号外 長井のコラム

2007年09月18日

「号外3」 現場監督のこと理解できますか?

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 今回はいつもの欠陥事例紹介とは違った内容を
 お伝えします。
 
 
 テーマ「現場監督のこと理解できますか?」
 
 
 「監督」と言うとどんなイメージがありますか
 
 
 プロ野球の監督か
 
 映画監督をほとんどの方が想像するでしょう。
 
 しかし、現場監督は名ばかりで華麗な仕事では
 ありません。
 
 
 
 では現場監督の具体的な役割はわかりますか?
 
 
 常に現場にいて現場の指揮者というイメージを持つ方が
 多いのではないでしょうか。
 
 
 実際に住宅の現場では
 監督さんは掛け持ちで動いています。
 ハウスメーカーさんですと
 10件以上の現場を同時に持っている監督さんは普通です。
 私も大手メーカーにいた頃は15件くらい常に担当してました。
 
 もちろん、現場以外に事務所での仕事もあるので現場に常に
 いることは不可能です。そのため、
 コンクリート打ちなどの要所に現場に居ないことも
 日によりましては当然出てきます。
 
 
 多くの現場監督の仕事の優先順位ですが
 
 1、現場の段取り(材料、職人)・・工程管理
 2、予算どうりの進行・・予算管理
 3、品質のチェック・・品質管理
 4、現場の安全をチェック・・安全管理
 
 です、掛け持ちでいくつか現場があると
 1番の段取りで目一杯になり、あとがおろそかという
 か出来ません。
 
 
 良く、監督がいるのにどうして欠陥に気が付かないと
 いう事をお客様から聞きますが、現場の段取りで
 頭の中が一杯で、品質を見る気がどこかへ行っている
 ため不備な箇所が目に入らないのです。
 
 人間は意識したものや動くもの、目立つものなどしか
 見れていません。
 現場監督はこういうものだと最初から知っておくと
 良いでしょう。


 どうしても監督を専任で頼みたい方は
 監督の経費を負担すれば可能かも知れません。
 ただし、1ヶ月当たり100万円〜は必要ではないでしょうか?
 
 
 
 私が思う良い監督(お客にとって)
 
 ・職人に物がはっきり言える
  
 ・お客より社長や上司が大事という会社人間でない

 
 この2つでしょう、あと楽しく工事中を過ごすために
 明るくて楽しい人なら言う事ないでしょう。
 
 
 私は現場を評価する仕事をしていますが
 監督の良い悪いも自分の中で勝手に評価しています。
 
 
 そこで自信をもって言える事は
 
 「良い監督が担当する現場は職人の仕事も良く
  検査指摘が少ない」
 

iekensa at 22:57|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年08月11日

「号外」 トラブルにならないための施主の心構え

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 今回はいつもの欠陥事例紹介とは違った内容を
 お伝えします。
 
 
 テーマ「トラブルにならないための施主の心構え」
 
 
 良くわからない家造り、建築業界の常識
 ちょっと知っておくだけで
 トラブルは減ります
 
 
 思い当たる事をまとめました。
 
 
 
 1、希望を客観化、具体化する
  
  営業や設計担当者に対し
  「冬暖かい家」、「地震に強い家」を希望しますと伝えても
  相手によっては自分の主観や会社の性能の範囲で判断します。
  具体的な数字や例を挙げて打ち合わせしないと出来てから
  違ったという事になります。
  
 
 
 2、希望事項の非現実性、矛盾を受け入れる
 
  希望事項が全てかなうとは限りません、特に予算的な要因が
  障害になる事が多く、家に対する希望がかなわない事は
  「ストレス」になります。
  
  依頼相手から納得できる説明があれば希望がかなわなくても
  納得できる場合もありますが、
  不信感や疑問を持ったまま進むと「頼まなければ良かった、
  設計料は払いたくない」という後悔になります。
  
  希望の反映については100%は無理かなと思っている
  くらいがちょうどいいです。
  
  
  美輪明宏さんの著書で「ああ 正負の法則」という本が
  あります。(PARCO出版)
  地球は陰と陽、マイナスとプラスなど相反するもので
  成り立っている。良いことがあれば悪いことがあるみたいな
  法則を書いた本です。
  
