基礎鉄筋

2011年05月27日

事例377『スリーブ入れによる鉄筋の切断』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 最近、なぜか金曜日に予定が集中します。
 
 今日は金曜。現場予定が多く、
 今朝、自宅を出たのが4時50分。
 事務所に帰って来たのが19時前。
 
 
 ようやく今から、事務作業に取り掛かります。
 
 
■(1)今回の事例__________

  「スリーブ入れによる鉄筋の切断」
 _________________
 
 377

  
 
 ◆写真解説
 
 配管スリーブを入れるため、基礎鉄筋を切断した。
 
 指摘を受けるまで補強筋を入れる予定はなかった。

 
 ◆内容説明
 
 大手ハウスメーカーの現場。
 
 監督に補強を指示すると、
 「いつも、切断したままで補強はしません」
 という返事が返ってきた。
 
 
 意味があって、入れている鉄筋、
 つながっていなければ意味がない。
 
 
 「つながってなくても良ければ、
 ジョイントも離してもいいのか」と質問したら
 
 答えが返って来ませんでした。
 
 
 
 ◆対策

 今日検査に行った現場でも、
 切断部の補強筋の入れ方がまずく、是正をさせた。
 
 意味をわかって仕事している
 職人、大手の監督は少ない。
 
 基礎は重要な部分だけに
 きちんとした検査を入れることが大事です。
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 最近また、専門書を結構買っています。
 
 欠陥住宅の裁判で、単純な話がどんどん広がり
 一つのことをより掘り下げて調べるためです。
 
 
 いちいち、大きな書店へ行くのは面倒なため
 購入は「アマゾン」を使います。
 
 検索も購入も楽な「アマゾン」
 
 ただし、実際の中身が見れないため
 知りたい部分が書いてあるか、わからない。
 
 
 届いて、中身を見たときに
 知りたいことが載ってない、ということもあります。
 
 
 専門書は値段が高いので
 外れると、しまったと思います。
 
 ただ、今後、何かにきっと役立つはずなので
 時間があるときに全体を読むようにしています。
 
   
 
 
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2011年05月03日

事例370『鉄筋の切断』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 30日土曜日に、レーシックの手術を受けました。
 
 今日で手術から3日経過。
 未だに、本などを読む気にはならず、
 GWあと2日間は、目を休めようと思います。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「鉄筋の切断」
 __________________
 
 370

 
 
 ◆写真解説
 
 配管スリーブを入れるために、
 基礎の鉄筋を切断し、補強はなし。
 
 これでは基礎の耐力が、当然落ちる。
 
 
 ◆内容説明
 
 この指摘を出したとき、現場監督がこう言いました
 
  「ダメなんですか、社内検査では指摘されていません」
  

 大手ハウスメーカーの監督ですが、
 知識があまりないようなので
 
 これでOKなら、鉄筋のジョイントは、
 重ねるなどして、継がなくてもいいでしょうと
 
 説明したら、理解してもらえた。
 
 
 
 ◆対策
 
 基礎の配筋検査が終わったあとに
 設備業者さんが来て、鉄筋を切ることもあるので、
 コンクリートを打設する直前に検査するほうがよい。
 
 理想は、設計図書にて、鉄筋と配管の取り合いを考慮する。
 
 どうしても切断が必要な場合は
 補強筋の入れ方を図面に記載しておく。
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 強度の近視だった私。
 
