基礎かぶり、コンクリート

2011年12月23日

事例437『鉄筋かぶりなし』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今朝は5時半から仕事しています。
 早く帰るつもりが、もう21時半。
 
 明日も難しい検査があるので、
 これを書いたら帰る予定です。

 
 
■(1)今回の事例___________

  「鉄筋かぶりなし」
 __________________
 
 437

 
 
 ◆写真解説
 
 基礎外周部、折り曲げた鉄筋が下に付いている。
 かぶりはゼロで、基準法違反です。
 
 
 ◆内容説明
 
 基礎底の形状が、オールフラットのベタ基礎。
 
 外周部を掘り下げないために、
 スラブ鉄筋の折り曲げの先端が、
 捨てコンに付いている。
 
 
 折り曲げ方向をかえることで、
 是正させました。
 
 
 ◆対策
 
 設計時に配慮すれば、防くことができる。
 
 
====================

■(2)編集後記

 
 昭和56年以前に建てられた木造住宅は、
 無料で行政の耐震診断を受けられます。
 
 私も7年くらい前、愛知県に検査員登録し、
 今でも時々、検査に行きます。
 
 
 耐震補強に前向きな方は、すでに診断を終えている。
 
 今、受ける人の大半は、市役所から勧められるなど
 タダですし、とりあえず受けてみようかという人が多い。
 
 だから、「検査して意味があるのか」とか、
 「どうせ検査しても補強する金はない」など
 検査に行って、文句ばかり言われることもある。
 
 役所絡みの仕事、
 「では検査をやめましょうか」とは言えないので
 嫌な気分で業務を遂行することになります。
 
 
 真剣に取り組む依頼者が減っている中、
 税金を使った耐震診断を、今後も続けないといけないのか。
 
 もしかしたら、以下の理由があるように思えます。
 
 
 当時の建築基準法の耐震基準が弱かった。
 
 その責任として、行政負担で耐震診断を行い、
 さらに、補強工事に補助金を出す。
 
 さんざん宣伝しているのに診断を受けない人。
 診断を受けて「倒壊する」と結果が出たのに
 何も補強工事しない人に対し、
 
 大地震が来て、家が倒壊しても、自己責任だと
 行政は突き放す。
 
 
 次の大地震の発生が、
 できるだけ遅いことを祈るしかありません。
 
 
 
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2011年10月25日

事例420『基礎打ち継ぎ面の汚れ』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 東名高速の豊田JCと、音羽蒲郡ICの間が、3車線になって
 初めて今日、走行した。
 
 全く渋滞はなく、スムーズに走れました。
 岡崎、豊橋方面の移動が楽になります。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「基礎打ち継ぎ面の汚れ」
 __________________
 
 420

 
 
 
 ◆写真解説
 
 基礎打ち継ぎ面に、砕石が大量に乗っている。
 
 これは、コンクリートの一体化を妨げる。
 
 
 ◆内容説明
 
 比較的よくある事例。
 
 深基礎とベタ基礎スラブの打ち継ぎ。
 埋め戻しの砕石が、大量に乗ってしまった。
 
 
 住宅の基礎屋さんは、打ち継ぎ面の処理を意識しない。
 
 それほど重要だと、思っていないんでしょう。
 
 
 ◆対策
 
 コンクリートを流し込む前の検査が重要。
 
 隠れてしまうものが、多いからです。
 
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 欠陥住宅の意味を聞きますと、
 
 業者含め大半の人は、「傾いた家など、
 建替が必要なくらいの家」と答えます。
 
 
 それは、TVなどの影響が大きいと思います。
 
 TVで「欠陥住宅特集」を放映すると、
 TV局が、TV映えする事例を選び、
 傾いた家など、かなり状態がひどい住宅しか出て来ないからです。
 
 
 欠陥住宅の定義は、主に契約違反(仕様や性能が違う)、
 基準法等建築関係法令、一般に使用している技術基準
 (公庫仕様書、建築学会の仕様書など)に抵触するものを言います。
 
