基礎鉄筋
2009年02月20日
事例146(鉄筋長さ不足)
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
今日の仕事も終盤、
頭が多少混乱している中
メルマガ書いています。
■(1)今回の事例_________________
・「鉄筋長さ不足」
________________________
◆写真解説 ↑クリックすると拡大します
基礎の鉄筋 T字接合部の主筋折り曲げ長さの不足。
基準は設計によりますが鉄筋直径の35倍〜40倍必要。
写真の260mmは鉄筋直径(13mm)の20倍しかない。
◆内容説明
鉄筋はどこかで接合が出ます。
接合部が基準を満たさないと
そこが弱点になり大地震時に破壊しやすいです。
基礎の配筋について細かな規定は公庫仕様
などには書かれていません。
そのため、大手メーカーなどは
鉄筋コンクリート造の配筋基準を参考に
自社基準を決めていますが、大半の業者は
接合、開口補強などの方法を
職人さん任せという場合が多いです。
今回のような不備は職人さんの
悪意ではなく勘違いが原因で起きます。
鉄筋価格が一時高騰し、
少しでも材料を節約しようとする場合、
少なめの基準が頭に浮かぶのでしょうか?
◆対策
・図面に明記し検査する。
・工場加工の鉄筋を支給する。
=============================
■(2)編集後記
今回紹介した写真の現場とは違いますが
先週、基礎配筋検査に伺った現場で
基準法違反など結構多めの指摘を出しました。
指摘の内容を聞いた施主さんは
前日に監理者である一級建築士が検査をして
問題なしという報告を受けたましたと
この建築士を信用できなくなり
この先不安と打ち明けられました。
一級建築士だからといって
法律、基準を暗記しているわけではありません。
私も細かなことは記憶できていなく
その都度調べます。
弁護士だって六法を全て記憶している人は
いないはずです。
(いたら記憶力で世界一になるでしょう)
ただ、どんな法律があるかをだいたいは覚えて
おかないと調べることができません。
また、法改正はどの分野でも
自分から情報を取らない限り知ることはできません。
何かあった場合は知らなかった者が悪いとなります。
このようなこともあって
専門家は得意分野を絞る傾向にあります。
借金問題専門の弁護士
会社設立専門の行政書士 とか
建築士においても
下請け専門で確認申請だけに追われている人に
全てを期待することは無理があるでしょう。
そこまでの報酬ももらってないでしょう。
現場監理、特に品質検査をやったことがない
という人も多くいます。
不況になると仕事欲しさに専門分野以外の仕事を
請けるケースが考えられます。
リフォームしかやったことないのに新築を請ける
ビル設計専門なのに住宅の設計を請けるとか
こういったケースは
違法建築が造られやすいです
今日の仕事も終盤、
頭が多少混乱している中
メルマガ書いています。
■(1)今回の事例_________________
・「鉄筋長さ不足」
________________________
◆写真解説 ↑クリックすると拡大します
基礎の鉄筋 T字接合部の主筋折り曲げ長さの不足。
基準は設計によりますが鉄筋直径の35倍〜40倍必要。
写真の260mmは鉄筋直径(13mm)の20倍しかない。
◆内容説明
鉄筋はどこかで接合が出ます。
接合部が基準を満たさないと
そこが弱点になり大地震時に破壊しやすいです。
基礎の配筋について細かな規定は公庫仕様
などには書かれていません。
そのため、大手メーカーなどは
鉄筋コンクリート造の配筋基準を参考に
自社基準を決めていますが、大半の業者は
接合、開口補強などの方法を
職人さん任せという場合が多いです。
今回のような不備は職人さんの
悪意ではなく勘違いが原因で起きます。
鉄筋価格が一時高騰し、
少しでも材料を節約しようとする場合、
少なめの基準が頭に浮かぶのでしょうか?
