2011年10月04日

事例414『基礎を削る』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 毎月、住宅紛争の手持ち数が増えていきます。
 
 そんな私だから、今朝のこのブログの内容は、
 とても共感できました。
 http://ameblo.jp/ex-ma11091520sukotto/entry-11037397152.html
 
 裁判や調停を経験している人も、
 なるほどと、思うでしょう。
 
 引用させていただくと、
 
 20世紀前半の米国の自己啓発家
 デール・カーネギーもこう言っています。

「議論に勝つ最善の方法は、この世にただ一つしかない。
 その方法とは議論を避けることだ」 (引用ここまで)
 
 
 論議し出したら、スポーツのようなはっきりした勝ちはない。
 よく言う「痛み分け」で終わるのが普通。
 
 それが分かって、予防できればよいですが、
 なかなかそれができません。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「基礎を削る」
 __________________
 
 414

 
 
 
 ◆写真解説
 
 床下収納が基礎に当たるため、基礎の表面を削って無理やり入れた。
 
 これにより、かぶり厚※不足になった。
 ※(鉄筋まわりのコンクリートの厚さ)

 
 ◆内容説明
 
 床下収納庫を入れる段階になって初めて、
 基礎に当たることに気がついた。
 
 場所的に移動が不可能なため
 基礎を削って納めた。
 
 基礎を削れば、耐力低下や、
 かぶり厚不足が懸念される。
 
 
 原因は、設計ミス。
 設計者が詳細な納まりを考えずに、図面を書いた。
 
 
 ◆対策
 
 せっかく計画したのに、工事が始まって、「納まり上無理です」と
 言われるケースは珍しくない。
 
 
 営業や設計者に技術的な不安がある場合、
 工事の人へ確認を取るなどしたほうが確実です。
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 先日現場で、とても珍しい光景を見ました。
 
 それは、現場監督さんが真剣に怒っていた。
 
 怒られていた相手は、大工さん。
 検査しながら聞こえてくる内容から
 どうやら以前手がけた現場で、手抜きが発覚したようです。
 
 
 現場監督と言っても、ほとんどの現場は若い未熟な監督さんが多い。
 段取りに精一杯で、さらに知識もないため、
 反対に職人に叱られることはあっても
 なかなか職人を叱ることは出来ない。
 
 だから、最初に珍しい光景と書きました。
 
 
 この監督さんは40歳くらい。
 検査でやり取りしていますが、かなり仕事が出来る人です。
 
 
 工事が始まり、現場監督さんにがっかりする
 お客さんが結構多いです。
 
 こういう現場監督さんなら、安心して任せられますね。
 
 
 
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2011年09月30日

事例413『鉄筋のかぶり』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 ブルドーザーが乗っても大丈夫という
  セキスイハイムのTVCM
  
 強さをイメージさせるものでしょうけど、
 あれを見て、すごいとは思えない。
 
 私が、へそ曲がりでしょうか?
 
 
 
■(1)今回の事例_________

  「鉄筋のかぶり」
 _______________
 
 413

  
 
 ◆写真解説
 
 機械で鉄筋の位置を確認。
 
 表面から鉄筋までの距離が30mm必要なところ、
 20mmしかない。建築基準法違反。

 
 ◆内容説明
 
 基礎が完成している現場では
 鉄筋探査の機械を使って、鉄筋を調べます。
 
 床下での作業になることが多く、
 結構しんどい作業。
 
 しかし、かなりの確率で不備が見つかります。
 
 
 鉄筋外側のコンクリートの厚さ(かぶり)は、
 建築基準法施行令、建築工事標準仕様書(JASS5)など
 あらゆるもので定められている重要な事項。
 
 それでも、なかなか守れないのは
 後から見えなくなるから。
 
 鉄筋探査があれば、後からでも分かります。
 ただし、機械が高額なので、検査会社でも、
 鉄筋探査を持っているところはごくわずかです。
 
 
 ◆対策
 
 コンクリートを打つ前に厳しい検査をすることと、
 施工は、建築工事標準仕様書に記載があるように
 基準プラス10mmの余裕を持って施工をする。
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 仕事中に、たまたま見かけた建物解体現場。
 