 
 ですから、建替が必要な程度でなくても
 上記に該当すると、軽微なものでも、欠陥に該当します。
 
 
 欠陥住宅という言葉は、マイナスの意味が強いです。
 他に、シロアリ、カビ、雨漏りなども、同じマイナスの言葉です。
 
 ですから、買う、造る側にとっては、敏感になりやすい。
 
 欠陥住宅と呼ばれないために、
 軽微な欠陥も出さない。ミスが起きてミスに気づき、
 適切な修補を工事中に行う事が重要です。
 
 
 
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2011年10月14日

事例417『補強筋のかぶり不足』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 長期間、過密だった現場の予定が一段落。
 
 今週、来週は東名の集中工事中。
 できるだけ、東名を使う方面への検査が出ないことを祈りつつ、
 手が付けられなかった、事務内での仕事を片付けています。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「補強筋のかぶり不足」
 __________________
 
 417

 
 
 ◆写真解説
 
 配管補強筋のかぶり不足。
 
 補強筋でも、6CMのかぶりを確保しないといけない。

 
 ◆内容説明
 
 配管スリーブで鉄筋を切断した箇所。
 その部分を補強するために入れた補強筋が、
 形状が大きすぎて、地面との距離が取れていない。
 
 鉄筋屋さんの仕事が終わっているため、
 設備屋さんが、補強筋を入れるケースが多い。
 
 設備屋さんは、鉄筋を曲げるなどの加工する道具を
 もっていないため、加工済のものを使う。
 
 うまく形状が合わなくても、そのまま施工するために、
 写真のようにかぶり不足になる。
 
 
 ◆対策
 
 工程の段取り的に、調整が難しい部分。
 
 配筋の検査で確認し、ダメな場合は、基礎屋さんに直させる。
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 工事現場では、着用が当たりまえのヘルメット。
 しかし、住宅の現場では意外と、着用率が低い。
 
 かっこ悪い、うっとうしい 
 
 などの理由で、かぶらない人がいる。
 
 
 車のシートベルトのように、
 ルールで決められ、万が一の危険に備えるもの。
 
 決められたルールを守れないような人は、
 仕事でもルールを守れないと、見なされても仕方がない。
 
 だから、着用していない職人を見ると、
 現場や工務店のモラルの低さを感じてしまう。
 
 
 私は、ヘルメットをかぶる癖が付いているので
 ヘルメットなしで、足場を歩くことに危険を感じます。
 
 
 しかし、電車で検査に行くときは
 このヘルメットが、かさばる。
 
 カバンに入れずに手で持って、電車に乗る勇気もありません。
 
 
 そこでいいものを見つけ購入しました。
 安全基準もクリアしています。
 
 たたむと、ノートパソコンくらいの薄さです。
 
 IMGP7761

 
 
 
 
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2011年10月04日

事例414『基礎を削る』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 毎月、住宅紛争の手持ち数が増えていきます。
 
 そんな私だから、今朝のこのブログの内容は、
 とても共感できました。
 http://ameblo.jp/ex-ma11091520sukotto/entry-11037397152.html
 
 裁判や調停を経験している人も、
 なるほどと、思うでしょう。
 
 引用させていただくと、
 
 20世紀前半の米国の自己啓発家
 デール・カーネギーもこう言っています。

「議論に勝つ最善の方法は、この世にただ一つしかない。
 その方法とは議論を避けることだ」 (引用ここまで)
 
 
 論議し出したら、スポーツのようなはっきりした勝ちはない。
 よく言う「痛み分け」で終わるのが普通。
 
 それが分かって、予防できればよいですが、
 なかなかそれができません。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「基礎を削る」
 __________________
 
 414

 
 