◆対策
・図面に明記し検査する。
・工場加工の鉄筋を支給する。
=============================
■(2)編集後記
今回紹介した写真の現場とは違いますが
先週、基礎配筋検査に伺った現場で
基準法違反など結構多めの指摘を出しました。
指摘の内容を聞いた施主さんは
前日に監理者である一級建築士が検査をして
問題なしという報告を受けたましたと
この建築士を信用できなくなり
この先不安と打ち明けられました。
一級建築士だからといって
法律、基準を暗記しているわけではありません。
私も細かなことは記憶できていなく
その都度調べます。
弁護士だって六法を全て記憶している人は
いないはずです。
(いたら記憶力で世界一になるでしょう)
ただ、どんな法律があるかをだいたいは覚えて
おかないと調べることができません。
また、法改正はどの分野でも
自分から情報を取らない限り知ることはできません。
何かあった場合は知らなかった者が悪いとなります。
このようなこともあって
専門家は得意分野を絞る傾向にあります。
借金問題専門の弁護士
会社設立専門の行政書士 とか
建築士においても
下請け専門で確認申請だけに追われている人に
全てを期待することは無理があるでしょう。
そこまでの報酬ももらってないでしょう。
現場監理、特に品質検査をやったことがない
という人も多くいます。
不況になると仕事欲しさに専門分野以外の仕事を
請けるケースが考えられます。
リフォームしかやったことないのに新築を請ける
ビル設計専門なのに住宅の設計を請けるとか
こういったケースは
違法建築が造られやすいです
2008年08月26日
欠陥住宅事例106(下端筋入忘れ)
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
午後、珍しく事務所で仕事。
でも電話が多く、書類が進みません。
■ 今回の事例__________________
・「基礎立上がりの下端鉄筋抜け」
_______________________
写真解説:基礎立上がり、下端の鉄筋がない。
ベタ基礎の立上がり部分
一番下の「鉄筋を施工し忘れた例」
基礎の鉄筋の中で一番太い鉄筋を使う箇所は
今回の部分と同箇所の上部の鉄筋です。
会社によっていろいろですが
法的には最低直径13mm以上
16mm、19mmなどもよく使われます。
今回はベタ基礎でスラブ部分の鉄筋と
混同したようですが
位置が横にずれているのでNGです。
太い鉄筋を使う=耐力的に重要箇所です。
◆対策
このような事例、
外周部では間違いにくく
内部の立上がりで起きやすいです。
検査する側も気にしていないと
気が付かないと思います。
細かく見るしかないですね。
午後、珍しく事務所で仕事。
でも電話が多く、書類が進みません。
■ 今回の事例__________________
・「基礎立上がりの下端鉄筋抜け」
_______________________
写真解説:基礎立上がり、下端の鉄筋がない。
ベタ基礎の立上がり部分
一番下の「鉄筋を施工し忘れた例」
基礎の鉄筋の中で一番太い鉄筋を使う箇所は
今回の部分と同箇所の上部の鉄筋です。
会社によっていろいろですが
法的には最低直径13mm以上
16mm、19mmなどもよく使われます。
今回はベタ基礎でスラブ部分の鉄筋と
混同したようですが
位置が横にずれているのでNGです。
太い鉄筋を使う=耐力的に重要箇所です。
◆対策
このような事例、
外周部では間違いにくく
内部の立上がりで起きやすいです。
検査する側も気にしていないと
気が付かないと思います。
細かく見るしかないですね。
2008年03月01日
欠陥住宅事例66
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
今回は
基礎のコーナー部分での鉄筋接合の不備です。
■今回の事例_____________________
・「鉄筋接合部、つなぐ鉄筋の入れ忘れ」
_________________________
写真解説:基礎の鉄筋、コーナー接合部で
