100年、200年住宅などもあります。
 設計も大事ですが、
 一番重要なのは、メンテナンスだと思います。
 
 古い木造のお寺などが、いい例で、
 手入れすれば長持ちします。
 
 
 100年、200年、500年。
 こんな先まで設計、施工した人、
 もちろん自分自身も生きていません。
 
 ですから、先の保証は当然ありません。
 
 実際に500年持つかは、疑問ですが、
 今できる限りの高耐久設計をすることは
 いいことだと思います。
 
 
 
 
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2011年07月12日

事例390『構造金物 ビス抜け』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 書類の締め切りノルマに追われ
 休みなく、夜中まで仕事していると
 お客さんの名前を間違えるなど、単純ミスが連発。
 
 やはり2,3割の余裕を持って仕事しないと
 ダメですね。
 
 
 
■(1)今回の事例_______

  「構造金物 ビス抜け」
 _____________
 
 390

  
 
 ◆写真解説
 
 金物ビス施工不備。
 途中で施工を中断し、そのまま忘れてしまった?

 
 ◆内容説明
 
 柱の端部を緊結するために取り付ける金物。
 
 木造住宅は、躯体組み立て時、
 大工さんが大勢集まって作業をする。
 
 このときに、筋交い、金物まで付けるケースもある。
 人手が揃っているので、その日のうちに
 仕事を終わらせようと、急いだ事が原因でしょう。
 同じような例は、たまに見かける。
 
 
 取り付ける数が多いだけに
 このような、ミスが出やすい。
 
 
 ◆対策
 
 金物を全数、社内検査しているのは
 一部の大手メーカーだけ。
 
 保険の検査も1社を除き
 ほとんど金物を見ていない。
 
 第三者検査を入れるなど
 最低、誰か1人に全数検査をさせる。
 
 
=================

■(2)編集後記
 
 
 完璧な仕事をする基礎屋さんに遭遇した。
 
 土工事、鉄筋工事、コンクリート工事
 全てにおいて、文句の付けようがない。
 つまり100点満点の仕事。
 
 
 レベルが高い基礎屋さんはたくさん居る。
 しかし、100点満点は今までいなかった。
 
 どこが違うのか?
 
 
 「単価がいいんじゃないか?」と思う人が多いでしょう。
 
 ・・違います。
 ローコストメーカーの仕事をしています。
 (アイフルホーム)
 
 
 大きな違いは、職人さん自身が基準を全て理解し、
 1mmでも違反しないように
 自主検査しながら仕事をしている。
 
 だから、ミスが出てもカバーし
 完璧な状態にしている。
 
 
 職人さんは時給ではなく、請負形態で仕事をしている。
 つまり、時間をかけない方が、お金になる。
 
 
 単価が安いと嘆き、
 手抜きをしたがる職人、監督が多い中で
 真理に沿った仕事をしているすごい基礎屋さん。
 
 
 こんな基礎屋さんばかりになれば
 基礎の欠陥は無くなるでしょう。
 
 
 
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2011年06月21日

事例384『筋交い金物のビス不足』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今日、新しい計測機械が届きました。
 
 今まで使っていたものが古くなり
 壊れる前に買い換えました。
 
 
 あまり量産していない機械ですが、
 以前のものと比べ、かなりコンパクトになり
 性能、機能もUPしている。
 
 これでまた数年、安心して検査できます。
 
 
■(1)今回の事例__________

  「筋交い金物のビス不足」
 _________________
 
 384

  
 