 
 ◆写真解説
 
 床下収納が基礎に当たるため、基礎の表面を削って無理やり入れた。
 
 これにより、かぶり厚※不足になった。
 ※(鉄筋まわりのコンクリートの厚さ)

 
 ◆内容説明
 
 床下収納庫を入れる段階になって初めて、
 基礎に当たることに気がついた。
 
 場所的に移動が不可能なため
 基礎を削って納めた。
 
 基礎を削れば、耐力低下や、
 かぶり厚不足が懸念される。
 
 
 原因は、設計ミス。
 設計者が詳細な納まりを考えずに、図面を書いた。
 
 
 ◆対策
 
 せっかく計画したのに、工事が始まって、「納まり上無理です」と
 言われるケースは珍しくない。
 
 
 営業や設計者に技術的な不安がある場合、
 工事の人へ確認を取るなどしたほうが確実です。
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 先日現場で、とても珍しい光景を見ました。
 
 それは、現場監督さんが真剣に怒っていた。
 
 怒られていた相手は、大工さん。
 検査しながら聞こえてくる内容から
 どうやら以前手がけた現場で、手抜きが発覚したようです。
 
 
 現場監督と言っても、ほとんどの現場は若い未熟な監督さんが多い。
 段取りに精一杯で、さらに知識もないため、
 反対に職人に叱られることはあっても
 なかなか職人を叱ることは出来ない。
 
 だから、最初に珍しい光景と書きました。
 
 
 この監督さんは40歳くらい。
 検査でやり取りしていますが、かなり仕事が出来る人です。
 
 
 工事が始まり、現場監督さんにがっかりする
 お客さんが結構多いです。
 
 こういう現場監督さんなら、安心して任せられますね。
 
 
 
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2011年09月30日

事例413『鉄筋のかぶり』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 ブルドーザーが乗っても大丈夫という
  セキスイハイムのTVCM
  
 強さをイメージさせるものでしょうけど、
 あれを見て、すごいとは思えない。
 
 私が、へそ曲がりでしょうか?
 
 
 
■(1)今回の事例_________

  「鉄筋のかぶり」
 _______________
 
 413

  
 
 ◆写真解説
 
 機械で鉄筋の位置を確認。
 
 表面から鉄筋までの距離が30mm必要なところ、
 20mmしかない。建築基準法違反。

 
 ◆内容説明
 
 基礎が完成している現場では
 鉄筋探査の機械を使って、鉄筋を調べます。
 
 床下での作業になることが多く、
 結構しんどい作業。
 
 しかし、かなりの確率で不備が見つかります。
 
 
 鉄筋外側のコンクリートの厚さ(かぶり)は、
 建築基準法施行令、建築工事標準仕様書(JASS5)など
 あらゆるもので定められている重要な事項。
 
 それでも、なかなか守れないのは
 後から見えなくなるから。
 
 鉄筋探査があれば、後からでも分かります。
 ただし、機械が高額なので、検査会社でも、
 鉄筋探査を持っているところはごくわずかです。
 
 
 ◆対策
 
 コンクリートを打つ前に厳しい検査をすることと、
 施工は、建築工事標準仕様書に記載があるように
 基準プラス10mmの余裕を持って施工をする。
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 仕事中に、たまたま見かけた建物解体現場。
 
 そこは、私がハウスメーカーに就職して
 はじめて担当した現場でした。
 
 まだ、25年しか経ってないのにもう解体。
 
 日本の家の寿命は、そのくらいと言われていますが
 まだまだ、使えると思います。
 
 
 解体後は同じく、集合住宅が建つようです。
 
 アパートは、やはり新築物件が人気です。
 また、25年前に比べてたら、人気の間取りも違う。
 大規模修繕するよりは、建て替えたほうが楽。
 
 そんな理由で、短命に終わってしまうのでしょう。
 
 
 
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2011年08月26日

事例403『コンクリートの爆裂』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今日も1日現場で、19時30過ぎに
 事務所に戻りました。
 