つなぎの鉄筋施工忘れ。
鉄筋は主に引張りの力に対して働き
接合部で離れていてはもちろん意味がありません。
また、接合部が弱点になりそうな事は
想像できるでしょうか。
ビル現場などで使う太い鉄筋の場合は
鉄筋を現場で溶かしてダンゴ状にして接合するんですが
住宅で使う鉄筋・・直径10MMから19MM程度では
同じ径の鉄筋を規定の長さでそわせ接合します。
最近、工場で組み立てしてくる鉄筋が増え、
現場で手をかけるのは接合部くらいになりました。
この部分のチェックが重要です。
◆対策
これを防ぐにはやはり全箇所きちんと検査することです。
最近の基礎は鉄筋量が増えて
検査する意識で見ないと細かいところは見えません。
2007年12月07日
欠陥住宅事例48
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
『鉄筋が離れている』を紹介します。
■今回の事例____________________
・一番上に入る鉄筋と縦の鉄筋が離れている
________________________
平成12年国土交通省告示第1347号に
立上がり部の主筋として径12mm以上の異形鉄筋を、
立上がり部分の上端および立上り部の下部の底盤に
それぞれ1本以上配置し、かつ、補助筋(縦筋)と
緊結したものとすること。
と記載がある。
※「異形鉄筋」とは・・表面に凸凹した鉄筋の事で
現在はほぼ100%これが使われています。
現在ハウスメーカーは工場で鉄筋を加工して
溶接による組み立てをするのでこのような例はないです。
今回は長さを間違えたのでしょうか?
実は・・・基礎の下の地盤ならしが悪く、縦の鉄筋が
下がったためにおこりました。
◆対策
基礎の配筋検査しか対策はないです。
普段、あまりない例なので検査する人によっては
見落とす可能性もありです。
☆メルマガはこの内容にプラスして編集後記がつきます
日々、私の検査での出来事や建築のニュースを私の
フィルターを通し解説してます。メルマガ登録もお薦めします。
登録は弊社トップページよりできます。
http://www.ie-kensa.com
『鉄筋が離れている』を紹介します。
■今回の事例____________________
・一番上に入る鉄筋と縦の鉄筋が離れている
________________________
平成12年国土交通省告示第1347号に
立上がり部の主筋として径12mm以上の異形鉄筋を、
立上がり部分の上端および立上り部の下部の底盤に
それぞれ1本以上配置し、かつ、補助筋(縦筋)と
緊結したものとすること。
と記載がある。
※「異形鉄筋」とは・・表面に凸凹した鉄筋の事で
現在はほぼ100%これが使われています。
現在ハウスメーカーは工場で鉄筋を加工して
溶接による組み立てをするのでこのような例はないです。
今回は長さを間違えたのでしょうか?
実は・・・基礎の下の地盤ならしが悪く、縦の鉄筋が
下がったためにおこりました。
◆対策
基礎の配筋検査しか対策はないです。
普段、あまりない例なので検査する人によっては
見落とす可能性もありです。
☆メルマガはこの内容にプラスして編集後記がつきます
日々、私の検査での出来事や建築のニュースを私の
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2007年11月30日
欠陥住宅事例47
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
『基礎の鉄筋が細い』を紹介します。
■今回の事例_____________________
・一番上の横に入る・・「主筋」が基準より細い
_________________________
。
平成12年国土交通省告示第1347号に
この部分は直径12mm以上の異形鉄筋を使えと
書いてありますが、写真は10mmです。
通常は13mmを使う設計が大半です。
※「異形鉄筋」とは・・表面に凸凹した鉄筋の事で
現在はほぼ100%これが使われています。
この部分は「主筋」と言われ
