アンカーボルト

2011年11月25日

事例429『アンカーボルトが出すぎている』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 朝一番で、自宅から徒歩3分の現場検査に行ってきました。
 今日の検査予定は夕方にあと1件。
 
 この時間、事務所にいるのは久しぶりです。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「アンカーボルトが出すぎている」
 __________________
 
 429


 ◆写真解説
 
 1本だけ、アンカーボルトが出過ぎている。
 基礎への埋込み不足+これではナットが締まらない。
 
 
 ◆内容説明
 
 通常より10CMほど余分に出ている。
 
 アンカーボルトの施工方法は、生コン打設時に入れる「田植え式」
 
 ねじ山の部分が限られるので、これではナットが締まらない。
 10CMも上に上がると、埋込み深さが足らず、
 引き抜き力低下につながる。
 
 
 なぜ、コンクリートが固まる前に
 職人が気づかないのか?
 
 たぶん、すぐに次の現場へ行かないといけないなど、
 急いで仕事していたからでしょう。
 
 コンクリート打設は、十分手をかけないと
 空洞やひび割れの原因になります。
 
 現場でじっくり手をかけていれば
 これは、気がつくはずです。
 
 
 ◆対策
 
 アンカーボルトを型枠にきちんと止めてから
 コンクリートを打設する。
 
 
 
=====================

■(2)編集後記

 
 少し前に「FREE]という本が話題になったように
 巷で、無料のものが増えている。
 
 何でも無料が良いのか?
 もちろん金銭的には、当たり前です。
 しかし、その裏側をきちんと理解して利用しないといけない。
 
 
 住宅紛争も無料または、安くできることを願う人は多い。
 安いだけで飛びつくと、意外な展開になることもあります。
 
 実際に、相談を受けた例を紹介します。
 
 
 建設住宅性能評価書を交付された「評価住宅」は
 1万円の申請料で紛争処理が行える。
 
 しかし、平均5回ほど日にちを要する話し合いに
 合計1万円で弁護士、建築士が動くわけがない。
 
 
 差額の費用は、性能評価機関などから出ているはず。
 
 
 特に、中立、公正が保てない事例は、
 性能評価機関の検査ミスが原因でもある紛争。
 
 「業者 VS 施主」の争いなのに
 「悪いのは性能評価機関だ」となりそうな時、
 
 お金を支払う側として、または、同業界内のつながりで、
 建築士に圧力をかけることもあるようです。
 
 事実、相談を受けた例では、
 担当した建築士の態度が途中で変わり
 基準的に黒のものを、白だと言っていたそうです。
 (現在はネットで調べると、素人でも分かるものがある)
 
 
 第三者といっても、ボランティアでない限り
 報酬を得る目的でそこへ来ているわけで、
 お金を払う側は、その弱みの部分を十分承知している。
 
 オリンパスや大王製紙の監査法人も同じことです。

 
 
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2011年11月01日

事例422『ホールダウンボルトの切断』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 一部で、大工さん不足などの話を聞きます。
 
 確かに、どこのメーカーに話を聞いても
 忙しいという返事が返ってきます。
 
 この状況が今後も続くと思えないので、
 忙しさが一息付くのは、もうそろそろでしょうか。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「ホールダウンボルトの切断」
 __________________
 
 422

 
 