 この時間に戻ると
 書類を書く時間が限られます。
 
 明日も,明後日も現場予定が一杯。
 
 
 書類がたまります。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「コンクリートの爆裂」
 __________________
 
 403

 
 
 
 ◆写真解説
 
 基礎コンクリートの爆裂。
 
 鉄筋は無く、砕石の変異が原因?
 症状はひどく、修理、補修が必要。

 
 ◆内容説明
 
 このような爆裂。
 頻繁にどこでも、起きるものではない。

 爆裂の原因は、鉄筋が錆びて
 膨張したことが、まず頭に浮かびます。
 
 今回鉄筋探査で調べたら、鉄筋はない。
 
 
 そうなると、内部の砕石(骨材)が、
 地中から吸い込んだ水分などと反応し
 膨張したとしか考えられない。
 
 
 原因特定までは、至りませんでしたが
 このままの状態では、
 構造耐力的に弱いのは明らかであり
 
 修理、補修を勧めました。
 
 
 ◆対策
 
 クラックを補修するなど
 内部への水の侵入を防ぐ事が大事。
 
 
==================

■(2)編集後記

 
 構造計算などで安全を確かめれば
 基準どおりでなくてもいい。
 
 それを利用し、
 構造部材で、これで大丈夫かと思う安価な材料に
 変えているものがある。
 
 
 具体的に言ってしまうと
 メーカー、商品が想像できてしまうので
 今の時点では言えません。
 (営業妨害になる恐れあり)
 
 
 今週も1例あった。
 メーカーが出してきた安全検討書を見ると
 荷重の想定がかなり甘い。
 また、場合によっては、
 壊れる可能性があることを、文章で肯定している。
 
 そこまでして、コストダウンしないとダメなのか。
 
 
 問題が起きても「想定外」という
 便利な言葉があるので
 これでもいいのでしょう。
 
 
 年々、材料が悪くなっていると
 職人さんがよく言っている。
 
 「安全第一」は建前で
 「コスト第一」なんでしょう。
 
 
 
 
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2011年07月22日

事例393『コンクリート強度』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 外壁の仕様から、雨漏りあとが、
 映らないだろうと思い、最初はお断りした雨漏り調査。
 
 今日は、撮影にむかない曇りの天気なのに
 意外な雨漏りあとが、はっきり映りました。
 
 最初から決めつけてはダメですね。
 やってみることが大事です。
 
 
 
■(1)今回の事例__________

  「コンクリート強度」
 _________________
 
 393

  
 
 ◆写真解説
 
 図面に書かれているコンクリート強度。
 
 記載は間違いではないが、
 基礎屋さんが注文する強度は、これより強くないといけない。
 
 これが意外と知られていなく、基準に違反している現場が多い。

 
 ◆内容説明
 
 難しい説明は抜きにします。
 
 と言いながら、少し難しい話です。
 
 
 設計強度(図面に記載する打設後4週目の強度)と、
 呼び強度(生コン工場へ注文する強度)は違います。
 
 
 2009年にJASS5(建築工事標準仕様書)で
 この部分が以下のように改訂された。
 (昔の規定のままの建築士が多い)
 
 
 設計図書で特記がない限り
 
 住宅基礎用コンクリート
 ・設計基準強度 18N/mm2
 ・耐久設計基準強度 18N/mm2
 
 ・呼び強度 24N/mm2
 (構造体強度補正値6KN/mm2がプラスされる)
 