字のごとく基礎の鉄筋の中でも主に力を受けます。
2階建ての木造では構造計算しなくても
このような基準を守って基礎の詳細を決めれば
強度的には十分です。
今回と同じ例が今春も1件ありました。
めったにあることではないですが
間違えると基礎であるため問題は大きいです。
◆対策
きちんと基礎図を書かせるか、
何らかの検査を受ければかなりの確率で防げます。
ただ、常識的にこの部分に10mmを使うこと自体
少ないので、検査員が意識しにくく、
見落す可能性もあるでしょう
『基礎の鉄筋が細い』を紹介します。
■今回の事例_____________________
・一番上の横に入る・・「主筋」が基準より細い
_________________________
。
平成12年国土交通省告示第1347号に
この部分は直径12mm以上の異形鉄筋を使えと
書いてありますが、写真は10mmです。
通常は13mmを使う設計が大半です。
※「異形鉄筋」とは・・表面に凸凹した鉄筋の事で
現在はほぼ100%これが使われています。
この部分は「主筋」と言われ
字のごとく基礎の鉄筋の中でも主に力を受けます。
2階建ての木造では構造計算しなくても
このような基準を守って基礎の詳細を決めれば
強度的には十分です。
今回と同じ例が今春も1件ありました。
めったにあることではないですが
間違えると基礎であるため問題は大きいです。
◆対策
きちんと基礎図を書かせるか、
何らかの検査を受ければかなりの確率で防げます。
ただ、常識的にこの部分に10mmを使うこと自体
少ないので、検査員が意識しにくく、
見落す可能性もあるでしょう
2007年11月05日
欠陥住宅事例41
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
『基礎の鉄筋を切断』を紹介します。
■今回の事例_______________________
・基礎に配管を通す穴をあけた時、鉄筋まで切断してしまった。
___________________________
基礎には配管を通す穴がいくつかあきます。
普通、コンクリートを打設する前に「スリーブ」という
管をあらかじめ入れておき、あとで穴をあけないで済む
ように施工するのが基本です。
これなら鉄筋を切る事はないです。
基礎の鉄筋を切る事は、耐力上その部分は弱くなります。
特に一番上の主筋という横の太い鉄筋が切られるケースが
多いので影響は大きいです。
また、写真の例のように穴の直径100mm程度になると
あらかじめあける場合は補強の鉄筋を周りに入れます。
もちろんあとからあけた場合は補強は無理です。
コンクリートに穴をあける事自体、硬そうで大変だと思い
ますが、職人は案外大変だと思っていません。
コア抜きと言いましてダイヤモンドの刃で簡単にコンクリート
鉄筋を切断できるんです。
位置が最初に決まらない場合など
「あとであければいいか」
と思ってしまうようです。
私の経験上、ガス屋さんのほうが後からあけて、鉄筋を切る
確率は高いです。
今回の写真の例は鉄筋位置も端すぎる、いわゆる「かぶり」も
かなり不足しています。
◆対策
これはお客様の立場からは対策がやりにくいです。
監督さんが気を付けていても勝手に職人が穴をあける
事もあります。
当社では「鉄筋探査機」を持っています
値段は最近下がってまして鉄筋の位置の特定だけでしたら
10万円以下で買える様になりました。
基礎に穴をあける時は「鉄筋探査で位置を確認する」事を
必須にするしかないでしょう。また、あける穴の大きさも
限度を決めるべきです。
『基礎の鉄筋を切断』を紹介します。
■今回の事例_______________________
・基礎に配管を通す穴をあけた時、鉄筋まで切断してしまった。
___________________________
基礎には配管を通す穴がいくつかあきます。
普通、コンクリートを打設する前に「スリーブ」という
管をあらかじめ入れておき、あとで穴をあけないで済む
ように施工するのが基本です。
これなら鉄筋を切る事はないです。