 ◆写真解説
 
 筋交い金物のビス抜け。
 柱にあいているボルト穴に干渉し、
 ビスが1本施工できない。
 
 1本不足でもNG。

 
 ◆内容説明
 
 編集後記の内容で「筋交い」が出てくるため
 今回これを掲載しました。
 
 
 以前も紹介していますが、
 筋交い金物のビス抜けは、意外と多い。
 
 今回の例は、金物の種類を交換すれば
 ビスは全て施工できた。
 
 交換が面倒なので、そのままにされてしまったと思う。
 
 
 メーカーが指定した種類、本数を守らないと
 端部の緊結にならず、建築基準法違反になる。
 
 
 ◆対策
 
 現場によっては、金物が裏側に付いていて
 よく見えないこともある。
 
 構造上重要な金物。
 全数、ビスをチェックしたい。
 
 
 
===================

■(2)編集後記
 
 
 住宅の第三者検査員を大まかに分類すると
 
 1、確認申請、性能評価の検査員
 
 2、住宅瑕疵担保保証の検査員
 
 3、社内検査を代行する外注検査員
 
 4、施主から依頼を受ける検査員
 
  1,2は国の制度によるもの。
 
 
 これら検査員のレベルを、
 木造住宅の筋交いを例として説明します。
 
 
 ・筋交いの位置が図面どおりか、
  端部の固定金物のビスが全部打ってあるか、
  全てを確認するのが、私たちのような4番の検査員。
  
 ・筋交いの位置が図面どおりか検査をするが、
  金物は一部確認できれば、全数は見ないのが
  1番の性能評価や2番の住宅瑕疵担保保証の検査員。
  
 ・一部の筋交い、金物を確認するだけが
  1番の確認申請の検査員。
  
 
 3つに分けましたが、もちろん組織や人によって
 レベルは違います。何も見ずに全体を眺めて帰る
 1や2番の検査員も何度か見ています。
 
 
 
 先週ある現場で、私と住宅瑕疵保証、確認申請の3名の検査員が
 同時に構造の検査を始めた。
 
 
 施主も居る手前、一番その雰囲気が嫌そうだったのは、
 中間検査に来た確認申請の検査員。
 
 たぶん、同時に検査したのでは、すぐに終わって帰るため、
 施主に検査の適当さがバレるからでしょう。
 
 
 そのためか、いつもならさっと見て帰るところ、
 私が1階に居たら、2階へ上がって行き、
 釘の抜けなどをチェックし始めた。
 
 その後、数本の抜けを発見し、
 大工さんに直接、是正を指示していた。
 
 やろうと思えば、きちんと検査できるんです。
 
 
 
 4の施主依頼の検査員が入る物件数は、全体からすると僅か。
 
 監理者不在の住宅現場。
 現場に入る第三者の検査員の皆が、細かくチェックすれば
 欠陥は、かなり減るはずです。
 
 
 
 
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2011年06月10日

事例381『ボルトの抜け』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 いつも、仕事優先か
 ブログ優先か迷います。
 
 
 この時間(現在19時)になると、
 やはりブログを先に書いたほうが、落ち着きます。
 
 
 
■(1)今回の事例__________

  「ボルトの抜け」
 _________________
 
 381

  
 
 ◆写真解説
 
 ボルトの抜けによる、梁端部の緊結不良。

 
 ◆内容説明
 
 原因は大工さんの「忘れ」だと思います。
 
 検査体制が甘いと、ボルトが抜けたまま、家が完成。
 
 
 大地震時に、梁が簡単に外れてしまうでしょう。
 
 
 ◆対策

 昨日、躯体検査に行った現場も
 金物がいくつか未施工でした。
 
 保険の検査は入っていますが、
 金物の抜けを見つける意識がない検査では
 金物は目に入りません。
 
 
 ボルト類を全数チェックする検査をすると
 このような例は起きません。
 
 
===================

■(2)編集後記
 
 
 ハウスメーカーの選択は、
 カタログや展示場を見て選ぶのが普通です。
 
 主な性能、例えば地震に対する強さなども、
 カタログで判断できるでしょう。
 
 比較した結果、、あまり差がなく、
 最終的には、提案力、営業の人柄、価格などが
 決め手になることが多いようです。
 
 
 私はいろいろな会社の家を、検査で見ている経験上、
 特に工業化住宅メーカーは、工事の過程をみると、
 中身の違いがはっきりわかります。
 
 
 何が違うか、
 
  それは、細かな部分での工夫。おさまり。
  
  
 工業化住宅は、プレハブと呼ばれ、
 仮設住宅が進化したようなもの。
 (初期のデザインはひどかった)
 