 めがねのレンズは、一番薄いものを選んでも
 昔よく例えられていた「牛乳瓶の底」のような感じ。
 
 当然、めがねを1本作ると料金は5万から6万円。
 
 スポーツ用等にもコンタクトを持っていたので、
 お金が結構かかっていました。
 
 
 これ以外に、レーシックを考えたきっかけは
 
 ・周囲で何人か手術をした人がいた。
 ・現場でめがねが曇るなど、何かと不便。
 
 などがあります。


 今回、手術した病院は 
 名古屋 金山の名古屋アイクリニック
 http://www.lasik.jp/
 
 住宅検査で品質にうるさい私が
 ここを選んだポイントは、
 
  手術までに3回の事前検査。
  何かあれば術後直後は24H対応。
  院長の実績など。
 
 
 さて、手術のことを紹介しますと、
 
 手術前は、やはり緊張しました。
 特に手術前、待合室で術後、痛がっている人たちを
 見たら余計に緊張が増しました。
 
 
 手術は両目、約20分。
 
 最初に角膜の表面をレーザーで切断します。
 このとき、左目だけ、切れている感覚がありました。
 
 そのあと、レーザーで中の角膜を削る作業。
 焦げ臭い、臭いが印象的でした。
 
 
 術中、目は常に開けた状態で不安ですが、
 院長が状況を見ながら、声をかけてくれたので
 安心できました。
 
 私の場合は術中、術後の痛みは全くなし。
 
 ただし、強度近視のため、
 はっきり見えるまでに1日半を用しました。
 
 今日はとってもよく見えます。
 
 
 レーシックは決断までに、勇気が要ります。
 術後の今となっては、
 老眼が出てもおかしくない40代なので、
 もっと早くやればよかったと思いました。
 
 
 
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2011年04月12日

事例364『鉄筋、継ぎ手長さ不足』

 こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 昨日から大きな余震が続いています。
 
 自宅(木造2階)や事務所(鉄筋コンクリート造7階建ての2階)
 では、この余震で揺れを感じることはありません。
 
 本震の揺れがすごかったことを、改めて感じます。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「鉄筋、継ぎ手長さ不足」
 __________________
 
 364

 
 
 ◆写真解説
 
 鉄筋の継ぎ手、重ね長さ不足。
 520mm必要なところ490mmしかない。
 (30mmの不足)
 
 わずかな不足でも、規定に反するためNG。

 
 ◆内容説明
 
 住宅の基礎では、鉄筋は重ねて継ぐ。
 (ビル等、太い鉄筋の場合、溶かして接着する(圧接))
 
 現場で鉄筋を切ったり、曲げたりする際に
 長さを間違えたと思われる。
 
 
 大手ハウスメーカーなどは
 工場で鉄筋を加工するため、このような間違いは起き難い。
 
 ただし、継ぎ手の位置が全て揃ってしまうなどの
 弊害もある。
 
 
 ◆対策
 
 約500mmに対し、20〜30mmの長さ不足。
 いちいち全て測らなくても、
 他とよく見比べれば分かります。
 
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 今回の地震の影響で、今から家を買う人は
 耐震性に敏感になっています。
 
 
 慎重になることは非常に大事です。
 しかし、嘘や間違った方法には注意しましょう。
 
 
 例えば、
 
 ・基礎だけが強い。
 
 ・信頼度が低い免震装置を付ける。
 
 ・木造住宅で、壁の強さだけにこだわり、
  大きな吹き抜けなど、床の補強を考えない。
  
 口先だけで、「安全」と言うのは簡単。
 トータル的に考えないと、お金のムダになります。
 
 
 木造2階建ては、確認申請で構造はノーチェック。
 構造計算の必要もありません。
 (壁の量、バランスの計算だけ)
 
 構造計算をして、安全を確かめる方法もありますが
 甘い設定で計算しているケースをよく見ます。
 
 結局は、信頼できる依頼先を選ぶことが大事です。
 
 
 
 
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2010年08月10日

事例293(鉄筋のあき)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 久しぶりの昼間の事務所、
 
 今日は先週からたまっている
 書類作成に追われています。
 
 
 
■(1)今回の事例_________________

  「鉄筋のあき」
 ________________________
 
 293

 





 
 