基礎の鉄筋を切る事は、耐力上その部分は弱くなります。
特に一番上の主筋という横の太い鉄筋が切られるケースが
多いので影響は大きいです。
また、写真の例のように穴の直径100mm程度になると
あらかじめあける場合は補強の鉄筋を周りに入れます。
もちろんあとからあけた場合は補強は無理です。
コンクリートに穴をあける事自体、硬そうで大変だと思い
ますが、職人は案外大変だと思っていません。
コア抜きと言いましてダイヤモンドの刃で簡単にコンクリート
鉄筋を切断できるんです。
位置が最初に決まらない場合など
「あとであければいいか」
と思ってしまうようです。
私の経験上、ガス屋さんのほうが後からあけて、鉄筋を切る
確率は高いです。
今回の写真の例は鉄筋位置も端すぎる、いわゆる「かぶり」も
かなり不足しています。
◆対策
これはお客様の立場からは対策がやりにくいです。
監督さんが気を付けていても勝手に職人が穴をあける
事もあります。
当社では「鉄筋探査機」を持っています
値段は最近下がってまして鉄筋の位置の特定だけでしたら
10万円以下で買える様になりました。
基礎に穴をあける時は「鉄筋探査で位置を確認する」事を
必須にするしかないでしょう。また、あける穴の大きさも
限度を決めるべきです。
2007年08月29日
欠陥住宅事例25
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
今回は「基礎の鉄筋の形状が図面と違う」を紹介します。
■今回の事例_______________________
・ベタ基礎の立ち上がり部、たての鉄筋(以下「縦筋」という)の
上部、図面ではフック形状(端部180度折り曲げ)に
なっているが現場は付いていない。
___________________________
このメルマガの上部に書いてありますが
「欠陥」とは 「1、契約違反」
これは当てはまります。
民法上の言葉を使うと図面どうりでない施工は
『債務不履行』
業者にとって債務とは・・
請負契約内容(図面、金額、工期など)のこと
請負契約はまだ物が出来ていない状態での契約形態であり
図面や見積り、記載期日どうりに造ることなどを
約束する契約です。(簡単に言いますと・・)
今回は明らかな契約違反ですが、変更しても仕方がないと
言えない理由は、強度的に弱い方へ変えてしまった事です。
過剰なほうへの変更なら文句はないはずです。
最近はあまり聞きませんが
グレードの低い材料を予算を下げるために勝手に使った
というのもこれらにあたります。
今回、業者側からすれば基礎図はCADの使い回しで
通常2階建ての基礎なら縦筋にフックはなくても良い
と勝手な判断をしたようです。
確かに80%以上(私が思う数字)の2階建て
木造、軽量鉄骨の住宅には縦筋にフックはありません。
3階になると付ける率はぐっと上がります。
しかし、図面どうり造ることは基本中の基本で、
現場での状況などで仕方なく変更する場合は前もって
報告をすることが当たり前です。
今回、問題となったフックですが役割は?
専門的に解説するとわかりにくいため
単純に想像をしていただきます。
1、基礎は建物の荷重を上から受ける。
2、コンクリートは圧縮、鉄筋は引張りを受け持ち、
鉄筋は主に横に入っているものが働く。
3、今度は縦筋を想像していただき
大きな力がかかり下へ基礎がたわんだ事を想像すると
たての鉄筋の上部が真っ直ぐなのとフック付き
どちらが丈夫か想像が付きますか?
4、フックがあることによりコンクリートとの付着を
高め、変形を強く抑えることが出来る。
それでもやっぱりわかりにくいですね。すいません。
◆対策
業者側は図面がCAD化され、コピー図面が多く出回るため
細かい箇所のチェックが必要になるでしょう。
図面、見積もりの記載事項を1つずつ確認する事が
大切です。
私は現場へは4色ボールペンを持ち歩き
記載事項を印してチェックしています。
=========================
■(2)編集後記 (今回は特別に載せてます)
皆さんは裁判で使われる書類を見たことがありますか?