 そこは、私がハウスメーカーに就職して
 はじめて担当した現場でした。
 
 まだ、25年しか経ってないのにもう解体。
 
 日本の家の寿命は、そのくらいと言われていますが
 まだまだ、使えると思います。
 
 
 解体後は同じく、集合住宅が建つようです。
 
 アパートは、やはり新築物件が人気です。
 また、25年前に比べてたら、人気の間取りも違う。
 大規模修繕するよりは、建て替えたほうが楽。
 
 そんな理由で、短命に終わってしまうのでしょう。
 
 
 
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2011年09月27日

事例412『アンカーボルトのずれ』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 

 朝、高速道路の事故渋滞から予定が狂い。
 今日はまだまだ、仕事が片付きません。
 
 タイトなスケジュールが数日続きます。
 
 
■(1)今回の事例___________

  「アンカーボルトのずれ」
 _________________
 
 412

 
 
 ◆写真解説
 
 大手ハウスメーカーの現場で発見した、
 アンカーボルトの不備。
 位置がずれたので、曲げてそのまま放置。
 
 これでは基礎との接合が不十分。

 
 ◆内容説明
 
 築10年の中古住宅の検査で発見。
 同じような箇所が他に2ケ所あり。
 
 基礎と鉄骨躯体をつなぐアンカーボルト。
 これでは、何の意味もない。
 
 
 10年前も、今でも、検査体制はさほど変わらない。
 床下など、あとから見えな箇所は
 ミスを放置されやすい。
 
 
 ◆対策
 
 中古住宅を買う前の検査でした。
 
 保険と絡めたような、簡易な検査ではなく
 細部まで検査して買うことが重要です。
 
 
====================

■(2)編集後記
 
 
 「怒り」を抑える、消す。
 この手の本がたくさん出ています。
 
 「怒りは、得しない」
 
 過去、短気だった私もそう思います。
 (昔はまたか、と言われるくらい事務所や現場、空手の試合中など、
  そこら中で喧嘩してました。スタッフには今も、短気だと言われますが)
 
 
 瑕疵調査後の話し合いにおいて、
 依頼者から、こんなことを言われることがある。
 
 「業者と喧嘩してください」
 
 昔のヤクザのような役割を期待されても、
 はっきり言って困ることがあります。
 
 その理由は、悪徳業者相手ならともかく、
 前向きな歩み寄りの意思のある業者に対し
 専門家の立場である私が、喧嘩腰になると、
 まとまる話も、まとまらなくなるからです。
 
 
 会社の儲けだけ考えれば、揉め事を煽り、
 すぐに解決しないように長い時間、関わることが理想でしょう。
 また、勝つ見込みが薄くても、強く裁判を勧める。
 そして、長期化させて、あれやこれやで、業務を追加すれば
 売上が上がります。
 
 
 
 依頼者にしてみたら、業者は全て悪徳に見える。
 怒り気持ちはわかりますが、
 最大限、有利な条件を引き出すため、
 交渉ごとは冷静さが大事です。
 
 
 
 
 
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2011年09月23日

事例411『屋根の結露』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 今週火曜日の豪雨で
 事務所のある名古屋市守山区の一部地域が、浸水しました。
 
 今朝、現場を通りました。
 すでに水は引き、道路は泥だらけですが、
 建物の被害状況は、車で通るだけでは、よくわかりません。
 
 床下、床上浸水した方へ、心よりお見舞い申し上げます。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「屋根の結露」
 ___________________
 
 411

 
 
 ◆写真解説
 
 屋根合板の結露。
 合板にカビが生え、腐食が進んでいる。
 
 放置すれば、屋根が崩れる。

 
 ◆内容説明
 
 結露の一番の原因は、室内の湿気た空気が
 大量に屋根裏へ入っていること。
 
 屋根合板面が冷たく、結露を起こした。
 
 
 この事例は決して、珍しいものではない。
 
 2階の天井、壁面が隙間だらけなら
 室内の空気が小屋裏へ入る。
 
 
 