 ◆写真解説
 
 1、鉄筋が5本くらい重なり、鉄筋同士のあきがない。
 
 2、捨てコンに鉄筋が付いている=かぶりがない。

 
 ◆内容説明
 
 鉄筋表面に付いている節は
 周囲のコンクリートとかみ合うためにある。
 
 
 鉄筋同士が重なりすぎると
 周囲のコンクリートと接する面が少なくなり、
 コンクリートとの一体化を妨げ、
 付着力の低下にもつながる。
 
 
 住宅の基礎では
 継ぎ手部分など必ず鉄筋が重なる箇所が出る。
 
 明快な基準はなく、一般的には
 鉄筋の重なりは3本までとしている場合が多いようです。
 
 
 かぶりについての説明は
 過去にもよくしているため省略します。
 
 
 ◆対策
 
 鉄筋が重なりやすい箇所は
 コーナー部に近い、立ち上がり開口部付近。
 
 
 基礎設計の際に開口部の位置などを考慮できれば
 現場でこのような問題はおきにくい。
 
 
==========================

■(2)編集後記

 
 住宅不況と関係なく売れているのが
 
  タマホームやアイフルホームなどの「ローコスト住宅」と
  アーネストワンや一建設などの「ローコスト分譲」
  
 
 ローコストの仕組みの一つに
 工期の短さがある。
 
 そのため、全部の会社ではないが、
 大工さんたちにお盆休みはない。
 
 
 私もその影響を受けて
 お盆休み中も検査へ出る可能性があります。
 
 現場を止められないので仕方ないですね。
 
 
 
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2010年04月23日

事例262(鉄筋継ぎ手長さが不足)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今日の予定は検査4件。
 終日、バタバタしそうです。
 
 
 
■(1)今回の事例_________________

  「鉄筋継ぎ手長さが不足」
 ________________________
 
 262

 





 
 
 ◆写真解説 ↑クリックすると拡大します。
 
 基礎鉄筋の継ぎ手。
 鉄筋径13mmの40倍=520mm必要な箇所。
 400mmしかない。
 
 (他にかぶり不足等、不備があります)

 
 ◆内容説明
 
 住宅の基礎の鉄筋。
 
 その継ぎ手は重ねてつなぐ。
 
 
 建築工事標準仕様書の規定では
 コンクリートの強度で継ぎ手長さは変わる。
 
 小規模建築物基礎設計指針では
 一律、鉄筋径の40倍としている。
 私の経験上、ほとんどの会社が
 これで施工している。
 
 
 継ぎ手長さが短いと
 その部分が弱くなるので
 
 重要なポイントです。
 
 
 
 ◆対策
 
 職人さんへの基準の徹底。
 
 細かな配筋検査でミスは防げます。
 
 
 
 
==========================

■(2)編集後記

 
 「広告は嘘をつく」
 
 最近、一つ実例を見つけました。
 
 
 「賃貸脱出、マイホームは買ったほうが得」という広告。
 
 
 月々の家賃とローンが変わらないと書いてある。
 
 よく見ると、固定資産税や購入諸費用などが入っていない。
 また、金利は変動で1%、35年返済で計算されている。
 
 ただ単に、数字を合わせただけに思えます。
 
 
 
 それでも、買えば最終、資産として残るから得?
 
 
 そうでしょうか?
 
 
 私は前から思っていましたが、
 地価が上がらない限り、
 実は賃貸との損得は変わりません。
 
 
 このあたりの詳しいことが最近発行された
 この本に書かれています。
 
 「会計HACKS!」 東洋経済新報社 小山龍介、山田真哉・著
 
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492043691/
 
 
 会計の本ですが
 家、マンション購入の事がたくさん書かれています。
 
 
 広告や営業の上手い話に乗らないためにも
 このような知識を取得してください。

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iekensa at 16:37|Permalink

2010年03月26日

事例254(鉄筋の継ぎ手の不具合)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今の時間は21時半。
 
 金曜日の発行を守るため
 仕事をあと回しにしてブログ書きます。
 
 
 
■(1)今回の事例_________________

  「鉄筋の継ぎ手の不具合」
 ________________________
 
 254
 




 