 これはH22年改訂の公庫仕様書(フラット35)も同じ。
 
 
 通常、図面には設計基準強度が記載される。
 よく見かけるのは21N/mm2
 
 これを見て、基礎屋さんが注文してしまうと
 呼び強度の基準の24KN/mm2を下回る。
 
 つまり、基準より弱いコンクリートが納入されてしまう。
 
 
 ◆対策
 
 最低24KN/mm2のコンクリートを注文させる。
 
 図面に、「呼び強度」を記載する。
 または、事前に基礎屋さんへ強度を確認する。
 
 
===================

■(2)編集後記
 
 
 「羽生善治棋士」は、私が好きな著者のひとり。
 
 私は、将棋に興味はありませんが、
 羽生さんの勝負師として経験論は非常に参考になる。
 
 「直感は経験で磨く」
 
 この言葉は頭の中に強く残っています。
 
 
 
 業者に媚びない検査の仕事は、
 業者との勝負の場が、度々ある。
 
 かれこれ10年経験を積んできた今でも、
 相手のペースに、完全にはまってしまうこともあります。
 
 
 実は今週も、直感が働かず、
 1手先は読んだが、2,3手先が読めなく、
 「はまった」と思うことがありました。
 
 
 どんな勝負でも、勝率10割は無理な話です。
 
 それでも、難しい経験を重ねて、直感に磨きをかけ、
 勝率を上げる努力をいたします。
 

 
 
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2011年06月24日

事例385『かぶりがない』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今日完成検査に行ったタマホームの現場。
 仕上り具合が、とてもきれいでした。
 
 この現場が、たまたまいいのではなく、
 ここ1年ほどで検査した全ての現場がきれい。
 
 平均すると、値段が高い一流ハウスメーカーより、
 ローコストメーカーの方が、仕上げがきれい。
 
 私が見る限り、断言できます。
 
 
 
■(1)今回の事例__________

  「かぶりがない」
 ________________
 
 385
 
 
 ◆写真解説
 
 かぶりが全く取れていない。
 
 玄関タイルを張る箇所、仕上げの収まり上、
 写真のように断熱材を入れて
 基礎幅を狭くする施工をよく見かける。

 
 ◆内容説明
 
 かぶり不足が起きやすい箇所。
 
 このままコンクリートを打った場合、
 鉄筋が完全に露出する。
 
 
 基礎の強度低下、耐久性に問題がある。
 
 
 ◆対策
 
 ベタ基礎の場合、1回目のコンクリート打設前の
 配筋検査は、ほとんど行う。
 しかし、2回目のコンクリート打設前の検査を
 やっている会社は少ない。
 
 基礎職人は、かぶりを気にしない人が多いので
 このタイミングでの検査は重要です。
 
 
===================

■(2)編集後記
 
 
 私のブログ。
 ライブドアからアメブロへ移転します。
 
 (しばらくは両方へ記事をアップします)
 
 
 昨年あたりから、いろんな方から移転を薦められ、
 最終的には読者の方から、
 薦められたのがきっかけになりました。
 
 
 現在でも、私にとっては多いな〜と思うくらい
 多くの方に読んでいただいています。
 
 移転後も変わらず、発信し続けますので
 よろしくお願いします。
 
 
 
 
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2011年06月07日

事例380『基礎内、異物による空洞』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 岐阜県多治見市に行く途中、
 名神集中工事の渋滞に引っかかりました。
 
 「中央道」だけが頭にあり、
 名神を少し経由することを忘れていました。
 
 高速道路の渋滞は、予定が大幅に狂うことがあります。
 スマートフォンなどで渋滞情報を
 マメに確認しようと思います。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「基礎内、異物による空洞」
 _________________
 
 380

  
 
 ◆写真解説
 
 基礎の配管穴部に、大きな空洞を発見。
 コンクリートが充填さていない、異常な状態。
 
 
 ◆内容説明
 
 基礎の立ち上がりに直交させて入れた
 「スリーブ」(配管をカットしたもの)が動いて、
 内部で横向きになったまま、コンクリートが流しこまれた。
 
 
 ジャンカという、多少の空洞でもダメですから
 このような大きな空洞は、当然NG。
 
 
 
 昔、ハウスメーカーにいた頃、こんなこともありました。
 コンクリート打設直前に、基礎職人が大きな石を
 基礎内へいくつか入れたところを、お客さんがたまたま見かけ、
 会社に苦情が入りました。
 