 
 工場生産のメリットがある反面、
 現場での自由度がないなどの欠点もある。
 
 特に、断熱性などの欠点は、以前から指摘をしてきた。
 
 
 その欠点や不具合を、A社などは商品開発に
 お金をかけ、年々改良を重ねています。
 
 反対にB社は、商品改良のスピードが遅く、
 A社の15年前くらいの状態。
 
 
 どちらを選ぶかは自由ですが、
 選ぶときによく考えたほうがよいです。
 
 
 (特定のメーカーを宣伝したくないため、実名は伏せます)
 
 
 
 
 
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2011年03月29日

事例360(ホールダウンのビス抜け)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 近所の三洋堂書店に行く度、レジで
 不要な本を売ってくださいと言われる。
 
 今まで、本は廃品回収に出していたが、
 昨晩、読み終わった本を60冊ほど持っていくと
 3500円ほどで買い取ってくれた。
 
 本棚の整理にもなり、いいことを知りました。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「ホールダウンのビス抜け」
 __________________
 
 360
 
 
 ◆写真解説
 
 ホールダウン金物のビス抜け。
 5本中2本抜けている。
 
 これでは所定の引抜き力に耐えられない。

 
 ◆内容説明
 
 柱が大地震時に抜けないように
 取り付けられている金物。
 
 慌てて施工したのが、ビス抜けの原因だと思います。
 
 
 
  ビスが2本抜けていても、たいしたことはない。
 
  ビスが2本も抜けている。これはいけない。
 
 
 施工した大工さんはきっと前者の考えでしょう。
 
 「単価が安いから、丁寧にビスなど打っていれない」
 こんな捨て台詞を言った大工さんもいました。
 
 
 また、壁を張ってしまえば、見えなくなるという
 意識も高いと思います。
 
 
 ◆対策
 
 金物一個づつ、ビスの有無まで細かく検査をする。
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 本日、検査に行った現場での出来事を紹介します。
 
 木造住宅の躯体構造の検査。
 構造材である「筋交い」を、大工さんが
 大きく切り欠いた箇所を発見。計5ヶ所あった。
 
 筋交いの切り欠きは、建築基準法に違反する行為であるし、
 大きな力がかかれば、材自体の破壊につながる重要なこと。
 
 
 そこで私は、同じ時間に検査に来ていた
 瑕疵担保保証の検査員が、
 気がつくように、目立つ印をその箇所にしておいた。
 
 しかし、この検査員は見ていたにもかかわらず
 「問題はありません」と言い、
 15分程度で検査を終え、帰ってしまった。
 
 これ以外の不備として他に、金物の未施工が5ヶ所あった。
 
 
 私から見て、一番まじめに検査していると思う
 「JIO」さんでも、検査はこんな感じです。
 
 
 検査員を責めるつもりはありません。
 
 王様が裸でも
 「王様の服はすばらしい」
 
 と言うしかない状況で雇用されているはず。
 
 
 これは検査に限らず、材料メーカーの社員でも同じ。
 業者に不利なことは、事実を曲げてでも
 言わないように教育されている。
 
 1回限りの客(施主)より、リピーター(業者)を大切にする。
 これは商売の原則だから、仕方がない。
 
 もし、彼らが「王様は裸だ」と勇気を出して
 言ってしまえば、そこに居れなくなるでしょう。
 
 
 だから家を建てるとき、周囲に自分の味方はいない
 と思ったほうがよい。
 
 
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iekensa at 22:46|PermalinkComments(3)TrackBack(0)