  その中で家を建てるときは、そこそこの家にして
  「あそこが足らない、ここも足らない」という家を造って
  我慢しておくことです。
  
  とあります。プラス面ばかりだと大きなマイナス面が
  必ず来るという事を書いてあります。
  
  

 3、建築現場の理解
 
  ・施工誤差
   建築現場は手作業による一品生産でありコンピュータ管理
   された工場とは違う事の理解。
   
   
  ・職人の技量のばらつき
   品質を左右するのは大工などの技量です。
   年齢、経験、性格により技量の巾は大きいです。
   同じ職人で同じものを作っても全く同じ品質になるとも
   限らない。
   
   
  ・コストの相対性
   技術的には可能でもコスト的に無理という事項が出る場合が
   ある。コストをかければ良いものができるという事は
   誰でも理解できるが請負契約という形態の住宅業界では
   このことが理解困難な場合が多い。
   
   例えば
   外壁の目地のラインをなくす。
   
   コストをかければ仕上げがきれいであるが
   コストをあまりかけないと中途半端な仕上になる。
   
   
  ・品質のばらつき
   特に木などの自然のものは製品になっていてもばらつきがある
   また建築材料は「伸び」「縮み」「反り」などの変化が出る
   物が多い。
   
 
 
 4、工事中の変更は困難

  確認申請の制度が現場と申請書類の照合が重点となり、
  現在工事中のものを含めまして法改正で工事中の変更が困難に
  なりました。
  
  変更をした場合には書類など含め設計者等の手間がものすごく
  増え、費用が発生します。
  
  また、基本的には軽微なもの以外は変更できません。
  事前の打ち合わせが今後重要です。
  
 
 
 5、余裕をもって行動する
 
  法改正により確認申請が大幅に遅れています。
  特に構造計算を伴うものは時間がかかる傾向です。
  子供の入学などでどうしても来年3月完成と希望しても
  確認申請の遅れが工事を遅らせる可能性が現在あります。
  
  遅れてもこれは設計者の責任を問えない部分もあり
  現在国土交通省でも制度の見直しをしているようですが
  今年中は混乱します。
  
  
  これから建てる方は確認制度の法改正で状況が今までとは
  全く違う事を理解し、期間にかなり余裕をもつ事です。
  

iekensa at 21:19|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2007年07月09日

号外 新聞記事の解説

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 今回は号外です!
 (いつもの欠陥住宅事例ではありません)

 7日土曜日の新聞1面に欠陥住宅裁判の記事が
 載ってました。
 私は中日新聞と日経新聞を取っていますが両方
 とも1面と社会面両方に載るなど大きく取り上げ
 られていました。
 
 しかし、内容が結構難しく感じたため私なりに
 解説させていただきます。
 
 
 
 以下朝日・COMより抜粋
 
「 欠陥住宅、救済の幅拡大 最高裁が「安全性」で新判断」


1、建物に欠陥が見つかった場合、どの程度なら設計者や
 施工者を相手に損害賠償を請求できるかが焦点になった
 訴訟の上告審判決で、最高裁第二小法廷(今井功裁判長)
 は6日、「建物としての基本的な安全性を損なう欠陥で
 生じた損害」があれば請求できるとする初めての判断を
 示した。
「建物の基礎や構造に欠陥があるような違法性が強い場合
 の損害」と限定していた控訴審判決より基準を広げ、
 違法性が強くなくても民法上の不法行為責任を問えること
 を明言した。
 
  
◆バルコニーの手すりなど(基礎、構造体以外)居住者など
  が使用する際に転落し、生命または身体を危険にさらす
  こともあり得る部分の瑕疵がある場合、建物には基本的な
  安全性を損なう瑕疵がある。
 (今までは基礎、構造体(柱、梁など)に限定されていた)
 ※バルコニー手すりは構造体ではない(法律上の解釈)
 
 ここで「不法行為責任」とは?
 