ほとんどの方は見たことないとないでしょう。
先週、欠陥住宅被害ネットの定期会合に
知人の建築士を連れて行きました。
初めて書類の一部を見た彼の感想は
『こんな事まで書類に書くの』
『こんな事は普通だし、影響ないでしょう』など
つまり重箱の隅を突っつくような事まで
不備な事項として施主側の建築士は記載しているのです。
当然その内容について業者は反論してくるので争いは
深まります。
裁判は両者が傷ついて終わると言れる所以はこのような
ところにあるのでしょう。
世の中の多くの業者にこれらの書類を見せたいです。
きっと、いい教訓になるでしょう。
しかし、長続きはしないでしょうけど。
私はこういった事を考慮し、あとで突っ込まれる
恐れのある事項は業者がこんなことするのと反発しても、
現場で説明し是正してもらっています。
これも検査をする上で大事な事だと最近強く思うんです。
たくさんの事例を出していただく
欠陥住宅被害ネットの会合は勉強になります。
今回は「基礎の鉄筋の形状が図面と違う」を紹介します。
■今回の事例_______________________
・ベタ基礎の立ち上がり部、たての鉄筋(以下「縦筋」という)の
上部、図面ではフック形状(端部180度折り曲げ)に
なっているが現場は付いていない。
___________________________
このメルマガの上部に書いてありますが
「欠陥」とは 「1、契約違反」
これは当てはまります。
民法上の言葉を使うと図面どうりでない施工は
『債務不履行』
業者にとって債務とは・・
請負契約内容(図面、金額、工期など)のこと
請負契約はまだ物が出来ていない状態での契約形態であり
図面や見積り、記載期日どうりに造ることなどを
約束する契約です。(簡単に言いますと・・)
今回は明らかな契約違反ですが、変更しても仕方がないと
言えない理由は、強度的に弱い方へ変えてしまった事です。
過剰なほうへの変更なら文句はないはずです。
最近はあまり聞きませんが
グレードの低い材料を予算を下げるために勝手に使った
というのもこれらにあたります。
今回、業者側からすれば基礎図はCADの使い回しで
通常2階建ての基礎なら縦筋にフックはなくても良い
と勝手な判断をしたようです。
確かに80%以上(私が思う数字)の2階建て
木造、軽量鉄骨の住宅には縦筋にフックはありません。
3階になると付ける率はぐっと上がります。
しかし、図面どうり造ることは基本中の基本で、
現場での状況などで仕方なく変更する場合は前もって
報告をすることが当たり前です。
今回、問題となったフックですが役割は?
専門的に解説するとわかりにくいため
単純に想像をしていただきます。
1、基礎は建物の荷重を上から受ける。
2、コンクリートは圧縮、鉄筋は引張りを受け持ち、
鉄筋は主に横に入っているものが働く。
3、今度は縦筋を想像していただき
大きな力がかかり下へ基礎がたわんだ事を想像すると
たての鉄筋の上部が真っ直ぐなのとフック付き
どちらが丈夫か想像が付きますか?
4、フックがあることによりコンクリートとの付着を
高め、変形を強く抑えることが出来る。
それでもやっぱりわかりにくいですね。すいません。
◆対策
業者側は図面がCAD化され、コピー図面が多く出回るため
細かい箇所のチェックが必要になるでしょう。
図面、見積もりの記載事項を1つずつ確認する事が
大切です。
私は現場へは4色ボールペンを持ち歩き
記載事項を印してチェックしています。
=========================
■(2)編集後記 (今回は特別に載せてます)
皆さんは裁判で使われる書類を見たことがありますか?