 
 ◆写真解説
 
 ホールダウンボルト。
 先に埋め込んだが、長さの間違いに気づいたため、
 カットすることで、ごまかそうとした。
 
 
 ◆内容説明
 
 ベタ基礎、2回目のコンクリート打ち前検査での指摘。
 
 埋め込み深さ確保のため、ホールダウンボルトを、
 先に埋め込んだ。
 
 しかし、埋め込み深さの間違いに気がつき、
 基礎が完成したら分からないように、
 途中をカットし、調整した。
 
 当然埋込み深さが不足し、引き抜き力が劣る。
 
 
 ◆対策
 
 コンクリートを打ってしまうと
 見えなくなるものは、たくさんある。
 
 打設前の検査が重要。
 
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 先日お客さんに、こんなことを言われました。
 
 「長井さんが書いた書類は、間違っているのか?」
 
 
 このいきさつは、お客さんが欠陥検査の報告書を添えて、
 相手業者に修理・補修費用の請求を出した。
 
 その回答が、「瑕疵はないので応じられない」だったそうです。
 
 お客さんは、専門的な事が分からないので
 そう言われると、報告書が間違っているんだと、思ったそうです。
 
 
 紛争において、相手に認める気がない場合は
 
 ・時効だ。
 ・瑕疵はない。

 などの、全否定から始まります。
 内容が正しい、間違いに、かかわらずです。
 
 認めてしまえば、責任を取らされるから
 嘘でも、そう言ってきます。
 
 
 時効だ、瑕疵はないと、言わせないためには、
 
 早期の行動。
 できれば、工事中にチェックしておくことが大事です。
 
 
 
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2011年09月27日

事例412『アンカーボルトのずれ』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 

 朝、高速道路の事故渋滞から予定が狂い。
 今日はまだまだ、仕事が片付きません。
 
 タイトなスケジュールが数日続きます。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「アンカーボルトのずれ」
 _________________
 
 412

 
 
 ◆写真解説
 
 大手ハウスメーカーの現場で発見した、
 アンカーボルトの不備。
 位置がずれたので、曲げてそのまま放置。
 
 これでは基礎との接合が不十分。

 
 ◆内容説明
 
 築10年の中古住宅の検査で発見。
 同じような箇所が他に2ケ所あり。
 
 基礎と鉄骨躯体をつなぐアンカーボルト。
 これでは、何の意味もない。
 
 
 10年前も、今でも、検査体制はさほど変わらない。
 床下など、あとから見えな箇所は
 ミスを放置されやすい。
 
 
 ◆対策
 
 中古住宅を買う前の検査でした。
 
 保険と絡めたような、簡易な検査ではなく
 細部まで検査して買うことが重要です。
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 「怒り」を抑える、消す。
 この手の本がたくさん出ています。
 
 「怒りは、得しない」
 
 過去、短気だった私もそう思います。
 (昔はまたか、と言われるくらい事務所や現場、空手の試合中など、
  そこら中で喧嘩してました。スタッフには今も、短気だと言われますが)
 
 
 瑕疵調査後の話し合いにおいて、
 依頼者から、こんなことを言われることがある。
 
 「業者と喧嘩してください」
 
 昔のヤクザのような役割を期待されても、
 はっきり言って困ることがあります。
 
 その理由は、悪徳業者相手ならともかく、
 前向きな歩み寄りの意思のある業者に対し
 専門家の立場である私が、喧嘩腰になると、
 まとまる話も、まとまらなくなるからです。
 
 
 会社の儲けだけ考えれば、揉め事を煽り、
 すぐに解決しないように長い時間、関わることが理想でしょう。
 また、勝つ見込みが薄くても、強く裁判を勧める。
 そして、長期化させて、あれやこれやで、業務を追加すれば
 売上が上がります。
 
 
 
 依頼者にしてみたら、業者は全て悪徳に見える。
 怒り気持ちはわかりますが、
 最大限、有利な条件を引き出すため、
 交渉ごとは冷静さが大事です。
 
 
 
 
 
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2011年09月20日

事例410『アンカーボルトのかぶり』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 午前中、名二環を通って検査に行ってきました。
 
 一部地下を通る箇所で、すでに20CMくらい冠水し
 久しぶりに運転していて危険を感じました。
 
 午後から、通行止になったようで
 早めに帰って来れて良かったです。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「アンカーボルトのかぶり」
 __________________
 
 410

 
 