 
 ◆写真解説  ↑クリックすると拡大します
 
 基礎鉄筋、T字の接合部。
  下端筋の継ぎ手がない。
  
 本来は、上と中間(赤矢印)のように
 折り曲げて接合。


 
 ◆内容説明
 
 たまにある例。
 
 職人さんの思い込みで「やらなくてもいい」と
 判断しているのでしょう。
 
 
 構造的に意味がある部分であり
 接合しないと当然、弱くなる。
 
 
 
 ◆対策
 
 現在、基礎の配筋検査は
  当たり前になっています。
  
 見落としがないように検査すれば
 起きない問題です。
 
 
 
=========================

■(2)編集後記

 
 昨日と今日のスケジュールは
  特にハードでした。
 
 紹介しますと
 □昨日のスケジュール
 
 8時 1件目新築検査
 10時 耐震補強計画の打ち合わせ
 13時 2件目新築検査
 14時 3件目新築検査
 17時 4件目新築検査
 
 このあと150KM車で移動し
 20時から打ち合わせ。
 
 
 □今日のスケジュール
 
 朝から三重県伊賀市へ移動+中古住宅検査。
 15時 名古屋へ戻り1件目新築検査
 16時30分 2件目新築検査
 18時30分 打ち合わせ
 21時 電話相談
 
 
 これだけ現場ばかりですと
 書類がたまってしまいます。
 
 
 机上の書類の山を早く減らさないといけません。
 

iekensa at 22:05|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月04日

事例198(鉄筋の切断 )

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 昨日は何年ぶりかの徹夜明け
 今日もどちらかといえば寝不足。
 
 寝不足はよくないですね。
 
 
■(1)今回の事例_________________

 ・「鉄筋の切断 」
 ________________________
 
 198
 




 
 
 ◆写真解説 ↑クリックすると拡大します
 
 基礎鉄筋、排水管の位置と重なり切断されている。
 補強などの措置はない。
 
 
 ◆内容説明
 
 鉄筋は連続していないと意味がありません。
 
 今回は配管の方が先で
 あとで鉄筋を組んでいます。
 
 配管が邪魔で鉄筋を切断し、
 補強もせず放置した職人さんは
 これがダメだと思っていないのでしょう。
 
 
 ◆対策
 
 図面を含め、配管を考慮した基礎計画にすることが
 一番望ましい。
 
 現場の検査に頼る場合、
 簡単な検査ですと見落とす可能性があるので
 細かく見る必要があります。
 
  
============================

■(2)編集後記

 
 徹夜した理由は
 来週発表するプレゼン資料を他の発表者と
 見せ合って意見交換していました。
 
 他人の意見は貴重ですね。
 
 資料の半分以上をやりかえることになりましたが
 非常に良い意見をいただきました。

iekensa at 17:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年09月01日

事例197(鉄筋の間隔が広い)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 エアコンを使う頻度が減りました。
 
 北と西の窓、南の入り口を開けると
 今日も涼しい風が入ってきます。
 
 
■(1)今回の事例_________________

 ・「鉄筋の間隔が広い 」
 ________________________
 
 197
 


 




 
 ◆写真解説  ↑クリックすると拡大します
 
 基礎立ち上がり補助筋(縦筋:赤矢印)
 のピッチが広い。
 300mm以下のところ350mm程度ある。
 
 
 ◆内容説明
 
 図面での指示は間隔300mm。
 
 法的(告示1347号)にも間隔300mm以下で
 施工する必要があり違法です。
 
 
 全体的ではなく数箇所の部分で広かったので
 単純なミスだと思われます。
 
 
 デジカメの普及で、
 最近は施主さんが施工写真を撮っていることが珍しくなく、
 あとから写真をみておかしい箇所を発見することがあります。
 
 基礎は重要な部分、瑕疵を出したらあとが大変です。
 
 
 ◆対策
 
 現在、瑕疵担保履行法(欠陥保険)が動き出し
 現場の検査をこれだけに頼るケースがあります。
 
 この検査は細部まで見ないことが多いので
 社内検査、第三者検査を確立してください。
 
 
  
============================

■(2)編集後記

 
 ニュースを見て思いましたが
 もし、自分が新型インフルエンザにかかってしまったら。。。
 
  検査どころではないですね。
  何日、仕事が止まるでしょうか?
 