ほとんどの方は見たことないとないでしょう。
先週、欠陥住宅被害ネットの定期会合に
知人の建築士を連れて行きました。
初めて書類の一部を見た彼の感想は
『こんな事まで書類に書くの』
『こんな事は普通だし、影響ないでしょう』など
つまり重箱の隅を突っつくような事まで
不備な事項として施主側の建築士は記載しているのです。
当然その内容について業者は反論してくるので争いは
深まります。
裁判は両者が傷ついて終わると言れる所以はこのような
ところにあるのでしょう。
世の中の多くの業者にこれらの書類を見せたいです。
きっと、いい教訓になるでしょう。
しかし、長続きはしないでしょうけど。
私はこういった事を考慮し、あとで突っ込まれる
恐れのある事項は業者がこんなことするのと反発しても、
現場で説明し是正してもらっています。
これも検査をする上で大事な事だと最近強く思うんです。
たくさんの事例を出していただく
欠陥住宅被害ネットの会合は勉強になります。
2007年07月13日
欠陥住宅事例13
こんにちは住宅検査カノムの長井です。
今回は水道屋による基礎の鉄筋切断の例です。
■今回の事例____________________
・配管するのに鉄筋が邪魔で鉄筋を切断
□配管がずれない場合は補強の鉄筋を入れる必要がある
がそれもされていない。
_________________________
写真の解説をしますと
排水管を設置するため鉄筋が邪魔で切断、
補強もせずにそのまま放置。
写真の部分は鉄筋の長さが基準で決まっています。
切断すればもちろんNGです。
設備屋さんに悪気はあるのでしょうか?
私が思うには「これくらいなら支障がないだろう」
と思ってやっていると思います。
先週、電気屋さんが躯体に間違った穴あけをする
というメルマガを10号で記載しましたが
設備屋さんは強度のことなどあまり考えていない
方が多いのは事実ですし、構造のことはわからない
方が大半です。
監督が現場に居れば聞きながら仕事ができますが
住宅現場は常駐してないため「自己判断」でやられて
しまう事が多いです。
同様な事例で基礎のコンクリートに後から
穴をあけるケースがガス屋さんなどでよくあります。
鉄筋探査などで位置を確かめあけるケースは皆無で
平気で鉄筋を切断してしまいます。
ひどい例では主筋という重要な鉄筋を切った例も
発見したことがあります。
(欠陥写真1http://www.ie-kensa.com/kekanphoto.php
に写真載っています 上から三番目左)
大事な基礎、設備屋さんに弱くしてほしくないものです。
◆対策
基礎は重要な部分のためこれを防ぐにはやはり
チェックしかありません。
ただ、よくあるケースで
検査が終わってから設備屋を入れることもあり
タイミングは重要です。
これは依頼先にもよりますが
図面上で配管位置をきちんと決めて指示すれば
今回のような例はまず起こりません。
今回は水道屋による基礎の鉄筋切断の例です。
■今回の事例____________________
・配管するのに鉄筋が邪魔で鉄筋を切断
□配管がずれない場合は補強の鉄筋を入れる必要がある
がそれもされていない。
_________________________
写真の解説をしますと
排水管を設置するため鉄筋が邪魔で切断、
補強もせずにそのまま放置。
写真の部分は鉄筋の長さが基準で決まっています。
切断すればもちろんNGです。
設備屋さんに悪気はあるのでしょうか?
私が思うには「これくらいなら支障がないだろう」
と思ってやっていると思います。
先週、電気屋さんが躯体に間違った穴あけをする
というメルマガを10号で記載しましたが
設備屋さんは強度のことなどあまり考えていない
方が多いのは事実ですし、構造のことはわからない
方が大半です。
監督が現場に居れば聞きながら仕事ができますが
住宅現場は常駐してないため「自己判断」でやられて
しまう事が多いです。
同様な事例で基礎のコンクリートに後から
穴をあけるケースがガス屋さんなどでよくあります。
鉄筋探査などで位置を確かめあけるケースは皆無で
平気で鉄筋を切断してしまいます。
ひどい例では主筋という重要な鉄筋を切った例も
発見したことがあります。
(欠陥写真1http://www.ie-kensa.com/kekanphoto.php
に写真載っています 上から三番目左)
大事な基礎、設備屋さんに弱くしてほしくないものです。
◆対策
基礎は重要な部分のためこれを防ぐにはやはり
チェックしかありません。
ただ、よくあるケースで
検査が終わってから設備屋を入れることもあり
タイミングは重要です。
これは依頼先にもよりますが
図面上で配管位置をきちんと決めて指示すれば
今回のような例はまず起こりません。