 
 ◆写真解説
 
 アンカーボルトの露出。基礎から完全にはみ出している。
 
 こうなると、引き抜き強度の低下は確実。
 
 
 ◆内容説明
 
 大手ハウスメーカーの中古住宅検査で発見。
 
 アンカーボルトが、外にはみ出している。
 
 アンカーボルトは、コンクリートとの付着力で
 引っ張り強度を得ている。
 
 露出している箇所は付着がなく、
 強度低下は確実。
 また、サビの原因にもなる。
 
 
 ◆対策
 
 世間一般で、安心と思われている有名メーカー。
 最近、検査でいろいろ瑕疵がある。
 
 品質のチェックを、業者任せにしないことが大事。
 
 
====================

■(2)編集後記


 先週のニュースを紹介します。
 
 住宅瑕疵担保責任保険法人 「株式会社たてもの」が廃業。
 http://www.nais-th.co.jp/
 
 この会社は、他の5社に遅れて開業。
 
 私はこの会社の名古屋第1棟目の現場検査で一緒になり、
 検査員と名刺交換をし、話もしました。
 
 後発だけに、きちんとしようとする意向が感じられ、
 真面目に検査をする会社だと思いました。
 
 
 それがアダになったのか、
 開業してわずか数年で経営が悪くなり、
 国から業務停止を受けて、廃業に至った。
 
 
 法律で決められた保険、検査制度。
 建築業者は6社の中から自由に保険会社を選べる。
 
 そうなると、選ぶ基準は当然、
 「安さ」、「検査の甘さ」になる。
 
 
 価格競争で薄利な上、検査を厳しくし、依頼が少なければ
 経営が成り立つわけがない。
 
 
 何度も書いていますが、検査に来て、現場へ入らない検査会社。
 写真を3枚だけ撮って帰る検査会社などがある。
 
 
 保険制度はあった方が、もちろんよい。
 
 ただし、いい加減な検査をするくらいなら、検査をやめて、
 保険料だけの徴収にしたらいい。
 
 その方が消費者も納得できると思う。
 
 
 
 
 
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2011年09月09日

事例407『ケミカルアンカー』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 

 単発の雨漏り調査などで、バタバタし
 書類、メールの返事がやや遅れぎみです。
 
 

 昨日今日、移動距離が長く
 今日、ガス欠しかけました。

 
 岐阜から愛知県の吉良町までの100KM弱、
 名古屋高速や国道のバイパスを通ったら、
 ガソリンスタンドが、途中1件もなかったためです。
 

 
■(1)今回の事例___________

  「ケミカルアンカー」
 __________________
 

 407

  
 
 ◆写真解説
 
 ホールダウンボルトの下(矢印部)に液体が出ている。

 
 これはケミカルアンカーの接着剤が溢れたもの。
 事前にセットし忘れたため、
 こっそり接着剤でボルトを入れた。

 
 ◆内容説明
 
 この工程から検査に入った。
 

 土台(木)がのっているため、見落とすとこでした。
 基礎図面が間違っていて、入れ忘れたようです。
 
 

 ケミカルアンカーは、きちんと施工をすれば
 十分な引き抜き強度が出るため、
 耐震補強工事など、既設の建物の工事で重宝されます。
 

 ただし、新築ではイレギュラーな工事。
 コンクリートを流し込む前に
 アンカーボルトなどを入れておくことが基本です。
 

 
 新築で仕方なく施工する場合、
 専門業者による施工+引き抜き試験を
 条件に付けることをお薦めします。
 
 

 
 ◆対策
 
 基礎図面のチェック及び、
 コンクリート打設前のチェックが大事です。
 
 

=====================

■(2)編集後記

 
 呆れてしまう現場監督の発言を紹介します。

 
 今回は有名メーカーの社員Aさん

 
 検査に立ち会わないため、顔を見ていません。
 年齢は多分20代半ば。

 
 
 私が躯体構造検査で、3項目ほど基準法違反を指摘。
 それを知った施主さんが、Aさんへ文句を言った。
 「社内検査と瑕疵保証検査は何を検査している」と

 
 