 ◆対策
 
 気流対策(気密施工)をするか
 しない場合は、小屋裏の換気を十分に取る。
 
 
======================

■(2)編集後記
 
 
 欠陥住宅を掴んでしまうと、金銭損失の大きさから
 普通は、平常心ではいられなくなる。
 
 さらに、業者が嘘をついたり、逃げたりすると
 いろいろ疑い深くなるのは仕方がないと思う。
 
 今週も、欠陥検査の依頼があり、こう聞かれた
 「最初に依頼したNPOの会員が適当な検査をし、
 さらに業者の味方している。おたくは信用できますか」
 
 投資で、「絶対に儲かります」という営業文句のようなもので、
 自分から「うちは信頼できます」と言うこと自体、
 怪しく思えませんかと、答えました。
 
 
 顧客の期待と一致しないと、
 信頼できない業者になってしまいます。
 
 例えば、業者から値引きを引き出すために、
 法律、基準で白のものも、黒と言って欲しいという期待には
 当然プロとして、私は添えません。
 
 
 ドラッガーの著書にありますが
 「プロたるものは、顧客に対して、必ず良い結果を
 もたらすと約束することはできない。
 最善をつくすことしかできない」
 
 自分に言い換えれば、
 今までの経験の蓄積から、知識を生かして、最善をつくし、
 期待以上と思っていただくように仕事をする。
 
 
 最善をつくすにも、知識や経験が少ないと
 最善のレベルが変わります。
 
 検査会社を選ぶポイントは、
 難しい事案の経験数だと思います。
 
 
 これも、依頼者に聞いた話ですが、
 雨漏り調査を検査会社(個人の設計士)に依頼をしたら
 現場に来て、「雨が漏ってますね」と状況を見ただけ。
 報告書は「施工業者が原因を調べ、修理しなさい」とだけ書かれていた。
 
 この程度だったら、依頼する意味がない。
 
 いろいろと出てくる、検査会社への不満
 あまりに多すぎるのと、NPOなどに比べたら当社は100%民間会社。
 うちも同類だと思われても、仕方がないですね。
 
 
 
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2011年09月20日

事例410『アンカーボルトのかぶり』

こんにちは住宅検査カノムの長井です。
 
 
 午前中、名二環を通って検査に行ってきました。
 
 一部地下を通る箇所で、すでに20CMくらい冠水し
 久しぶりに運転していて危険を感じました。
 
 午後から、通行止になったようで
 早めに帰って来れて良かったです。
 
 
 
■(1)今回の事例___________

  「アンカーボルトのかぶり」
 __________________
 
 410

 
 
 
 ◆写真解説
 
 アンカーボルトの露出。基礎から完全にはみ出している。
 
 こうなると、引き抜き強度の低下は確実。
 
 
 ◆内容説明
 
 大手ハウスメーカーの中古住宅検査で発見。
 
 アンカーボルトが、外にはみ出している。
 
 アンカーボルトは、コンクリートとの付着力で
 引っ張り強度を得ている。
 
 露出している箇所は付着がなく、
 強度低下は確実。
 また、サビの原因にもなる。
 
 
 ◆対策
 
 世間一般で、安心と思われている有名メーカー。
 最近、検査でいろいろ瑕疵がある。
 
 品質のチェックを、業者任せにしないことが大事。
 
 
====================

■(2)編集後記


 先週のニュースを紹介します。
 
 住宅瑕疵担保責任保険法人 「株式会社たてもの」が廃業。
 http://www.nais-th.co.jp/
 
 この会社は、他の5社に遅れて開業。
 
 私はこの会社の名古屋第1棟目の現場検査で一緒になり、
 検査員と名刺交換をし、話もしました。
 
 後発だけに、きちんとしようとする意向が感じられ、
 真面目に検査をする会社だと思いました。
 
 
 それがアダになったのか、
 開業してわずか数年で経営が悪くなり、
 国から業務停止を受けて、廃業に至った。
 
 
 法律で決められた保険、検査制度。
 建築業者は6社の中から自由に保険会社を選べる。
 
 そうなると、選ぶ基準は当然、
 「安さ」、「検査の甘さ」になる。
 
 
 価格競争で薄利な上、検査を厳しくし、依頼が少なければ
 経営が成り立つわけがない。
 
 
 何度も書いていますが、検査に来て、現場へ入らない検査会社。
 写真を3枚だけ撮って帰る検査会社などがある。
 
 
 保険制度はあった方が、もちろんよい。
 
 ただし、いい加減な検査をするくらいなら、検査をやめて、
 保険料だけの徴収にしたらいい。
 
 その方が消費者も納得できると思う。
 
 
 
 
 
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