 
 かかってからでは遅い。万全ではないですが
 やはり、予防を心がけることが大事ですね。

 
 最近、住宅紛争にかかわることが急増しています。
 あまりの多さに数を数え切れません。
 
 事例を分析して思うことはやはり
 
  欠陥住宅の紛争も
  起きてからでは手遅れのケースが多い。
 
 
 購入前、工事中の
 予防の大切さを広めていきたいですね。


iekensa at 14:51|PermalinkComments(0)TrackBack(0)

2009年03月31日

事例156(基礎鉄筋の離れ、径不足)

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 昨日、初めてETC割引の恩恵を受けました。
 滋賀県甲賀市まで行き、平日30%OFF。
 
 また、中部地方は高速の便もよくなり
 甲賀市まででも1時間半で行けます。
 
 時間短縮と料金割引
 
 遠方への交通費請求もこれから安くできます。

 
 
■(1)今回の事例_________________

 ・「基礎の鉄筋未接続+径が細い」
 ________________________
 
 156




 
 
 
 ◆写真解説 ↑クリックすると拡大します
 
 基礎の鉄筋組み。
 つながっていない箇所(赤矢印)と
 径が規定より細い箇所(青矢印、 
 径13mm以上必要なところ10mm)がある 。


 ◆内容説明
 
 写真は基礎立ち上がりの主筋下端の部分。
 
 問題は1ヶ所鉄筋がつながっていない。
 
 鉄筋は引っ張りの力を主に受け持ち
 離れていては論外です。
 
 
 もう一つは
 鉄筋径が規定より細い。
 
 細いより太いほうが
 強いことはわかると思います。
 
 構造計算の不要な木造の基礎、
 平成12年の告示1347号で
 この部分は直径12mm以上の鉄筋使用が
 規定されました。
 
 写真の鉄筋は直径10mm。
 異形の鉄筋は通常10mmの上は13mmなので
 最低でも13mmを使わないとダメです。
 
 
 これでも今回、設計者の建築士の検査は
 合格したそうです。
 
 図面などでの指示不足→職人さんの無知→チェック不足と
 
 あらゆる要因が重なった例です。
 
 
 
 ◆対策
 
 住宅の場合は職人さん任せも珍しくありません。
 
 今後瑕疵担保履行法の施行で
 基礎図面の提出が必須になり現場検査を受けるので
 基礎配筋のミスは減ると思います。
 
 ただ、それだけに100%頼るのは
 見落としリスクがあるので
 
 
 その他の検査を機能させることも重要です。
 
  
============================

■(2)編集後記
 
 
 「地産地消」〜地元で生産されたものを地元で消費する。
 
 農作物を中心に最近注目されています。
 
 これを住宅でも取り入れようと
 木材を中心に活動が一部で行われています。
 
 
 住宅の材料で言えば
 愛知県近郊は杉、ヒノキ、瓦、タイルなどの生産地。
 
 
 木材、陶器類は自分で直接買いに行ったりできます。
 自分で気に入ったものを選んで買う。
 
  意外とお値打ちで楽しいです。
    
 
 私の設計した現場でもよく
 
 ・三河の杉の天板と羽目板
 ・瀬戸の陶器製手洗い   を使います。

156-2








 同じ形は一つもない杉の天板
 珍しい色使いの陶器製手洗いボール
 
 探しだすと手間は増えますが
 楽しいことは確実です。
 
 材料の選択肢候補にこのようなものも
 お薦めします。
 
 写真で使っている
 ■木材購入先 
 興和木材(株)
 新城市下吉田字明双132 0536-34-0010
 ・丸太からの製材過程が全て見れる製材工場見学OK(要予約)
 