 このあとに、私へ下記のことを
 Aさんが電話で言ってきた。

 
 「当社は社内検査が厳しいと、パンフレットなどに記載している。
 おたくのせいで、お客さんからの信頼がなくなった。
 なぜ、指摘をそのまま報告するんですか」
 

 
 Aさんは当社が言いなりになると
 勘違いをしていたようです。
 
 
 




 
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2011年08月05日

事例397『アンカーボルトがない』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今日は朝5時から仕事しています。
 車での移動距離は330KM。
 
 現在22時すぎ。
 いい加減、集中力が落ちてきたので
 仕事の手を止めました。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「アンカーボルトがない」
 __________________
 
 397

  
 ◆写真解説
 
 アンカーボルトが1本もない基礎。
 
 どうやって躯体を緊結するのか?

 
 ◆内容説明
 
 このあと、接着系のアンカーボルトを入れる。
 
 今回は、はっきり欠陥という訳ではありません。
 
 
 接着系のアンカーは、既存建物の改修工事で
 よく使われるが、新築住宅で使うのは、
 建築基準法第37条違反という意見がある。
 
 「第37条 建築物の基礎、主要構造部その他安全上、
 防火上又は衛生上重要である政令で定める部分に
 使用する木材、鋼材、コンクリートその他の建築材料
 として国土交通大臣が定めるもの(以下この条において
 「指定建築材料」という。)は、
 次の各号の一に該当するものでなければならない。
 
 1 その品質が、指定建築材料ごとに国土交通大臣の
 指定する日本工業規格又は日本農林規格に適合するもの
 
 2 前号に掲げるもののほか、指定建築材料ごとに
 国土交通大臣が定める安全上、防火上又は衛生上
 必要な品質に関する技術的基準に適合するもので
 あることについて国土交通大臣の認定を受けたもの」


 接着剤で一番の不安材料は、
 耐久性、耐火性など、実際の性能や
 施工のばらつき。
 
 これが、確実でないからダメという、意見もある。
 
 
 このような疑問視があるものを
 なぜわざわざ、施工するのか?
 
 それは、正確な位置が出しやすいという
 業者の都合です。
 

 
 ◆対策
 
 施工性より、材料の品質を重視する。
 
 疑いのあるものを、使わない。
 
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 欠陥住宅の検査に行くと
 すでに何人かの建築士が検査したあと
 ということがある。
 
 
 ・あきらかに問題があるから呼んだのに、
  簡単な検査をして「問題ない」と言うケース。
 
 ・正義感が空回り。
  軽微な瑕疵を、波風を立て大きくし
  話をこじらすケース。
 
 ・書類に名前を書けないという、ケースもある。
 
 
 引き受ける建築士も、どうかと思いますが、
 建築士なら誰にでも、頼んでいいのでしょうか?
 
 
 業界の経験が長い。
 建築士会などの肩書きを信用してもダメ。
 
 建築士の資格があっても、専門はいろいろ
 検査も特殊な分野です。
 
 
 
 それでも頼む場合は、
 
 ・本人が業務に最近精通しているか
  (業務を人にやらしている人は、新しい法律に疎い)
 ・設計だけでなく、施工に詳しいか
 ・紛争の経験が豊富か
 ・都合が悪くなっても逃げない人か
 ・煽り屋ではないか(大げさな人)
 
 など見極めが大事です。
 
 
 

 
 
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2011年07月29日

事例395『アンカーボルトのズレ』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 最近の雨の降り方は異常ですね。
 
 一度、豪雨の最中に、雨樋が役割を果たしているか
 見てください。
 
 
 我が家の雨樋は、オーバーフロー状態でした。
 もっと大きい物を付けておけばよかったと、
 今になって思います。
 
 
 