 故意や過失で権利や利益を侵害した場合、発生した損害を
  賠償する責任。民法で規定され、加害行為の違法性や加害
  と損害に因果関係があることなどが必要とされる。
 損害賠償請求権は不法行為を知った時点から3年。
  行為があってから20年が経過すると消滅する。
 
 

2、欠陥住宅をめぐっては、施工者や販売者と契約関係
 があれば、民法に規定された「瑕疵(かし)担保責任」
  を問える。
 第二小法廷は、こうした契約関係がなくても、施主から
  買った人や居住者に限らず、隣に住む人、近くを通った
人たちでも欠陥住宅によって身体や財産が侵害された場合
 は、設計者や施工者に不法行為責任に基づく損害賠償を
  求められることも明示。
 被害に対する救済の幅を広げる内容だ。


◆中古住宅などの購入者は販売者、建築会社と契約関係
 はない、契約関係がなくても損害賠償を請求できる。
 この件は今後非常に大きな意味があるでしょう。
 
 
 ここで「瑕疵担保責任」とは?
 
 契約に基づき売買したもに欠陥が見つかった場合、
 売主側が過失の
 有無に関わらず損害賠償の義務を負うもの。
 期間は2000年以降の新築住宅は主要構造部、
  雨漏りは10年間。
 
 
3、訴訟は、大分市内に建築中のマンションと店舗兼自宅を
  施主から買い受けた親子が、96年にマンションの設計
   会社と建築会社を相手に起こした。
 
 原告側はひび割れや排水管の亀裂、バルコニーの手すりの
  ぐらつきなどを列挙して不法行為が成立すると主張。
 しかし、二審・福岡高裁判決は「成立するのは、建物の
  基礎や構造にかかわる欠陥があり社会公共的にみて許容でき
  ないほど危険な『強度の違法性』がある場合などに限られる」
  として請求を退けた。

 これに対し、第二小法廷は、設計者や施工者、工事監理者に
  ついて「建築に当たって基本的な安全性が欠けることがない
 よう配慮すべき注意義務を負う」と指摘。
 バルコニーの手すりの欠陥でも転落する危険があり得るという
  例を挙げ、「基礎や構造にかかわる欠陥に限って責任が認めら
 れると解すべき理由はない」と二審の判断を改めた。
 
 そのうえで、原告の請求をすべて棄却した二審判決を破棄し、
 審理を同高裁に差し戻した。

 最高裁判決は、中古住宅の流通にも影響を及ぼしそうだ。
 中古の販売業者が瑕疵担保責任を負う期間は2年で、
  転売の数年後に欠陥が見つかっても販売業者が補償に
  応じない例が少なくない。
 国土交通省住宅生産課の担当者は「判決が定着すれば、
  中古を買う消費者の権利が保護され流通の拡大につながる」
 と話す。


◆先般の建築士法改正とともに建築士や業者の責任が重く
  なりました。
 最後に最高裁判決理由の一部を記載します

 
 建物は居住者、働く者、訪問者などさまざまな人が利用し、
 周辺にはほかの建物や道路などがあるので利用者や隣人、
 通行人などの生命、身体または財産を危険にさらさない
 ような安全性を備えていなければならない。
 
 このような安全性は、建物としての基本的な安全性という
 べきだ。
 設計者、施工者および工事管理者は建築にあたり、
 契約関係にない居住者らに対しても、建物としての基本的
 な安全性が欠けることのないよう配慮すべき注意義務を
 負うと解するのが相当だ。
 
 設計・施工者などがこの義務を怠ったため建物に基本的な
 安全性を損なう瑕疵(かし)があり、居住者などの生命、
 身体または財産が侵害された場合、設計・施工者などは、
 不法行為の成立を主張する者が瑕疵の存在を知りながら
 買ったなど特段の事情がない限り、不法行為による賠償責任
  を負うべきだ。居住者などが建築主から譲渡を受けた者
  でも異なることはない。



===================================
■(2)編集後記

 今日の内容は難しい内容だったと思います。
 この件は欠陥住宅被害ネットのメーリングで事前に内容を
 知っていました。
 
 新聞掲載もあり弁護士さん達は特に注目し今後の裁判などで
 この判例を参考に活動されると思います。
 
 その反面、一般の建築業者、建築士はあまりピンと来て
 いないようです。
 
 ただ、本例は訴訟期間が約10年であり裁判の長さを感じます。
 

iekensa at 13:15|PermalinkComments(0)TrackBack(0)