 基礎内部は、外から見えない。
 今回のようにあとから発見できることは稀なため、
 事前にチェックしておくことが大切です。
 
 
 ◆対策

 コンクリートの打設に立ち会う。または、
 打設直前、型枠が完了した時点で、検査をする。
 
 
 
===================

■(2)編集後記
 
 
 東日本大震災に伴う、購入者の関心から
 これから造られる住宅、マンションは
 揺れの軽減や、防災設備、非常用発電機などを
 配備するものが増えそうです。
 
 
 これらを備えた物件の発表には、マスコミも注目していて
 ニュースなどでも今後、多く取り上げられるでしょう。
 
 
 
 最近、S不動産が、これらを組み込んだ高層マンションを
 発表したときは、新聞、テレビなど多くが取り上げました。
 
 このニュースを見て、購入の検討を始めた方もいるでしょう。
 
 
 そのほぼ同時期、同じS不動産が販売した、耐震強度が偽装された
 分譲マンションをめぐり、11世帯14人への売買代金
 約3億7千万円の返還を命じた札幌高裁判決を不服とし、
 上告する方針を明らかにしたニュースがあったが、
 これは、ほとんど取り上げられていない。
 
 このニュースを知ると知らないでは、S不動産に対する
 イメージが、かなり違うでしょう。
 
 
 
 マスコミからの影響だけで、
 企業イメージを頭に植え付けるは危険です。
 
 特にこの業界は、悪い情報は出ません。
 

 
 
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2011年05月13日

事例373『機械で調べた かぶり不足』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今週、完成検査した、建売住宅。
 
  傷、汚れ以外は指摘なし。
 
 これは非常に珍しいことで、
 だいたい、構造、防火、省エネなどの
 指摘が3,4つは出るのが平均。
 
 当社のデータで、完成検査で「指摘あり」は
   99.8%。
  
 指摘0は、3年ぶりでした。
 
 さすがは、東証一部上場企業。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「機械で調べた かぶり不足」
 __________________
 
 373

  
 
 ◆写真解説
 
 完成した建物の鉄筋の位置を調べる機械。
 
 調査の結果、鉄筋まわりのコンクリートが
 薄いことが判明。かぶり厚不足。

 
 ◆内容説明
 
 コンクリートを打設すると、鉄筋は見えなくなる。
 
 しかし、鉄筋探査機を使うと、
 鉄筋の位置、かぶりなどを特定できる。
 
 かぶりについては、ミリ単位で機械が表示する。
 
 
 その他、鉄筋を調べる方法は、X線撮影がある。
 
 
 ◆対策

 直接目視するのと違い、
 非破壊試験には限界がある。
 
 見えなくなる前に、検査することが重要。
 
 
=================

■(2)編集後記
 
 
 この前読んだ「大人の流儀」(伊集院 静著、講談社)
 の中にこんな文章があった。
 
 
  昔、喧嘩のプロ、仲裁のプロに酒席で戯言を聞いたことがある。
  「こちらに九分の非があってもいったんはじめたら
  ビクッともせんことですわ。押しまくっとったら
  必ず突破口は見つかりますわ。そういうもんですよ、
  諍いちゅうもんは」
 
 
 比喩として、日本に対する中国の態度を、例に出していました。
 

 私が今まで関わった建築紛争を思い出すと、
 確かにそれは言えると思いました。
 
 明らかに向こうに非があるのに、
 堂々と押しまくる弁護士にかかると、
 こっちが間違っているような状況になる。
 
 
 業務として、こちらに九分の非があるのに押しまくる
 依頼は受けませんが、
 
 押された場合は、中国の言いなりになる
 日本のように、ならないことを心がけたいです。
 
 
 
 
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iekensa at 16:48|PermalinkComments(0)TrackBack(0)