■(1)今回の事例_______

  「アンカーボルトのズレ」
 _____________
 
 
 395
 
 
 ◆写真解説
 
 アンカーボルトのズレ。
 
 これだけを見るとNGです。
 
 だだし、後ろのホールダウンボルトが、
 役割をカバーするため、
 もともと、不要なアンカーボルトである。
 
 よって、これでも基準的には問題がない。

 
 ◆内容説明
 
 アンカーボルトよりホールダウンボルトのほうが
 直径も太く、コンクリートへの埋め込みも深い。
 
 よって、受け持つ引き抜き力は、倍近く、
 アンカーボルトの代用としては十分です。
 
 
 フラット35の仕様書などにも、
 ホールダウンボルトが取り付けられた場合は
 アンカーボルトを省略できるとの記載がある。
 
 
 とは言っても、余分に入れることは自由。
 入れるからには、すべてのアンカーボルトが、
 きちんとした位置に入ることが大事。
 
 
 ◆対策
 
 未だに、コンクリート打設時に
 アンカーボルトを入れている業者がいます。
 (田植え式と言われている)
 
 精度の問題からも、事前の正確な設置が必要です。
 
 
==================

■(2)編集後記
 
 
 お客さんの興味を引くため、
 家の性能や、会社のサービス内容など
 ある程度、過剰表現することは、
 どこの会社でもあると思います。
 
 
 今週、関わった現場は、広告などの売り文句と、
 実際にやっていることが、あまりに違いすぎる。
 

 営業妨害や名誉毀損になるので、紹介できませんが
 
 この場で、広告を出して、
 どれだけ嘘を付いているか説明をすれば
 
 呆れるか、ひどい嘘つきの内容に笑えます。
 
 
 悪く言えば「詐欺行為」。
 広告を見て家を買った人は、当然笑いごとでは済みません。
 
 
 社長自身に、反省や悪びれた様子はなく、
 集客したいがために、
 広告が、どんどん誇大表現になってしまったようです。
 
 
 
 今までこの会社は、何十件か建てているようですが、
 初めて、この件について指摘を受けたようです。
 
 
 素人は簡単に騙せても、プロの目はごまかせません。
 
 
 
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2011年04月05日

事例362(土台とアンカーボルトのズレ)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 最近、資材入手難の影響で
 検査予定がズレやすい。
 
 そのため、急に予定が空くこともあり
 今日は、久しぶりに全休としました。
 
 
 当社は、曜日関係なく、
 予定が入れば動くため、休みが不定期です。
 そのため、連絡などでご迷惑をおかけすることもあります。
 
 メールは、私のスマートフォンへ転送されるため
 携帯からでもメールを頂くと、急な相談などは対応できます。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「土台とアンカーボルトのズレ」
 __________________
 
 362

 
 
 ◆写真解説
 
 床下で発見。基礎のズレにより、
 アンカーボルトがほぼ完全に外れている。

 
 ◆内容説明
 
 基礎の位置ズレにより、土台が芯に取り付かず
 アンカーボルトが外れてしまった。
 
 これではアンカーボルトの役割を果たさない。
 
 
 建築基準法施行令 第四十二条2  
 「土台は、基礎に緊結しなければならない」
 
 法律で謳われる非常に、重要な部分です。
 
 
 
 ◆対策
 
 1階の床組を先行して工事する場合、
 基礎のズレなどがあっても、隠れてしまう。
 
 だから、隠蔽前の土台敷き、
 1階床組時の検査は重要です。
 
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 安全だと言われていた「原発」。
 今回の地震で、絶対に安全でないことが分かった。
 
 人命に関わること、想定外という言い訳では済まされない。
 危険予知のレベルが低かったと思う。
 
 
 