 ■陶器購入先
 (株)丸一国府商店
 瀬戸市栄町41  0561-82-2055
 ・名鉄瀬戸線尾張瀬戸駅 すぐ東

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2009年03月27日

事例155(基礎切断部)


こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 夕方、豊橋からの帰り
 東名高速で音羽蒲郡から渋滞18KM。
 1時間くらい余分に時間かかりました。
 
 明日からの週末、ETC割引の影響による
 渋滞に気をつけたいと思います。
 
 
■(1)今回の事例__________________

 ・「基礎主筋切断 補強なし」
 _________________________
 
 155





  
 
 ◆写真解説 ↑クリックすると拡大します
 
 入り口をつくるために
 基礎の主筋を切断している(矢印間)が
 その補強が全くない。
 基礎の強度低下は確実。


 ◆内容説明
 
 勝手口のドアを基礎より下げて付けるために
 基礎を低くした部分。
 
 今回の現場は、施主さんがおかしいと思い
 途中から検査依頼を受けました。
 
 設計、施工者が経費を安くするためか
 基礎の配筋図面はなく完全に職人さん任せ。
 
 この事例以外にも信じられないことが連発!
 (次回以降で取り上げます)
 
 
 基本的に木造2階建ては
 基礎の構造計算は必要ありません。
 
 基準法に最低限の基準はありますが
 今回のような細かなことまでは決められていなく
 建築士がきちんと関与しないとダメです。
 
 ベタ基礎・・・と言いながら
 おかしな基礎がたくさんあります。
 
 
 今回の例のように基礎の高さを落とす場合は
 落とした部分で基礎が連続するように
 主筋を入れ、斜め筋や縦筋の上部に
 フック(鉤形に先を曲げる)を付けたりして
 補強します。

 
 ◆対策
 
 職人さん任せの基礎施工を防ぐためには
 基礎図面の提出を求めましょう。
 
 基礎図面は 基礎を上から見た基礎伏せ図と
 鉄筋の組み方がわかる基礎の断面図が必要です。
 
 
  
=============================

■(2)編集後記(普段はメルマガのみに記載)
 
 
 完成済みの家の検査に行って
 構造的に完全な法違反や重大な欠陥を見つけた場合
 
 その後の対応がやはり気になります。
 
 
 だいたい月1件くらいのペースで
 そのような家があるのですが
 
 先月検査した家のお客様から
 
 業者が非を認めてくれて
 家を建替えるなど何でも対応しますと言ってくれている。
  とのうれしい報告をいただきました。
 
 
 この例は
 法改正により作業が増えたり、変わったりして
 熟練した職人さんでもミスが起きてしまった例です。
 
 
 このようなミスの防止策として
 現場管理を強化すればよいのですが、
 
 人員削減で余裕がないとか
 今年施行される住宅瑕疵担保履行法だけに頼ってしまえば
 管理は十分とは言えず
 問題は今後も解決しないでしょう。
 
 
 検査をしていて強く思いますが
 一人一人の職人さんが確実に施工できるような
 体制にしないとダメでしょう。
 
 ほとんど多くの工務店さんは大工さんを社員ではなく
 請負形態で使っています。
 経営的に社員にすることは無理にしても
 職人さんを会社に根付かせ、
 教育することが大事だと思います。
 
 
 そんなことより
 仕事を取るほうが先だと言われそうですが・・・
 
 姉歯マンション偽装事件のように
 品質における問題が発覚した場合、影響は重大です。
 
 それが原因で会社が倒産でもしたら
 施主はもちろん、その会社で働く社員、取引先など
 多くへ波及します。
 
 
 完全な現場なんてない 
 ミスは誰にでも起こりうる。
 
 
 きちんとした家造りには
 それなりの手間がかかります。
 
 慎重な業者選びがやはり大事です。
 
 

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