 住宅の構造も
 はっきり言って大地震が来るまで
 その家が絶対に安全か、どうかは分からない。
 
 
 住宅瑕疵担保履行法や品確法で、
 構造は10年保証になっている。
 
 保証があると安心な気になるが、
 地盤沈下以外、大地震が来なければ、
 素人が、構造瑕疵に気がつくことはない。
 
 また、大きな地震が来れば
 「想定外」と言って逃げれる可能性もある。
 
 だから住宅営業や、建築士など技術者は
 深く考えなくても「地震に強いです」と言える。
 
 
 机上の計算だけで、全て安心とは思えない。
 昨年だと思うが、実物大の実験で、耐震等級2の家が
 倒壊したニュースもあった。
 
 地震の揺れと言っても
 「横揺れ」、「縦揺れ」、「揺れの周期」など、さまざまです。
 
 人工的な揺れで実験しているにすぎず、
 自然の揺れと、違うことから起きたのでしょうか。
 
 
 ベテランの大工さんから、こんな意見を聞いたことがある。
 
 「現在の木躯体図面は、実際にどう力が加わるか、
 考慮されていない。」
 
 具体的には、
 「筋交いの向きがおかしい」
 「梁の方向、位置がおかしい」などと言っている。
 
 
 基準法だけクリアすれば、よいのではなく、
 それぞれ形、条件の違う家の、構造的な弱点を見つけ(危険予知)
 そこをどう改善(予防)するかまで、
 検討する必要があると思います。
 
 
 
  適当な売り言葉に、騙されないことが必要です。
 
 
 
 
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2011年02月08日

事例346(アンカーボルトの抜け)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 ここ最近のいくつかの物件で、私を警戒して、
 何とかごまかそう、逃げようとする業者がいます。
 
 施工によほど自信がないのか
 検査する前からの警戒ぶりは異常です。
 
 
 そんな業者の態度を見ている、
 施主さんは、本当に気の毒です。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「アンカーボルトの抜け」
 __________________
 
 346
 








 
 
 ◆写真解説
 
 アンカーボルトの抜け(矢印部)。
 土台の端部の必要な箇所にない。
 
 その奥は、基礎の角度が悪く、
 土台(赤ラインの位置)が少しズレている。
 
 
 ◆内容説明
 
 アンカーボルトの施工忘れ。
 
 職人が気をつけていても、
 1本くらいなら図面を見落としたりする
 ことはよくある。
 
 これは、大手メーカー現場。
 コンクリートの打設前に監督などが
 チェックしていないことが分かります。
 (当社の検査はその工程での依頼はなし)
 
 
 うしろの基礎のズレは
 斜めに配置した基礎の位置を、正確に出せなったもの。
 
 これも品質管理を、職人任せにした結果です。
 
 
 
 ◆対策
 
 アンカーボルトは工事が進むと
 あとから見えなくなる。
 
 事前、もしくは見える段階できちんと確認をする。
 
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 当社が持っている検査機材を紹介します。
 
 今回は「鉄筋探査機」
 
 110208
 













 鉄筋はコンクリートで覆われてしまうと
 目視することは不可能です。
 
 
 見えない鉄筋をどうやって調べるか。
 
 X線撮影という方法もありますが、
 放射線の周囲への影響や、費用の高さから
 選択するケースは稀です。
 
 そうなると、やはり「鉄筋探査機」が主流になります。
 
 この機械を簡単に説明すると
  「性能がよい金属探知機」
 
 
 これで鉄筋の何がわかるのか
 
 ・平面的な位置
 ・かぶり(表面から鉄筋までの距離)
 ・鉄筋径など
 
 
 使用後、よく指摘にあがるのは
 ・鉄筋を切断している。
 ・かぶり不足の2点です。
 

 この機械は結構高額です。
 自社で持っていない検査会社の方が、多いと思います。
 

 
 
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2010年11月30日

事例326(アンカーボルト埋め込み不足)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 昨日、名古屋の昼間の気温は15℃。
 1時間移動し、岐阜県中津川市は6℃。
 
 真冬の服装を持ってなく
 非常に寒い思いをしました。
 
 
 今日も山の方は、雪が降っているようです。
 そろそろタイヤも替えないといけません。
 
 
■(1)今回の事例_________________

  「アンカーボルト埋め込み不足」
 ________________________
 
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 ◆写真解説
 
 一般に使われるZマーク表示金物※ではなく、
 長さを疑った。
 
 全長300mmで、250mm埋め込みが必要なところ、
 150mmしかないことが判明。

 ※Zマーク表示金物(又はゼットマ−ク金物同等認定金物)とは、
 木造軸組工法金物で(在来工法)住宅を対象にした高品質金物
 のことで正規認定の建築金物のことです。
 
 日本工業規格(JIS)に適合する材料を使用し厳格な品質管理
 のもとに、認定製造工場にて製造された金物で、
 釘やボルトに至るまで全ての金物に
 防錆処理の亜鉛メッキが施され 耐久性に優れています。
 
 
 ◆内容説明
 
 Zマーク表示金物であるアンカーボルトは
 色がゴールド色。(写真は白銀色)
 
 すぐに認定品でないアンカーボルトであることがわかった。

 長さを確認したら全長300mm。
 出ている部分が150mmなので、埋め込みは150mmしかない。
 
 
 現在、木造のアンカーボルトの
 埋め込み深さは250mm必要。
 
 これはアンカーボルトの表面積と
 コンクリートの付着力の計算によって決められた数字です。
 
 
 力のかかり方は一定ではないですが
 規定を守って施工すべき事項です。
 
 
 ◆対策
 
 現在、ホームセンターでも
 Zマーク表示金物のアンカーボルトは売っている。
 
 基礎屋さんへ金物の知識を
 教えておくべきです。
 
 
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■(2)編集後記
 
 
 欠陥分譲住宅を買ってしまい、
 裁判中だったAさんが亡くなったと
 昨夜、息子さんからの電話で知った。
 
 非常にショックを受けました。
 
 
 完成した当時、すでに家は傾いていて、
 それを隠して売った不動産屋は許せない。
 
 Aさんは、人を疑うことなどしない人だから
 騙しやすかったと思う。
 
 争いが大嫌いだったAさん。
 それでも、かなりひどい欠陥の自宅を
 建て替える費用はなく、最終手段として裁判を選んだ。
 
 裁判が始まると、精神的な不安から
 うつ病になり仕事もできなくなった。
 
 これをきっかけに、打ち合わせには息子さんだけが
 出るようになり、Aさんには最近、会ってなかった。
 
 
 今後、裁判はまだ続く。
 
 売主の不動産屋は「倒産」という道を選び、
 責任を実質、負わないだろう。
 建築士だけが責任を取る可能性が高い。
 
 きちんと補修し、安心して暮らせるように
 してあげたかった。
 
 
 
 12月で、私がこの仕事を始めて丸10年になる。
 この間、世間を揺るがす事件や法改正もあったが、
 
  欠陥住宅は減っていないと思う。
 
 姉歯事件を、すでに忘れている人も多いのでは?
 
 
 昨年の法改正で施行された「瑕疵担保履行法(欠陥保険)」。
 家を買う時に、保険会社が検査するから安心だと
 業者が必ず言うと思う。(大手メーカーで、供託の場合を除く)
 
 全ての検査員ではないが、
 実質3分で終わる基礎検査で、何が安心だと言いたい。
 
 この話をマスコミ関係者などにしても、
 本当?と言われるので、動画でこの証拠を撮ってある。
 いずれ公開することになるでしょう。
 
 
 最近はNPOや検査会社を「表看板」として
 消費者を裏切り、自己や業者利益に走る
 建築士などもいるようです。
 
 これらは岩山健一さんなどのジャーナリストが
 叩くでしょう。
 http://ameblo.jp/jikenbo100/entry-10609212024.html
 
 
 被害にあわないためには、自己防衛しかない。
 
 国に頼って安心していると、欠陥を掴む可能性が高い。
 
 
 
 
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iekensa at 11:17|PermalinkComments(0)TrackBack(0)